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「日本盤だけ」だった2曲が、30年目に世界へ。セックス・ピストルズ伝説の再結成ライブ盤が復活

  • 2026.7.23

セックス・ピストルズが1996年に発表したライブ盤『勝手に来やがれ』の30周年記念エディションが、11月20日に発売される。1978年の解散以来はじめてオリジナルの4人が揃った一夜の記録に、これまで日本盤にしか入っていなかった2曲が加わる。(フロントロウ編集部)

「もう演奏できない」と言われた4人が戻った夜

1996年6月23日、ロンドンのフィンズベリー・パーク。ジョニー・ロットン(ジョン・ライドン)、スティーヴ・ジョーンズ、ポール・クック、グレン・マトロックが同じステージに立った。1978年の米国ツアー中に突然の解散を発表し、サンフランシスコのウィンターランド・ボールルームでの公演を最後に散り散りになっていたバンドにとって、これが初めての再結成公演だった。

この夜に鳴らされたのは、名盤『勝手にしやがれ!』からの「アナーキー・イン・ザ・U.K.」「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」「ボディーズ」「さらばベルリンの陽」「プリティ・ヴェイカント」といった代表曲。そしてベースの位置には、1977年にシド・ヴィシャスと交代させられていたオリジナル・メンバーのグレン・マトロックが戻っていた。

ギターのスティーヴ・ジョーンズは、この音源についてこう語っている。「78年に最初に解散してから20年が経ち、ピストルズは演奏できないという議論がつねにあった。この『勝手に来やがれ』は、僕たちが演奏できるだけでなく、圧倒的なパワーを持っていることを証明していると思う。ロックンロール万歳だ」

ドラムのポール・クックの言葉は、もう少し込み入っている。「すべてが『勝手に来やがれ』のためだったわけではない――そのタイトルはつねに皮肉を込めたものだった――『勝手にしやがれ!』のオリジナル・ラインナップを再結成し、僕たちが本当に何ができるかを示すことが目的だった。最高だったよ」。“Filthy Lucre”(汚れた金)というツアー名は、パンクを揶揄した1976年の英『デイリー・エクスプレス』紙の見出しから取られたもの。金目当てだと書かれた言葉を、そのまま看板として掲げ返したわけだ。

日本盤限定だった2曲が、初めてアナログ盤に載る

30周年記念エディションで最も注目すべきは、追加される2曲だろう。ひとつはザ・ストゥージズのカバー「ノー・ファン」、もうひとつは「ボディーズ」を観客が大合唱するバージョン「バディーズ」。米uDiscover Musicによると、この2曲はこれまで日本盤のボーナス・トラックとしてしか聴けなかったもので、アナログ盤と標準CD盤に収録されるのは今回が初めてだという。

逆に言えば、海外のファンはこれまで、たった2曲のために日本盤を探すしかなかったことになる。形態は2枚組のレッド・ヴァイナルとシングルCDの2種類。日本盤(品番UICY-80792/3,300円税込)は限定盤で、解説と歌詞・対訳が付き、SHM-CD仕様となる。

『勝手に来やがれ』30周年記念エディションの展開図
画像提供:ユニバーサルミュージック

30年後、ピストルズはまだ鳴っている

もっとも、あの夜の4人がそのまま今日まで続いているわけではない。2026年現在、ジョーンズ、クック、マトロックの3人は、フロントマンにフランク・カーターを迎えて北米・欧州・英国をまわっている。パンク誕生から50年、そして『勝手にしやがれ!』のレコーディング・セッションから50年という節目を祝うツアーで、北米公演は9月のダラスで開幕し、10月のロサンゼルスで幕を閉じる予定だ。

演奏できるのか、できないのか。1996年の一夜は、その問いに音で答えた記録だった。30年分のボーナス・トラックを抱えたまま、それがもう一度世に出る。

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