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「2階へ上がった瞬間、空気が全然違う…」築15年の戸建て、40代夫婦が屋根裏換気扇を設置して直面した“想定外”

  • 2026.8.13
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

真夏になると「2階だけ異常に暑い」「夜になっても寝室の熱が抜けない」と感じた経験はありませんか。そんなとき、屋根裏換気扇(屋根裏にこもった熱気を屋外へ排出する設備)を設置することで屋根裏にたまった熱気を排出し、2階の暑さの軽減が期待できる場合があります。実際に、住宅の構造や設置条件によっては、夏場の暑さ対策として役立つケースもあります。

しかし、効果だけを期待して導入した結果、思いもよらない近隣トラブルへ発展したご家庭もありました。

今日は、暑さ対策のために屋根裏換気扇を設置したことで、静かな住宅街に思わぬ影響を与えてしまった戸建て住宅のお話をご紹介します。

2階の暑さを何とかしたかった

数年前、不動産売却のご相談をいただいた40代のAさんご夫婦のお話です。

築15年ほどの戸建て住宅で暮らしていましたが、毎年夏になると2階の寝室だけが異常に暑くなることに悩んでいました。

昼間に屋根で熱せられた空気が夜になっても屋根裏にこもり、午後10時を過ぎても寝室はむっとした暑さのまま。エアコンをつけてもなかなか室温が下がらず、壁や天井から熱気が伝わってくるように感じていたそうです。

「2階へ上がった瞬間、空気が全然違う…」

エアコンをつけても部屋が冷えるまで時間がかかり、タイマーで冷房が切れる頃には寝室の暑さで目が覚めてしまう毎日でした。小学生のお子さんも寝汗をかきながら何度も寝返りを打ち、ご夫婦も夜中に何度も目を覚ますなど、家族全員が寝不足気味になっていたそうです。

「このままでは夏を乗り切れない」

そう考えたAさんは、インターネットで暑さ対策を調べ始めます。すると「屋根裏換気扇を設置すると屋根裏の熱気が排出され、2階が涼しくなった」という口コミを数多く目にしました。

「屋根裏の熱気を外へ逃がせば、2階の温度も下がるかもしれない」

期待を抱いたAさんは、専門のリフォーム業者へ相談し、屋根裏換気扇を設置することにしたそうです。

効果は感じたものの…

設置後は、確かに以前より2階の暑さが和らいだように感じました。寝室へ上がった瞬間のむっとした熱気が以前ほど気にならなくなり、エアコンの効きも早くなったように感じたそうです。

「夜でも少し過ごしやすくなった気がする!」

家族からもそんな声が聞かれ、Aさんご夫婦は効果を実感していました。

「できるだけ屋根裏に熱をためないほうがいいだろう」

そう考えたAさんは、昼夜を問わず屋根裏換気扇を長時間運転するようになります。真夏の間は、朝から翌朝までほぼ動かし続けている日もあったそうです。

ところが、設置から数日後のことです。Aさんの奥さまが近所の方々と立ち話をしていると、こんな会話が聞こえてきました。

「最近、夜になると機械音みたいな音が聞こえるよね」「静かになる時間だから、余計に気になるのかもしれないね」「どこの家なんだろう…」

その話を聞いた奥さまは、数日前から昼夜を問わず動かしていた屋根裏換気扇のことが頭をよぎり「まさか、うちではないよね…」と不安になったそうです。

この後、帰宅したご主人へ相談し、その日の夜に家の外へ出て確認してみることにしました。

夜の住宅街では想像以上に音が響いていた

その日の夜、Aさんご夫婦は屋根裏換気扇を運転させたまま、自宅の外へ出て確認してみることにしました。日中は子どもの声や車の走行音でにぎやかな住宅街も、夜になると人通りはほとんどなく、辺りは静まり返っています。

耳を澄ませると、自宅の屋根付近から「ブーン…」という低い運転音が聞こえてきました。自宅から数メートル離れると、その音は想像していた以上にはっきりと聞こえ、わずかな振動音も静かな夜には目立っていたそうです。

「家の中ではほとんど気付かなかったのに…」

Aさんは初めて、近隣の方が気にしていた理由を理解しました。翌日、施工業者へ相談したところ「防振ゴム(機械の振動を抑える部材)を追加することで改善できる可能性があります」「夜間はタイマー運転に変更したり、運転時間を見直したりする方法もあります」といった提案を受けます。

実際に防振対策を行い、夜間の連続運転を控えるようにしたところ、運転音や振動音は以前より気になりにくくなり、その後、近隣から相談を受けることはなかったそうです。

暑さ対策は住宅全体の性能や近隣への配慮も考える

屋根裏換気扇は、住宅の構造や断熱性能、換気計画によっては、夏場の2階の暑さ対策として役立つ設備です。

一方で、設置場所や施工方法、建物の構造、運転時間によっては、運転音や振動が周囲へ伝わる場合があります。特に夜間は周囲が静かになるため、昼間には気にならなかった音が思いのほか目立つこともあります。

そのため、導入を検討する際は屋根裏換気扇だけで判断するのではなく、断熱性能や屋根裏の換気方法など、住宅全体の暑さ対策を踏まえて専門業者へ相談することが大切です。

また、設置後は室内だけでなく、夜間に屋外へ出て運転音や振動が周囲へどの程度伝わっているかを確認しておくと安心です。

暑さ対策は快適な住まいづくりにつながります。しかし、自宅の快適さだけでなく近隣への影響にも目を向けることで思わぬトラブルを防ぎ、長く気持ちよく暮らせる住環境につながるでしょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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