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「今いいところだ、あと5分待て」何度も呼ぶ子供を無視した夫。だが、子供の正直な気持ちの前に態度を改めた瞬間

  • 2026.7.13

終わらない「あと5分」

夕食を終えた後、私が台所で食器を洗っていると、夫はソファでスマホをいじっていた。

仕事から帰ったばかりで、疲れているのはわかる。

それでも、その背中はどこか無防備だった。

絵本を抱えた息子が、とことこと夫のそばへ寄っていく。

「パパ、一緒に遊ぼう」

けれど夫は、画面から目を離さないまま、生返事を返すだけだった。

「仕事で疲れてる、あと5分だけ」

その5分は、いつまでたっても訪れなかった。

息子は何度も「ねえ、遊ぼう」と腕を引っ張り、そのたびに「あと5分」と繰り返される。

だんだんと笑顔が消え、寂しそうにうつむいていく小さな背中が、見ていてつらかった。

見かねた私は、思わず口を挟んだ。

「少しだけでも、遊んであげたら?」

すると夫は、わずかに声を尖らせた。

「こっちは疲れてるんだよ。少しくらい休ませてくれ」

その言葉に、胸の奥がもやもやとした。

けれど言い合いになるのも嫌で、私はそれ以上何も言えなかった。

息子は結局、ひとりで積み木を並べて、静かに遊んでいた。

本当は、一日じゅう仕事や家事に追われた私だって疲れている。

それでも、目を輝かせて「遊ぼう」と寄ってくる息子を、無下にはできなかった。

夫にも、その気持ちが少しでも届けばいいのに。そう願いながら、私は黙って皿を拭き続けた。

翌日、息子がこぼした一言

翌日の夕方も、夫はいつものようにソファでくつろいでいた。すると息子が、そばに来てぽつりとこう言ったのだ。

「遊べなくてざんねんだった」

責めるでもなく、ただ素直な気持ちを言葉にした一言だった。

その瞬間、スマホをいじっていた夫の手が、ぴたりと止まった。

夫は、はっとした顔で息子を見つめた。

自分の「あと5分」が、こんなにも小さな胸を寂しくさせていたことに、ようやく気づいたのだろう。

「……ごめんね。パパ、ちゃんと遊ばなかったね」

そう言うと、夫はスマホを置いて立ち上がった。

「よし、今日はいっぱい遊ぼう。公園、行くか!」

息子の顔が、ぱあっと輝いた。上着をつかむのももどかしそうに、二人は手をつないで玄関を飛び出していく。窓の外では、夫が全力で息子を追いかけ回していた。

それ以来、夫は帰宅後の10分を、必ず息子と過ごすようになった。あれほど手放さなかったスマホより、目の前で笑うわが子を選ぶようになったのだ。おかげで、家の中もずっと明るくなった。

感情的にぶつけ合うより、静かに気持ちを言葉にすることのほうが、ずっと人を動かす。小さな息子に、そう教えてもらった出来事だった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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