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【天神】「街と劇場」が仕掛ける15分×6団体の演劇フェス、8月に開催!

  • 2026.7.20

こんにちは! リビングふくおか・北九州Web地域特派員のBeBeです。

皆さんは最近、「演劇」を観に行きましたか?

「映画やライブは行くけど、舞台は少しハードルが高いかも…」と感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな福岡の街に「日常的に演劇を楽しむ文化」を根付かせようと奮闘している、一般社団法人「街と劇場」代表の中川實穗(なかがわ みほ)さんにインタビューしてきました!

人気ウェブサイト「ほぼ日」(注※)などで演劇ライターとして活躍されてきた中川さんが、今年8月、福岡市民ホールで注目の演劇イベント『15 Minutes Made』を主催されます。東京、福岡の2都市ツアーで行われるこの画期的な公演の魅力と、演劇が私たちの暮らしにもたらすパワーについて、熱いお話をたっぷり伺いました!

取材場所は、天神地下街のアペティート・カフェ ・メトロにご協力いただきました。中川さんもよく利用されるようで、朝9時にはもうモーニングやカフェを楽しむお客さんで賑わっていました。

注※ コピーライターの糸井重里氏が主宰する株式会社が運営するメディア兼ブランド

インタビュー場所は天神地下街のアペティート・カフェ・メトロ

丸腰で上京!偶然の代打から演劇の世界へ

◆福岡でコピーライターの仕事をしていて、30歳の時に独立され、3.11がきっかけとなり、東京に行かれたと伺いました。子供の頃からものを書いたりすることが好きだったんですか?

中川さん:当時、好きだったバンドのインタビュー記事を読むのがとっても好きで、そういう音楽雑誌とか小説を読むのは好きだったけど、書きたいとは思ってなかったです。

◆演劇には関心があったんですか?

中川さん:その時には全然で、東京に行くまでは誘われたら観るくらいでした。

◆もともと東京に行った時は演劇の仕事がしたかったわけではないんですね。

中川さん:もともとはライターの仕事というか、インタビューの仕事がしたいと思って行ったんですけど、何の当てもなく、本当に丸腰で行ったんで。

◆それにしても、30歳過ぎて丸腰で東京に行くというのもすごいですね。

中川さん:実際は33歳だったんですよ。最初の3年とかは、福岡が離れているから帰れなかっただけで、多分もうちょっと近かったらくじけて帰っていたと思います。基本的に楽観的というか、心配性ではあるけど、何となく大丈夫と思っているところがあるのかな。

◆そこからどうやって演劇のライターに?

中川さん:派遣で出版社の編集部に入ったのですが、知り合いのライターさんに「ライターの仕事がしたい」という話をしていたら、翌日の演劇の取材に体調が悪くなって行けなくなったライターさんの代打を探してるんだけど行けない?と連絡があって。

それがきっかけで、気づいたら9割ぐらい演劇系の仕事になっていました。そこからはほとんど毎日劇場か稽古場にいる生活になりました。

◆演劇が好きで始めたわけじゃなくて、たまたまそこに仕事があって…

中川さん:その仕事をやっているうちにポンとハマった。ここまで人生が変わっているから、あれは結構なターニングポイントだったと思います。

優しい笑顔の中川さん

撮影協力:アペティート・カフェ・メトロ

人気ウェブサイト「ほぼ日」での転機。コロナ禍で起こしたアクション

◆そこから、「ほぼ日」で演劇の連載につながっていくのは、どういう経緯ですか?

