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深夜2時の病棟で「ドーン!」突然の衝撃音「急変かもしれない」と走るも…発覚した真相に「寿命縮んだわ…」

  • 2026.8.20
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。現役看護師ライターのこてゆきです。

病院の夜勤は、昼間とはまったく違う緊張感があります。消灯後は静かな時間が流れますが、その静けさの中で突然鳴る物音やナースコールは、時にスタッフの心拍数を一気に上げます。

特に精神科病棟では、転倒や患者さん同士のトラブル、急な体調変化など、さまざまな可能性を考えながら対応しなければなりません。

今回ご紹介するのは、夜勤中に病棟スタッフ全員が一斉に緊張し、原因を探して病棟内を走り回った出来事です。結果的には大きな事故ではなかったものの、あの15分間は今でも鮮明に覚えています。

深夜2時、静まり返った病棟で響いた大きな音

その日の夜勤は比較的落ち着いていました。精神科病棟に入院していたAさんは、日中は落ち着いて過ごされており、その夜も消灯後は特に問題なく休まれていました。

時計が午前2時を回った頃。

ナースステーションでは記録作業をしていました。病棟内も静かで、患者さんたちもほとんど眠っている時間帯です。

その時でした。

病棟の奥の方から、「ドーン!」という大きな衝撃音が響きました。

一瞬、ナースステーション内の空気が止まります。

「えっ!?」

「今の何!?」

私たちが音の方向に意識を向けた、その直後でした。Aさんの病室からナースコールが鳴りました。

「ピンポーン」

「○○号室です」

さらに数秒後、Aさん本人から不安そうな声が聞こえます。

「今の音、なんですか?」

その言葉で、スタッフの緊張が一気に高まりました。

「Aさんのところで何かあったかもしれない」

そう判断し、すぐに病室へ向かいます。

ナースコールも重なり緊張が走る

同時に別の部屋からもナースコールが鳴り始めました。

深夜帯に続けて起こる異変に、病棟内の緊張感がさらに高まります。

「私、コール対応行きます!」

「病棟奥確認します!」

スタッフは手分けして動き始めました。

私は音がした方向へ急ぎます。すると途中で患者さんが部屋から顔を出していました。

「今の音、何ですか?」

「大丈夫ですか?」

不安そうな表情です。

「確認してきますね」

そう答えながら足早に病棟奥へ向かいました。

患者さんは全員無事だった

まず確認したのは転倒の可能性です。病室を順番に見て回ります。しかし患者さんたちは皆ベッドで休まれていました。

Aさんの部屋も確認しました。

「Aさん、大丈夫ですか?」

「ん…?」

眠そうに目を開けただけです。転倒した様子もありません。ほかの患者さんにも異常は見当たりませんでした。

ナースコールの患者さんも、「トイレに行きたかっただけです」とのこと。

音とは無関係でした。しかし原因が分かりません。

「誰も転倒してない?」

「異常なしです」

「じゃああの音は何だったの?」

スタッフ同士で顔を見合わせます。

再び響いた衝撃音、原因が分からないまま数分が経過しました。ナースステーションに戻りかけた、その時です。

「ガシャーン!」

再び大きな音。今度はさらに響いたように感じました。

「また!?」「どこ!?」

スタッフ全員が再び動き出します。今度は患者さんたちもざわつき始めました。

「事故ですか?」「誰か倒れたんですか?」

病室から声が聞こえてきます。しかし探しても異常はありません。誰も転倒していない。患者さん同士のトラブルもない。備品も壊れていない。それなのに確かに大きな音だけが鳴っているのです。

音の正体を追いかける。原因は製氷機の故障だった

「音の方向だけ確認しよう」

そこで、スタッフ数名で病棟内を歩いて回りました。耳を澄ませながら音源を探します。するとあるスタッフが言いました。

「あれ…この辺から聞こえません?」

病棟奥にある給湯室でした。普段あまり意識しない場所です。しばらく待っていると、「ガタンッ!」と今度は近くで音が聞こえました。

「あっ!」

原因が分かった瞬間でした。音の正体は給湯室に設置されていた製氷機だったのです。

製氷機を確認すると、内部に氷が大量に詰まっていました。故障により正常に排出されず、氷の塊が一気に落下していたのです。深夜の静まり返った病棟では、その音が想像以上に大きく響いていました。

「え…これ?」

「これだったの?」

スタッフ全員が拍子抜けしました。ついさっきまで、「転倒かもしれない」「急変かもしれない」と緊張していたのです。原因が分かった瞬間、思わず笑いが漏れました。

「寿命縮んだわ…」

夜勤リーダーがそう言うと、「本当に」「完全に何か起きたと思いました」と、みんな同じ気持ちでした。

緊張の糸が切れた瞬間

翌朝の申し送りでも、この話題になりました。

「夜中に病棟中走りましたよ」「製氷機でした」と伝えると、日勤スタッフは驚きながら笑っていました。

患者さんにも、「昨夜の音、大丈夫だったんですか?」と聞かれました。

「製氷機が原因だったんですよ」そう説明すると、「そんなことあるんですね」と皆さん苦笑い。

夜勤帯だからこそ感じる緊張感

病院の夜勤では静かな時間が長い分、小さな異変にも敏感になります。

特に精神科病棟では、患者さんの安全を守るために常に周囲へ注意を払っています。だからこそ、正体の分からない大きな音はスタッフにとって非常に緊張する出来事です。

今回のように製氷機が原因だったケースは珍しいかもしれません。

それでも、もし本当に転倒や急変だった場合を考えると、私たちは毎回全力で確認しなければなりません。今振り返れば笑い話ですが、あの15分間は誰も笑う余裕などありませんでした。

夜勤明けにスタッフ同士で「製氷機でよかったね」と話した時の安堵感は、今でもよく覚えています。病棟の平和を守るために走り回った深夜2時。あの日の製氷機の音は、私の看護師人生の中でも忘れられないヒヤッとした音のひとつです。



ライター:こてゆき

精神科病院で6年勤務。現在は訪問看護師として高齢の方から小児の医療に従事。精神科で身につけたコミュニケーション力で、患者さんとその家族への説明や指導が得意。看護師としてのモットーは「その人に寄り添ったケアを」。


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