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【体験レポ】世界遺産にも登録。日本屈指の強力パワースポット・熊野本宮大社と熊野速玉大社に行ってみた

  • 2026.7.23

たしか、あれは2021年。海外への渡航が制限され、県をまたいだ国内旅行もようやく解禁されたころ。ちょこちょこ国内を旅していたのですが、またどこかに行きたくなり、JALの「どこかへマイル」(行き先がランダムに選出され、その行き先への往復航空券をお得なマイル数で交換できるサービス)を申し込んでみたんです。そしたら「南紀白浜空港」がヒット。どんな観光地があるのか調べてみると、ずっと気になっていた熊野古道の起点に最適だったんです。
 
そもそも熊野古道は、紀伊半島南部にある聖地「熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)」へと続く巡礼の道のこと。2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として、ユネスコの世界遺産に登録されました。
 
熊野古道のことは、仕事でよく旅をしていたイラストレーターの巨匠から聞いていました。お参りしたら新しい仕事が決まったとのことだったので、いつかは行ってみたいと思っていたんですよね。そしたら「どこかへマイル」で南紀白浜空港がヒットしたなんて、これは呼ばれているとしか思えない! ということで、2021年から3年連続でお参りしました。そして、お参り後には必ず、新しい仕事が決まっていました。
 
その後、バタバタしていて2年ほどうかがっていなかったのですが、2026年はどんなに忙しくてもお参りをしなくては! と思い、久しぶりに行ってきました。今回は時間に限りがあり、熊野本宮大社と熊野速玉大社にしか伺えなかったですが、その様子をレポートします。

南紀白浜空港から快速熊野古道号で、いざ熊野本宮大社へ

以前は現金のみでしたが、今回は交通系ICカードも利用できました!

今回の旅も南紀白浜空港からスタート。熊野古道は紀伊半島の山間部に位置するため、とにかくアクセスが悪いんです。大阪や名古屋からでも片道約4時間かかりますし、限られた時間で訪れるとなるとかなり大変。そして、筆者は自動車の運転免許を持っていないので、いつもバスを利用しています。
 
まずは、熊野本宮大社を目指します。空港からは明光バスの快速熊野古道号で、約2時間30分のバス旅。帰りも飛行機となると、熊野本宮大社→熊野速玉大社→熊野那智大社の順で巡るのがオススメです(※筆者調べ)。ちなみに1泊2日の旅で、移動は公共交通機関のみだと熊野那智大社に伺うのはかなり難しいかもしれませんが、レンタカーを借りれば効率的に巡ることができますよ。

熊野本宮大社までの道のりは自然も豊か。新緑が美しい5月に訪れましたが、秋の紅葉シーズンもよさそう!

路線バスとは違い、クッション性の高いシートなので長時間の移動も快適♡ wifiや充電用コンセントも備えられているのもうれしいポイントです。あと、途中でトイレ休憩もあるので、車内で飲み物を飲んでも安心。ちなみに予約も不要です!
 
下車するのは、「熊野本宮大社前」。早朝便でかなりお腹が空いていたので、まずは腹ごしらえ。筆者の定番は、大好きなさんま寿司とめはり寿司。さんま寿司は、塩漬けした秋刀魚を柑橘系を効かせた酢で締め、酢飯に合わせたもの。めはり寿司は、ご飯を高菜の浅漬けで包んだシンプルなおにぎりで、その名称は「目を見張るほど大きな口を開けて食べる」ことに由来するとか。どちらも熊野地方の郷土料理なので、訪れたらぜひ試してみて!

