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「餌は誰かがあげてね」捕まえた生き物を園に放置し続けた親。だが、先生の一言で黙り込んだ

  • 2026.7.25

月曜の朝に増える飼育ケース

月曜になると、下駄箱の脇に飼育ケースが増えます。

同じ組のママが、休みのたびに子どもと捕まえた生き物を持ってくるのです。

カニ、トカゲ、カタツムリ。子どもたちは登園するなり群がります。生き物を連れてきたくなる気持ちは、うちの子を見ていればよく分かるのです。

気になっていたのは、そのあとでした。

「餌は誰かがあげてね」

ケースを廊下に置いて、そう言って帰っていくのです。

餌も霧吹きも土も入っていません。

先生が空き時間に葉っぱを探し、別のママが野菜くずを持ってきます。

誰かがなんとかする。それが当たり前になっていました。

連休の前日、うちの子が両手でケースを抱えて出てきたときは、言葉が出ませんでした。

「おうちで見ててって、言われた」

捕まえてきた子と、特別仲がいいわけでもありません。

それでも子どもは自分が任されたと思い込み、得意そうな顔をしています。

連休の3日間、土も餌もこちらで買いそろえました。レシートを見て、ため息が出ます。それでも子どもは毎朝ケースを覗き、うれしそうに報告してくるのです。

休みが明け、私はまた大荷物を抱えて園へ向かいました。

先生が全員の前で伝えたこと

お迎えの列で、隣のママが小さな声で言いました。

「それ、うちも先々週やったよ。餌代もね」

「うちもです」

後ろのママまで振り向きました。同じことを思っていたのは私だけではなかったのです。

陰でこぼしても何も変わりません。私は翌日、先生に時間をもらいました。

「持ってこないでほしい、ということではないんです。餌と週末のことだけ、園で決めていただけませんか」

先生は最後まで聞いて、うなずきました。

次の週の朝、保護者が集まったところで、先生が全員に向けて言いました。

「生き物をお預かりするのは、餌と週末のお世話をご家庭で持てる場合だけにさせてください」

誰の名前も出しませんでした。

「見つけて連れてきてくれるのは、本当にうれしいことです。ただ、命ですから、最後まで見られる形でお願いします」

いつも持ち込んでいたママの動きが止まりました。鞄を持ち直し、口を開きかけ、そのまま閉じます。周りで何人かがはっきりうなずきました。

彼女は何も言い返しません。うつむいたまま会釈をして、出ていったのです。

翌週から、廊下の飼育ケースは一つもなくなりました。

代わりに、園庭で見つけた虫を観察し、帰りにもとの場所へ返す時間ができました。うちの子はダンゴムシを手のひらに乗せ、私に見せてから草むらへ戻します。

金曜の帰り道、私の腕には何もありません。子どもと手をつないで帰れたのです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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