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熱中症対策で知っておきたいWBGT(暑さ指数)! 気温との違いや気をつけるべきポイント

  • 2026.7.22

本格的な夏に気をつけなければならないのが熱中症です。普段の生活では気温ばかりを気にしがちですが、たとえ気温があまり高くなくても、他の気象条件によって熱中症のリスクが高まるケースもあります。そのため、熱中症のリスクを正しく判断するためには、気温だけでなく、他の気象条件も取り入れたWBGT(暑さ指数)を正しく理解し、日ごろから意識しておくことが大切です。

今回は熱中症対策で知っておきたいWBGTの概要や仕組み、生活活動の目安を紹介します。

WBGT(暑さ指数)とは?

WBGT(暑さ指数:Wet Bulb Globe Temperature)とは、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。日本でも、医療機関や公的機関をはじめ、学校の部活動やスポーツの現場、建設業や工場といった労働環境における作業中止の判断基準など、熱中症リスクを回避するための公的なガイドラインとして幅広く活用されています。

WBGT(暑さ指数)の概要

WBGTは、「気温」「湿度」「日射・輻射熱」の3つの要素を取り入れた指標です。そもそも普段目にする気温は、直射日光が当たらない通風筒の中で、芝生の上(高さ1.5m)を基準に計測されています。炎天下や、アスファルトの照り返しがある場所の暑さは十分に反映されていません。また、同じ気温でも湿度が高いほど汗が蒸発しにくくなり、体内に熱がこもることで、熱中症のリスクが高まります。

WBGTは気温に湿度や日射・輻射熱の要素を取り入れて数値にすることで、私たちが置かれている本当の暑さの危険度を可視化し、熱中症のリスクを未然に回避するための客観的な指標として役立ちます。

WBGT(暑さ指数)と熱中症の関係

WBGTは気温と同じく「度(℃)」という単位で表されます。ただし、気温と混同されやすいため、℃を省いて使用されることもあります。

以下のグラフからも分かるように、WBGTが28を超えたあたりから熱中症の救急搬送数が跳ね上がっています。

また、北海道などの寒冷地においては、より低い指数から搬送数が増加しているのも特徴です。

このようにWBGTと熱中症には相関関係があるため、熱中症対策においては、日々の気温だけでなくWBGTをチェックすることも重要です。

WBGT(暑さ指数)の算出方法

WBGTは、「湿球温度(湿度)」「黒球温度(日射・輻射熱)」「乾球温度(気温)」の3つの測定値をもとに算出されます。

屋内と屋外では計算式が異なり、以下のように算出されます。

・屋外での算出式:0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度

・屋内での計算式:0.7×湿球温度+0.3×黒球温度

どちらの計算式でも「湿球温度(湿度)」が全体の7割を占めており、熱中症のリスクにおいていかに湿度の管理が重要であるかが分かります。

WBGT(暑さ指数)と生活活動の目安

WBGTの数値に応じて、日常生活やスポーツの現場でどのような行動をとるべきか、公的なガイドラインが定められています。

・日常生活に関する指針

出典:環境省「熱中症予防情報サイト」

・運動に関する指針

出典:環境省「熱中症予防情報サイト」

表からも分かるように、熱中症のリスクはWBGTが「28」と「31」を境に高くなります。まず、WBGTが28以上になると、室内であっても熱中症のリスクが高まります。この段階から、エアコンを適切に使用する、炎天下の外出を控えるといった対策が必要です。

さらに危険なのが、WBGTが31に達したときです。日常生活では、高齢者の方は「安静にしているだけ」でも発症するリスクが高くなります。また、スポーツや部活動においては「原則運動中止」の基準となります。

WBGTを正しく把握し、勇気を持ってスポーツや部活動の中止や休憩の判断を下すことが不可欠です。

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熱中症対策は最高気温とWBGT(暑さ指数)をそれぞれ確認

効果的な熱中症対策には、天気予報の最高気温だけでなくWBGTも併せて確認しましょう。最低気温や最高気温はその日の大まかな暑さの目安になりますが、熱中症のリスクを決定づける湿度や日差しは反映されていません。そのため、最高気温で一日の大まかな暑さを把握しつつ、実際の行動基準は、WBGTをベースに判断することがポイントです。

なお、WBGTは環境省の熱中症予防情報サイトで3日先までの予測値を確認できるほか、民間のお天気アプリなどでも情報発信されています。自分が今いるその場所の正確な数値を知りたい場合は、市販のWBGT測定器も便利です。

今年の夏は猛暑が予想されている

出典:気象庁「向こう3か月の天候の見通し」

2026年6月の気温は例年よりも低く過ごしやすかったですが、気象庁が6月23日に発表した3か月予報によると、7月~8月の気温は西日本~東日本を中心に平年に比べて高めと予想されています。地球温暖化の影響に加え、太平洋高気圧が日本付近へ張り出しやすい気圧配置になることが見込まれており、2026年も各地で記録的な暑さが続く厳しい夏となる可能性が高まっています。こまめな水分補給や冷却グッズの活用など基本的な熱中症対策をはじめ、WBGTも細かくチェックし、その日その日ごとの危険度に応じた適切な行動を心がけましょう。

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<執筆者プロフィル>
田頭孝志
気象防災アドバイザー(国土交通大臣委嘱)

田頭気象予報士事務所代表。愛媛の気象予報士・防災士。防災や気象関連の記事執筆をはじめ、テレビ番組の監修、防災教材開発などを行う。BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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