1. トップ
  2. 【注意】“夏カレー”の食中毒!加熱は完璧ではない…!?食中毒菌の怖さと調理後に実践したい予防ポイントを栄養士が解説

【注意】“夏カレー”の食中毒!加熱は完璧ではない…!?食中毒菌の怖さと調理後に実践したい予防ポイントを栄養士が解説

  • 2026.7.14

「一晩寝かせたカレー」に潜む罠! 夏場の常温放置が危険な理由

夏に食べたくなるカレー。作り置きをする際は食中毒に細心の注意が必要なのです!
夏に食べたくなるカレー。作り置きをする際は食中毒に細心の注意が必要なのです!

子どもから大人まで愛されている国民食の「カレー」。よく「一晩寝かせるとおいしい」と言いますが、気温と湿度が高くなる夏場は要注意です。鍋ごと常温に放置していると食中毒のリスクが高くなります。その原因菌や予防ポイントを栄養士の筆者が解説します。

カレーの調理において特に気をつけたい食中毒菌が、「ウェルシュ菌」です。特に警戒しなければならないのが、作り置き用に大量に調理をして、鍋のまま常温で放置してしまうことです。

調理後に鍋の温度がゆっくりと下がっていき、菌が最も好む42~45℃の温度環境が長時間に及ぶと、酸素の少ない鍋の底で菌が爆発的に増殖してしまいます。これが体内に入ると腸の中で毒素(エンテロトキシンなど)を作り出し、下痢や腹痛などを引き起こす原因となります。

加熱しても死滅しない!? ウェルシュ菌が持つ厄介な特性

調理後に鍋の温度がゆっくり下がっていく42~45℃の環境で、ウェルシュ菌が急激に増殖します
調理後に鍋の温度がゆっくり下がっていく42~45℃の環境で、ウェルシュ菌が急激に増殖します

非常に厄介なことに、一度増殖してしまったウェルシュ菌は熱に強い「芽胞(がほう)」を形成する特性を持っており、食べる直前に高温で再加熱をしても容易には死滅しません。さらに、菌が増殖している状態であっても味や臭いの変化がほとんど起こらないため、食べる前に異変に気づきにくいことも難点と言えます。

このリスクはカレーだけにとどまりません。シチューや豚汁、肉じゃがなどの煮込み料理全般をはじめ、手作りの麺つゆ(めんつゆ)などでも、同様にウェルシュ菌による食中毒のリスクが存在しているため注意が必要です。

食中毒を防ぐ鉄則! 「菌を増やさない」ための具体的な対策法

煮込み料理を作り置きする場合は、速やかに冷却したうえで小分けにして冷凍保存を行いましょう
煮込み料理を作り置きする場合は、速やかに冷却したうえで小分けにして冷凍保存を行いましょう

ウェルシュ菌は自然界のさまざまな場所に存在している常在菌であるため、食品への混入を完全に防ぐことは極めて困難です。そのため、最も大切なのは「菌を増殖させないこと」に尽きます。菌が爆発的に増える42~45℃の温度帯はもちろんのこと、活発に活動しやすくなる10~50℃の環境に長く置かないように徹底しましょう。日頃の調理では、以下の予防ポイントを心がけてみてください。

ウェルシュ菌による食中毒を防ぐポイント

粗熱取りや解凍の作業をスピーディーに行うことができる市販の急速アルミプレートなどを活用するのもおすすめ
粗熱取りや解凍の作業をスピーディーに行うことができる市販の急速アルミプレートなどを活用するのもおすすめ

・一度にたくさん作らず、その日に食べ切れる量だけを作る・後で食べるために温かいままキープ(保温)する際は、65℃以上を保つ・作り置きをする際は調理後、速やかに冷却する(底の浅い容器や保存袋に小分けして粗熱を取り、冷蔵または冷凍保存する)・再加熱をする際は、鍋の底からよくかき混ぜながら全体を熱々に加熱する(電子レンジは加熱ムラが生じやすいため注意)

また、食中毒予防の基本原則である、調理前と食事前の入念な手洗いも決して忘れないようにしましょう。

実はウェルシュ菌は食中毒を引き起こすだけでなく、怪我の傷口などから体内に入り込むと筋肉を壊死させる可能性があったり、腸内で増えすぎると腸内環境を悪化させて老化や生活習慣病の一因になったりするとも言われています。

日頃からヨーグルトなどを積極的に食べて腸内環境を良好に整えておくことも、間接的な予防につながりそうです。これらのポイントにしっかりと気をつけて、安全においしい夏カレーを楽しみましょう!

(野村ゆき)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