1. トップ
  2. 旭川は「あさひがわ」だった 実は市民の8割が知っている?読み方に生まれたねじれの謎

旭川は「あさひがわ」だった 実は市民の8割が知っている?読み方に生まれたねじれの謎

  • 2026.7.11

みなさんが抱えている「なぜ?」「どうして?」を調査する、HBC「もんすけ調査隊」。
かつて、北海道・旭川駅は「あさひがわ」と、濁音で呼ばれていました。
なぜ、「かわ」ではなく、「がわ」だったのでしょうか?

東京都品川区在住のKiriさん(20代)からの依頼は「旭川駅は昔、『あさひがわ』と濁っていたと聞きました。本当なのか調べてください」というもの。

これまで、札幌の麻生(あさぶ)や水車町(すいしゃまち)の読み方など、さまざまな地名の疑問を解き明かしてきた「もんすけ調査隊」。

Sitakke

マチの看板も見て回りましたが、いずれも「あさひかわ」で、「がわ」と濁る読み方は、見当たりません…。

しかし、旭川市民10人にたずねると…

「聞いたことあります、『あさひがわ』と呼んでいたと」
「『あさひがわ』、電車に乗るときは『がわ』『がわ』と呼んでいた」

10人中8人が「がわ」の読み方を知っていました。

HBCが保存する映像アーカイブにも。

Sitakke

1957年から1975年に撮影された旭川駅には「あさひがわ」と記されていました。

「あさひかわ」と「あさひがわ」。
なぜ、2つの読み方は生まれたのでしょうか。

最初は「あさひかわ」濁ったきっかけは

Sitakke

「明治23年(1890年)に道庁が出した北海道庁令があり、その時は『アサヒカハ』読みだった」

そう教えてくれたのは、旭川市博物館の鈴木璃音学芸員。

旭川の名称に関する、もっとも古い公式記録―。そこには、上川郡「アサヒカハ」村と、濁らない記述が残っていました。

1898年に開業した旭川駅の駅名も、当初は「がわ」とは濁っていなかったといいます。しかし…

「明治38年(1905年)に国鉄に変わる時、駅名が『あさひがわ』に変更になっている」

転機は、鉄道の国営化。
これには、日本語特有の「連濁(れんだく)」が関係しているといいます。

Sitakke

たとえば「豊平」という単語に、「川」が続くと「とよひらがわ」に…。

いわゆる複合語は、後ろの単語の最初の発音が濁音になる現象があり、「あさひがわ」もその「連濁(れんだく)」の影響を受けた可能性があるというのです。

でも鈴木学芸員が資料を確認した限りでは「市としては、ずっと『あさひかわ』市だったと記憶している」といいます。

自治体としての読み方は「かわ」と清音に。一方、駅名は「がわ」と濁る…。

そんな奇妙なねじれが生まれたのですが、なぜ駅名は「かわ」に戻ったのでしょうか。

そこで向かったのは鉄道関連の品々を揃える、地元の専門店です。

地名には、物語がある

Sitakke

鉄道雑貨の店ぽっぽや・安田威代表は「1987年に国鉄が分割民営化され、JR北海道に切り替わった。その翌年ですね。『あさひかわ』に名前が変わった。タイミングだと思う」と話します。

1987年、国鉄民営化で発足した、JR北海道。その翌年、春のダイヤ改正で駅名は「あさひかわ」へ…。これは地元の要望も強かったといいます。

「濁点が外れた例は、北海道では新十津川駅が廃線になる前に、『しんとつかわ』に切り替わった」

Sitakke

同じタイミングで「東あさひがわ駅」、そして「新あさひがわ駅」も、濁点が外れて「かわ」となりました。
実に83年ぶりの大変更となりましたが、なぜ、これほど長く濁音が続いたのでしょうか。

「全国組織であり、日本国有鉄道だったため、駅名を決めたときも、例えば切符や駅名板に「あさひがわ」と書くとか、全国で統一したルールがあったと思う、後から訂正できないということもあると思う」

「あさひかわ」と「あさひがわ」…。奇妙なねじれのナゾは、鉄道の歴史を辿ることで解き明かされました。

Sitakke

実は、この話には、もう一つ興味深い説もあります。岡山県や徳島県には「旭川」と書いて、【あさひがわ】と濁点がついた名前で呼ぶ「川」があります。

鉄道の歴史以外に、こうした地名の読み方があったことも、旭川駅の読み方にも影響したのではないか…、そんな説もあるんです。

皆さんの身近な地名にも、まだ知らない物語が隠れているかもしれません。

文:HBC報道部もんすけ調査隊
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2026年6月4日)の情報に基づきます。

元記事で読む
の記事をもっとみる