中川さん:ある時、「ほぼ日の塾」という勉強の場のようなものが募集されていて、気になっていました。でもその時すでに30代後半だったし、応募するかどうか迷っていたんですね。そのタイミングで、EXILEの橘ケンチさんの取材をすることになって、調べたら私と同い年だったんですけど、お話しをうかがっていると、橘さんは自分の伸びしろを信じてお話しされていました。その時、自分がもう伸びないと思っていたなとちょっと反省して、帰りに「ほぼ日の塾」に応募をしました。それで、「ほぼ日の塾」に行けるようになって、かなり勉強になりました。

◆その後、ちょうどコロナ禍がやってきましたね。

中川さん:そうですね。劇場も閉まったし、自分の仕事もどうなるのか分からなくて心配でした。そんなときに、「ほぼ日」の方が声をかけてくださって、お仕事をさせてもらったんですね。その中で「演劇も大変だよね。でも、世の中にあまり知られてない感じがするよね」という話になったんです。「これは企画書を出さんと」と思いました。それで、「コロナと演劇」をやらせてもらうようになりました。

演劇業界の情報は、演劇を知らない人には知られていない。だから「不要不急」と言われたんだと思ったんです。「ほぼ日」は、演劇ファン以外の方が訪れる媒体です。そこで書かせてもらえるのはありがたいと思いました。私はそれまで受け身で、とにかく来た球を打つだけだったんですけど、ここで頑張らなくちゃと思ったんです。

◆コロナという大きな社会問題で自分がアクションを起こすというのは、怖くなかったですか。

中川さん:めちゃくちゃ怖いですよ。どういう反応が来るか分からないし、知識も足りないと思いましたし。怖いし、目立ちたくもないけど、できる状況にいるならやる、みたいな感じでしたね。

2021年のインタビュー時の厳重装備(提供画像)

福岡にUターン。演劇が育む「エンパシー(想像力)」の力

◆その数年後、福岡に帰ることになられましたよね。帰って、一番最初に感じたことは何でしたか?

中川さん:あ、仕事がないと思いました(笑)。劇場でバイトしたいなと思って求人情報を調べたりもしたのですが、もうちょっと何かできそうだなと思って、まずは福岡の演劇情報を毎月届けるフリーペーパーを作りはじめました。そうしているうちに、演劇を広めるための公演をやりたいと思い始め、「街と劇場」を立ち上げました。

◆なぜ、そこまで演劇の環境を作りたいと?

中川さん:演劇はあったほうがいいと思うからです。私は今の時代に危機感みたいなものを感じていて、戦争が起きそうだなとか、寛容さが極端になくなってきているなとか思うんですけど、そこに演劇の力が有効だと感じているんですね。演劇と想像力は多分セットで、想像力によって育っていくものがあると思うので。少なくとも自分が生きている間に、演劇が滅びては困ると思ったんです。

リスクを背負って仕掛ける真夏の祭典

◆演劇を取材する側から主催する側になったわけですが、大変だったことはありますか?

中川さん:一番大変だなあと思ったのは、かなりの回数、「リスクは誰が背負うの?」と聞かれたことです。「私です」と答えると、「大丈夫なの?リスクが大きすぎるよ」とかなり心配され、だいぶ不安になりました(笑)。できないかもとは何回も思いましたけど、始めたからやる、という気持ちで進めてきたところはあります。ただ、本当にたくさんの方にかなり手厚く支えてもらってここまできたので、一人で背負ったとは思ってないです。

◆今回のMrs.fictions presents『15 Minutes Made 東京/福岡』は15分×6団体のオムニバスだそうですが、どのような面白さがありますか?

中川さん:この『15 Minutes Made 』は東京で何度も開催されてきて、私も何度も観劇しているのですが、演劇の多様性を味わえる場であり、知らない劇団表現との出会いの場であり、演劇を気軽に楽しめる場であり、という感じで、演劇の初心者にもコアなファンにもオススメできるおもしろさがあると思います。これが福岡で初開催できるのは本当にうれしいです。ゲラゲラ笑う作品の後にめちゃくちゃ泣いたりとか、「たった15分で?」って思うんだけど、そのたった15分が何年も私の心に残り続けるんです。

公演のチラシ。演劇を学ぶ学生はワンコインという特別公演も!