こちらが熊野本宮大社を訪れたときの定番ランチ。どちらもビールとの相性も抜群なんです♡

お参りするたびに神秘的な力を感じる熊野本宮大社

神殿への入り口がこちら。一歩入ると空気が変わります(※あくまでも個人的な感想です)

和歌山県田辺市にある熊野本宮大社(来世)は、全国に4,700以上もある熊野神社の総本宮で、創建はなんと紀元前33年。ちょうど縄文時代後期から弥生時代にあたり、三山各社、創建時代が異なります。そもそも熊野那智大社(現世)・熊野速玉大社(前世)を含む熊野三山は、現世のけがれを落として新しく生まれ変わる”よみがえりの聖地”として信仰を集めました。熊野詣の勢いが盛んだった平安時代から室町時代にかけては皇族から庶民まで多くの人々が参詣し、その行列の多さから”蟻の熊野詣”とたとえられたとか。
 
そして熊野本宮大社の運命を大きく変えたのが、明治22年8月に発生した熊野川大洪水。一部地域で24時間降水量が1,000㎜を超えるという、現代でも滅多にない記録的な大雨になったのです。ちなみに和歌山県新宮市熊野川町にある「道の駅 瀞峡街道 熊野川」には、熊野川の氾濫で到達した最高水位8.27mを示すモニュメントと慰霊碑が今も残されています。初めてモニュメントを見たときは、その水位の高さに本当に驚かされました。当時の熊野本宮大社である旧社地「大斎原」があったのは、熊野川・音無川・岩田川の3つの川が合流する中洲。そのため社殿の多くは流され、流出を免れた上四社の社殿を明治24年に現在の高台に移築したといいます。

大鳥居の先には158段の石段が。これを一段一段登るにつれて、不思議と心が静まるんです

八咫烏(やたがらす)といえば、サッカー日本代表のエンブレムですが、熊野本宮大社とも切っても切れない深い結びつきがあります。そもそも八咫烏は熊野の神々の使いであり、神そのものとも同一視される聖なる鳥。日本神話の『神武東征』のエピソードにも登場します。初代天皇である神武天皇一行が熊野の険しい山中で道に迷ったとき、八咫烏が先導して無事に山を抜けたことから、「導きの神」として信仰されているのです。また、サッカーにおいては、「ボールをゴールへと正しく導くように」「勝利へ導くように」という願いが込められているそう。

筆者は5月に訪れたということもあり、社務所前には日本代表への応援メッセージが。これは「サッカーの聖地」とも呼ばれる熊野本宮大社ならではの光景ですよね

家津美御子大神をはじめとする神々を祀る社殿。参拝には順序があるんです!

歴史を感じさせる壮麗な社殿。厳かな雰囲気が漂っています

熊野本宮大社の主祭神は、第三殿に祀られている家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)。公式では家津美御子大神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)とされていますが、記紀神話(古事記・日本書紀)とは異なるルーツを持つ、謎の多い神なのだとか。また、一般的な日本の神社での最高神とされている天照大神(あまてらすおおかみ)は、第四殿という一段下がった位置に祀られているそう。
 
ちなみに第二殿に速玉大神が、第一殿には夫須大神が祀られています。そこでひとつ疑問が浮かびませんか? 「熊野本宮大社は、なんで多くの御祭神が祀られているんだろう」って。その理由はいくつかあるそうですが、歴史の背景として一番決定的なのは、熊野の3つの神社の相互勧請(神様の共有)です。もともと熊野には本宮・速玉・那智という独立した独自の神を祀る神社があったのですが、平安時代になると3つの神社がそれぞれ自分の神様を他の2つの神社に分身として送り合いました。その結果、3つの神社が3社全ての神様をまとめて祀るというカタチができて、神仏習合を経た後に熊野三山といわれるようになったそう。

この看板は授与所前あたりにあるので、写真を撮ってから参拝するのがオススメ!

上の画像を見てわかるとおり、本殿は参拝する順序があります。まずは主祭神である家津美御子大神から。ちなに筆者はその順番を間違えたことがあり、それを宮司さんに伝えたら、間違っていてもきちんと参拝することが大切とのことだったので、もし間違えてもご安心を。
 
最後に、熊野三山は人の時間軸を守ると信仰されてきたといいます。それぞれのご利益は、熊野本宮大社は来世の安蜜を約束する(未来)、熊野那智大社は現世の縁を結ぶ(現在)、熊野速玉大社は前世の罪を浄める(過去)だそう。これを踏まえると、熊野本宮大社に訪れるたびに新しい仕事が決まっていたのは必然だったのかも! と思っちゃいますよね。

熊野本宮大社でいつも購入しているのが、熊野三山で授与される熊野牛王神符(くまのごおうしんぷ)。「オカラスさん」とも呼ばれる日本で最も歴史が深く強力とされる特別なお札で、八咫烏の姿を組み合わせた鳥文字で書かれているんです。すごくカッコよくないですか? こちらのサイズは小(¥1,000)で、大(¥3,000)で、デザインは各大社によって違うそう。筆者は折りたたんで財布に入れて持ち歩いてます!

