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家事のイライラは「負担」と「不満」が原因だった。夫婦でラクになる家事シェア研究家・三木智有さんの提案

  • 2026.7.21

家事のイライラは「負担」と「不満」が原因だった。夫婦でラクになる家事シェア研究家・三木智有さんの提案

「家でゴロゴロ過ごす夫が家事を一切しない」「体力的に家事が重荷に……」。そんなモヤモヤを解決するのが家事シェアです。家事シェア研究家に分担を成功させる秘訣をお聞きしました。

お話を伺ったのは
三木智有さん 家事シェア研究家

みき・ともあり●家事シェア研究家、NPO法人tadaima!代表。内閣府「男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会」委員(2016年)。著書に『日本唯一の家事シェア専門家が導き出した家族全員自分で動くチーム家事』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

聞く状況にない夫に頼んでも届かない

家事の型がわかれば、次は夫にどう家事を頼むかだ。これまで家事をするという発想のなかった夫に、どう話を切り出せばよいか悩む女性も多いだろう。

「大切なのは、相手が今聞く状況にあるかです。テレビで野球をやっていて大谷翔平が出ている。そのタイミングで家事のお願いをしても、聞いていません。『今忙しいんだよ』『わかったわかった、後でやっとくよ』などと言われるのが関の山。そして、おおむねその家事は実行されず、頼む側も頼まれる側もストレスの原因となります」

三木さんは、「聴いている」のと「聞こえている」のとでは意味が違うという。「聴いている」は内容を理解し、受け止めている。「聞こえている」は音として流れているだけというのだ。

「夫婦の会話は、思いついたときが『言いどき』となりがち。でもそれは言いたい人の都合であって、相手の都合は無視しています。面倒かもしれませんが、相手が話を聞きやすい状況をつくってあげることが大切だと思います。かといって静まり返った部屋で、『ちょっと座って』なんて言いださないでください。何を言いだすんだ?と身構えさせてしまいますから」

散歩やカフェでのたわいない会話が相手の聞く姿勢につながる

不思議なもので、頼まなくても夫が自然と家事を手伝ってくれる夫婦は、たわいのない会話をよくしているそう。

「散歩でもいいし、夫婦でお茶や晩酌をする時間でもいいでしょう。まずは二人で楽しい時間を過ごすことを意識してみてください。『あの花きれいだったね、何て花だろう』。そんなささいな会話でいいんです。たわいもない会話から自然と相手も『聴く姿勢』をとりやすくなり、結果、真剣な話もしやすくなります」

もう一つ注意点がある。それは、相手をうまくコントロールしてやろうと思わないことだ。

「たまに、夫をうまくコントロールしようと、急にほめておだてる人がいます。相手にもよりますが、急にほめられると多くの男性は疑心暗鬼になるか、バカにされたと感じ、かたくなになりやすい。こうなると修復しづらくなります」

小さい子には有効な「ほめて動かす」は、人生経験のある夫には『ハイリスク、ハイリターン』であることを知っておきたい。

夫は負担を軽減しようとし、妻は不満を軽減してほしい

「これまで家族のためにバリバリ仕事をやっていた。だから家事を手伝えなくても仕方がない。よく聞く論法です。ですが、その男性が定年退職して時間ができたときに家事をやるかといえば、残念ながらNOです」

主婦にとって一番腹立たしいのは、自分が一生懸命に家事をしている横で、時間をダラダラ消費している夫を目撃したときだろう。

「このイライラの原因は、『負担』と『不満』にあります。『負担』は身体的につらい、面倒くさい、大変だというもの。これらは最新家電などでいくらか軽減できます。夫は家事をするとき、まず『負担』を軽減するために家事を手伝おうとします」

不満が募ったときは「してないほうがやる」で解決

だが「負担」が軽減されてもイライラは解消しない。

「なぜなら、イライラの原因は不公平感、不満です。『全部私ばっかり!』『指示しないと何もしない』という不満は、家事代行や最新家電では解消されません。不満の矛先は夫に向いているからです。この『負担』と『不満』を軽くするのが、夫婦で同時に家事を行う『パラレル家事』です」

パラレル家事とは、「○○をしていないほうが、○○をする」ことだ。

「『料理をしていないほうがお風呂掃除をする』『洗濯をしていないほうが掃除をする』。家事をする時間帯は同時じゃなくても大丈夫。お互いが同等に家事に取り組んでいれば不公平感は感じません。これは言い方をかえれば、『家事をしていないほうは自由な時間』。家事とともに自由な時間もフェアに分け合っているので、イライラが軽減されますよ」

家事シェアを失敗に終わらせないために気をつけたいことがある。それは、ちょっと手伝おうとした夫に対し、「勝手なことしないで」と言うことだ。

「最初にも述べましたが、夫の定年までの何十年間、妻には妻のやり方がありました。いきなり自分と違うやり方をされては不愉快でしょう。ですが、よかれと思ってしたことで怒られると二度と手出しできなくなります。『家事シェア』は家事を押しつけ合うことではなく、夫婦がいきいき過ごす時間のため助け合うこと。家事シェアを成功させるには、お互いをリスペクトする気持ちが大事です」

イラスト/さち

※この記事は「ゆうゆう」2025年6月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

※2025年5月13日に配信した記事を再編集しています。

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