「私がおかしい?」は不要!多様な反応を楽しむ空間

◆6団体全部面白そうですけど、趣味が違うから合う合わないがあると思うんですが、それも面白いですよね。

中川さん:そうなんです。全然色の違う6団体が出演するというのが今回の企画のポイントで、例えばよく感想なんかで「みんなが笑ってたけど笑えない、自分の感覚がおかしいのかな」というのを見たりするのですが、この企画は6団体それぞれのお客様が客席に座っているので、みんな趣味が違うんですね。そうすると反応もさまざまになって、自分が笑ってるところで人が泣いてたり、自分が笑えないところで人が笑ってたりすると思います。同じ空間にいろんな人が座っていて、いろんな反応がある。同じことにいろんな反応があるよっていうのを自然に感じられるのは、この企画をやりたかった理由の一つでもあります。

『15Minutes Made』過去の公演の写真(提供画像)
『15Minutes Made』過去の公演の写真(提供画像)
『15Minutes Made』過去の公演の写真(提供画像)

日常のウサを笑いで吹き飛ばす!子供も大人もリフレッシュ

◆リビング読者の方、子育て世代の方も多いんですけど、お子さんを連れて行くのもすごくいいんじゃないかなと思うんですが、どうですか?

中川さん:未就学児は入れないんですけど、小学生以上だったら全然大丈夫です。高校生以下は1500円なので、お子さんにはちゃんと高校生以下のチケット買ってください(笑)。今はショート動画の時代ですが、ひと作品15分だから集中しやすいし、3団体上演して休憩して3団体、というタイムスケジュールなので、観やすいと思います。今回、会場にそういう場がなくて託児サービスができないのがかなり悔しいのですが、今後はちゃんとできるようにしたいと思っています。ぜひ、気晴らしのつもりで遊びに来てほしいです。

★編集後記★

今回、中川さんのお話を伺い、すぐに劇場へ行きたい衝動に駆られました。あいにく開催期間は帰省と重なってしまい、今回は見送らざるを得ませんが、それでも、公演の成功を心から願って、さっそく公式Instagramをフォローしました。次は必ず、生の舞台の熱を体感しに行きます。

「こんな大掛かりなイベントは、最初で最後かもしれない」。中川さんのそんな言葉には、この祭典にかける並々ならぬ覚悟が宿っていました。日常のモヤモヤを笑いで吹き飛ばすような極上の体験が、福岡の天神で待っています。読者の皆様もぜひ、会場でその空気を味わってください。

そんな熱い想いを持つ中川さんですが、実はご本人曰く「口下手」で、「インタビューのときも、私がちょっとボケすぎているところがあって、相手が心配してしゃべってくれるところがあるような気がします。」とのことでした。面白いことに、その「ちょっと大丈夫かな?」という雰囲気が、相手の心を開く鍵になっているようです。相手の方が中川さんのことを心配して、つい「大丈夫? ここも話しておこうか」と、本来なら出なかったような深いエピソードまで追加で語ってくださる——そんな魔法のようなやり取りが、これまでの取材でも何度もあったようでした。この「大丈夫かな、支えてあげたい」と思わせる中川さんの人間力が、周囲を巻き込み、不可能を可能にする推進力の源かもしれません。

Mrs.fictions presents『15 Minutes Made 東京/福岡』福岡公演

・開催日:2026年8月8日(土)~11日(火・祝)

・開演時間:

8月8日(土) 18:00

8月9日(日) 13:00/18:00

8月10日(月) 19:00

8月11日(火・祝) 13:00

・会場:福岡市民ホール 小ホール(福岡市中央区天神5丁目2-2)

・チケット料金:前売 4,300円/当日 4,800円/高校生以下(要学生証) 1,500円

※チケットは「ローチケ」と「Corichチケット!」で販売

※未就学児の入場はご遠慮いただいております。

※各日終演後に15分程度の「おわりの会(トークセッション)」あり。

・出演団体:ギンギラ太陽's/コンプソンズ/ザ・クズレルズ/システム個人/melomys/Mrs.fictions

東京公演

・開催日:2026年7月29日(水)~8月2日(日)

・会場:テアトルBONBON

東京公演の詳細はMrs.fictionsのHPにてご確認ください。

公式lit.link(公演の詳細・サポーター募集・お問い合わせ先)

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