全ての生命の原点。熊野の神々が最初に舞い降りた大斎原へ

大斎原は、現代の熊野本宮大社から徒歩約10分。大きな看板も出ているので、わかりやすいはず

熊野本宮大社が明治時代まで鎮座していた旧社地である大斎原(おおゆのはら)。現在の熊野本宮大社が”未来の救済”を祈る場所であるのに対し、大斎原は”全ての生命の原点”であり、熊野信仰において最も神聖なパワースポットでもあります。熊野川・音無川・岩田川が合流する中洲に位置しているのが、”全ての生命の原点”といわれる理由だといいます。
 
そもそも水は生命の源であり、全ての汚れを洗い流すものとされてきました。また、天からの気、地からの気、3つの水流が交わるこの地は、大地のエネルギーが激しく渦巻き、物質的にも精神的にも”物事が新しく生み出される原点の地”とされてきたのです。また、主祭神である家都美御子大神は、神道において非常に重要な国常立尊(くにとこたちのみこと)と同一視される説もあります。そんな国常立尊が、天と地が初めてわかれてこの宇宙や地球が誕生した瞬間、最初に出現したとされる地球・世界の根源神。そういったことから、大斎原が”全ての生命の原点”といわれているのです。

大斎原の日本一巨大な大鳥居はこちら! 肉眼で見るとすごい迫力ですよ!

看板の先を右に曲がると出現するのが、大斎原の入り口にそびえ立つ巨大な大鳥居。こちらは高さ33.9m、幅42mの日本最大で、鳥居の中央には神武天皇を熊野から大和(現・奈良県)へと案内した導きの神鳥、八咫烏の紋章が掲げられています。
 
ここでひとつ注意点があります。それが杉木立から奥の神域は、写真や動画の撮影が一切禁止なこと。筆者は特別な許可をいただいて撮影しているので、くれぐれもみなさんはご注意を。この神聖な空気は、ぜひ五感で感じてくださいね!

大鳥居をくぐると、美しい杉木立の山道が。奥に進むと、かつての社殿跡地にたどり着きますよ

右の石祠にはかつて大斎原に12あった社殿のうち水害で流出してしまった8つの社殿の神々を、左の石祠には熊野川の神様が祀られた大川御子美子社が祀られています

御本殿の伊邪那美命(イザナミノミコト)の和御魂(にぎみたま)をお祀りしており、大斎原へ向かう途中に佇む産田社には、伊邪那美命の荒御魂(あらみたま)パワーを祀られています。子授けや安産にご利益があるほか、大斎原へ行く前にここでお参りするのが古くからの習わしになっているそう

鮮やかな朱塗りの社殿が美しく華やかな熊野速玉大社

鮮やかな朱塗りの鳥居が素敵♡ 熊野本宮大社とはまた違った魅力がありますよね

熊野本宮大社の参拝が終わったら、和歌山県新宮市に鎮座する熊野速玉大社へ。こちらは熊野御坊南海バス 川丈線で約1時間のバス旅になります。ちなみに本宮大社前から速玉大社前までの間の熊野川沿いに「道の駅 瀞峡街道 熊野川」があり、大洪水の際の最高水位のモニュメントがあります。進行方向に向かって右側にありますよ。
 
熊野速玉大社は”前世の罪を浄める”聖地であり、ほかの熊野三山同様に世界遺産の神社です。その始まりは自然をそのまま崇める巨石信仰(磐座)にあり、現在の境内から約2km離れた場所にある千穂ヶ峰の南南端・神倉神社にあります。伝承では今から約2000年前の景行天皇58年、神倉山にある「ゴトビキ岩」という巨石に熊野の神々が初めて降臨したとされています。

今回は天気が悪く伺えなかったので、以前訪れた神倉神社の写真を。この神社、538段の急勾配の石段を登るのですが、正直、かなりきついです。でも、がんばって登ったら新宮の街を一望できる絶景も拝めるので、体力的に可能であればぜひ行ってみてください!

