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「強靭な肉体だけど実は」飼育員が明かす、ゴリラの素顔《シャバーニ・アイ・キヨマサの微笑ましい日常も》

  • 2026.7.15

名古屋市の東山動植物園で暮らすニシローランドゴリラのキヨマサが、キャッチしたトマトを宙に投げ、クールに食べる姿がSNSに投稿され、「イケメンすぎる」と話題になりました。実はキヨマサは、“イケメンゴリラ”として注目を集めた、同園で暮らすシャバーニの息子です。

現在はシャバーニをリーダーとして、メスのアイとキヨマサの3頭で群れを成し暮らしています。3頭の日常や、飼育員とのコミュニケーションについて、お話を伺いました。


ゴリラが嬉しい時に出すサインは?

キヨマサ。写真提供=名古屋市東山動植物園

ゴリラといえば、ゴツゴツとした体つきが印象的ですが、野生の場合、主食は葉や茎、果実、根などの草食。たまに昆虫を食べることもあるそうで、動物園ではトマトをはじめ、レタスやキャベツ、ナス、白菜などの野菜、生木や牧草を与えているとのこと。

身近でお世話をしている飼育担当者からしても、「野菜中心に食べていて、あんなに筋肉があるのは理解できません」と驚きを隠せない様子。ただ、性格は非常に繊細で神経質です。

「きっと警戒心が強いんでしょうね。例えば、いつも開いている扉が少し違ったりするだけで、普段とは動きが変わったりと、ちょっとした変化も敏感に察知しますが、大丈夫だということを声に出して伝えれば納得してくれます。それは、これまで我々飼育員と築いてきた信頼関係があるからかなと思っています。

当園の場合はリーダーのシャバーニが納得すれば、ほかの2頭も安心するので、何をするにもシャバーニを尊重するようにしています。朝一番に『おはよう』と声を掛けるのも、ごはんを与えるのもシャバーニからにしています。

シャバーニ。写真提供=名古屋市東山動植物園

ゴリラは嬉しい時やリラックスしている時に『グゥー』という音を発するんですが、シャバーニが『グゥー』と言うと、アイもキヨマサも連動して言うんです。最近は飼育員がいてもその声を頻繁に発しているので、群れの関係が良好なんだと思います」(飼育担当者・以下同)

ゴリラのおなじみのポージング、実は……

キヨマサ。写真提供=名古屋市東山動植物園

ゴリラといえばドラミングを思い浮かべる人も多いでしょう。その際、胸を叩く手の形は?

「ゴリラのドラミングはグーで胸を叩いていると思っている人が多いと思いますが、実はパーで叩いているんです。自分で胸を叩いてもわかりますが、パーの状態で胸を叩くと手のひらに空気が入ってポコポコと音がなるんです。これは、ゴリラの豆知識として知っておいてもらいたいですね。

また、ドラミングはテンションが上がってやる行動だと思われているかもしれませんが、興奮した気持ちを収める行動でもあります。そのあたりも、実際に当園を訪れて観察していただきたいですね」

改めて、ゴリラの生態について詳しく教えていただきました。

「ゴリラは極めて高い知能と社会性を持つ一方、争いを好まないという繊細な性格をした霊長類です。当園で飼育しているのは、ニシローランドゴリラという種で、コンゴ盆地や西アフリカの低地にある熱帯雨林で生活をしています。実は、現代人にとって必須のスマートフォンは、野生のゴリラと密接な関係があるのをご存知でしょうか。

彼らの生息地は、スマートフォンなどに内蔵されるレアメタルの採掘地です。そのため、権益をめぐる紛争に巻き込まれたり、採掘に伴う森林伐採で住む場所を追われたりと、個体数は激減しています。絶滅危惧種にも指定されており、極端な話をしてしまうと、日本の動物園でゴリラが見られなくなる未来はそう遠くないかもしれません」

アイ。写真提供=名古屋市東山動植物園

9月24日に制定されている「世界ゴリラの日」。東山動植物園では毎年、この日から約1カ月間、不要になったスマートフォンの回収を行なっているそうです。

「私たちがこのことを特に届けたいと思っているのは、学生さんをはじめとした若年層です。不要になったスマートフォンがあれば、ぜひリサイクルに協力していただければと思います。あとは、スマートフォンをできる限り長く使うことも立派なアクションです。できることから取り掛かって、ゴリラの未来を少しでも考えていただけると嬉しいですね」

最後に、ゴリラを観察する際の注意点を教えてもらいました。

「ゴリラに限らず、どの動物も上から見下ろされることを好みません。運動場の場合、なかなか難しいのですが、室内にいる時は目の前の動物と同じ目線で観察すると、動物たちの緊張感が少なくなります。子どもと話す時もそうですよね? ゴリラも目線を下げると安心するでしょうし、もしかしたら目が合うこともあるかもしれません」

名古屋市東山動植物園

所在地 愛知県名古屋市千種区東山元町3-70
https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/

文=高本亜紀
写真提供=名古屋市東山動植物園

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