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「ケチケチしないでよ」共用廊下に私物を置く隣人。だが、点検業者の一言で顔面蒼白に

  • 2026.7.12

鼻で笑われた妻のお願い

分譲マンションの共用廊下に、隣の住人がいつからか私物を置くようになった。

子どものベビーカーや三輪車、しまいには粗大ゴミ同然の古い家具まで、我が家の玄関のそばに堂々と並べていた。

ベビーカーの車輪が通路の半分をふさぎ、古い家具の角には埃が積もっていた。

子どもがつまずいたり、夜に足をぶつけたりしないかと、廊下を通るたびに肝を冷やした。

妻が思い切って、片付けてもらえないかとお願いしたことがある。だが隣の奥さんは、鼻で笑うだけだった。

「ケチケチしないでよ」

「スペースが余ってるんだから、いいじゃない」

取り付く島もない。避難経路をふさぐ危険を訴えても、まるで聞く耳を持たなかった。

私が管理会社へ電話しても「一度お声がけしてみます」で止まったまま、状況は何も変わらなかった。角の家具はいつのまにか一つ増え、二つ増え、我が家のドアの前にまで迫ってくる始末だった。

廊下に響いた担当者の声

流れが変わったのは、マンションの消防設備点検の日だ。点検業者と管理会社の担当者が二人がかりで廊下を見て回り、隣の私物で通路がふさがれた場所で足を止めた。

担当者は書類から顔を上げ、きっぱりと言った。

「これは違反ですね」

そして、声を張った。

「今すぐ、撤去してください」

避難経路をこんな状態にしておけば、火事のとき逃げ遅れる人が出る。担当者の言葉は、廊下に響いた。運悪くその場に居合わせた隣の奥さんは、みるみる青ざめた。

「で、でも、少しくらい……」

言い返そうとして、続かない。はす向かいの部屋からも住人が顔を出し、冷ややかな視線を彼女へ向けていた。逃げ場のない空気に、奥さんの顔が今度は真っ赤に染まっていく。

「わ、わかりました。片付けます」

その日のうちに、廊下の私物はきれいさっぱり消えていた。「いいじゃない」とあれほど胸を張っていた人が、汗だくで家具を運び込んでいた。

以来、廊下に物が置かれることは二度となかった。奥さんは私たちを見かけると、決まって目をそらして足早に去っていく。立場は、すっかり入れ替わっていた。第三者のまっすぐな一言が、こじれた事態を一瞬で動かした瞬間だった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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