桧皮葺の渋い本宮大社とは対照的に、熊野速玉大社は鮮やかな朱塗りの社殿が美しく立ち並ぶのが特徴。これは明治時代以降の大火や第二次世界大戦後の昭和28年の再建を経て、鮮やかで美しい社殿に見事に復興されたそうです。
 
主祭神は熊野速玉大神(イザナギノミコト)と熊野夫須美大神(イザナミノミコト)。日本神話で日本列島や多くの神々を産み出した夫婦でもあります。そのため熊野速玉大社は縁結びや夫婦円満、家内安全や事業成就、そして新しいものを生み出す極めて強力な聖地として、古くから多くの人々の崇拝を集めてきたといいます。

画像の左側にある本殿では、向かって左に夫須美大神、右に速玉大神が並んで鎮座しています

樹齢1000年の梛の木も必見。良縁を引き寄せる葉はぜひお守りに!

こちらが参道にそびえ立っている梛の大樹。国の天然記念物に指定されています

熊野速玉大社といえば、樹齢1000年の梛(なぎ)の大樹。平安時代末期に、平清盛の長男である平重盛が現世安穏(げんせあんのん)を願われ、お手植えされたと言われています。じつは梛の葉は非常に不思議で、なんと縦方向の葉脈しかないんです。なので、横方向に引っ張っても引っ張っても、人の力では滅多にちぎれないほど頑丈。そのことから男女の縁が切れない良縁の象徴とされ、さらには縁結びや家庭円満、旅の安全を守るお守りとされてきました。
 
そうなるとぜひとも手に入れたいところですが、木から葉をもぎ取る行為は絶対にNG。筆者はおみやげを売っている方にいただいたのですが、落ちている葉を拾うのは大丈夫なようで、昔の方も熊野詣をされたとき拾われていたそうです。

筆者が2023年にいただいた梛の葉。ラップに包むのがオススメと聞いて、その通りにしてお財布に入れています

梛つながりで、今回はなぎまもり(¥600)も購入。なぎの実を使って奉製奉製された、熊野速玉大社ならではの珍しいお守りとか。巫女さんなどによって手作りされているってのもイイですよね!

熊野速玉大社に行ったら、ぜひ売店にも立ち寄って!

リーズナブルな紀州名物が盛りだくさん! とってもかわいいお母さんが接客してくれますよ!

筆者が熊野速玉大社に足繁く通う理由のひとつが、お土産「かわらや」です。手水社の裏あたりにある小さなお店で、和歌山産のみかんやめはり寿司用の高菜漬けなどが並んでいるのですが、筆者のオススメは紀州の梅干しです。農家産直売の梅干しが好きだったのですが、生産者の高齢化の関係で残念ながら昨年営業終了してしまったそう。今回は筆者が大好きだった梅干しに近いものをお店の方に教えてもらいました。
 
あと、前回購入して美味しかった那智飴を購入しました。こちらは麦芽糖の水飴をじっくり炊き込んで作られたもので、飴はくっつかないように香ばしいハッタイ粉(炒り麦の粉)がまぶされています。古くから熊野古道を歩く参詣者がエネルギー補給として口にしていたそうで、甘さが控えめの素朴な味わいが楽しめるんです。

紀州南高梅 やわらかうす塩味¥880

値段を失念してしまったんですが、確か¥300程度だったかと思います

熊野本宮大社と熊野速玉大社は約2年ぶりでしたが、お参りするたびにすごく心が晴れるんですよね。あと、もちろん今回も新しい仕事は決まりました! ほんと、相性がイイ! 日本屈指の強力パワースポットなので、ぜひみなさんも足を運んでみてくださいね。

text:KYOKO CHIKAMA

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