1. トップ
  2. エピソード
  3. 「奨学金はあと20万で返し終わる」と約束していた夫。だが、結婚後に届いた明細に離婚を決意

「奨学金はあと20万で返し終わる」と約束していた夫。だが、結婚後に届いた明細に離婚を決意

  • 2026.7.13

「あと20万」を信じて結婚した日

交際していた頃、彼はいつも少しだけ肩をすぼめて言っていました。

学生時代に借りた奨学金が、あと少しだけ残っているのだと。

プロポーズの席でも、彼はまっすぐ私を見て約束してくれました。

「奨学金はあと20万で返し終わる」

あと少しで完済できるから安心してほしい。

人を疑うことを知らなかった私は、その言葉を丸ごと信じて妻になりました。

ところが結婚して数ヶ月後、郵便受けに見慣れない封筒が届きました。差出人は金融機関。開けた瞬間、私は息を呑みました。

「これ、どういうこと?残高、300万円って書いてあるけど」

問い詰めると、夫はうつむいて絞り出すように言いました。

「本当にごめん。もう一回だけ、俺を信じてほしい」

あと少しどころか、返済はほとんど進んでいませんでした。毎月ぎりぎりの生活の裏で、借金だけがそのまま居座り続けていたのです。

10年目の夜に出した一枚

それでも私は、もう一度だけ信じることにしました。けれど同じことが、何度も繰り返されただけでした。

返済に回すはずのお金は、いつの間にか消えている。ボーナスも、私が必死にやりくりして浮かせた分も、気づけば夫の手の中から溶けるように無くなっていました。問いただすたび、夫は都合よく話を作り替えます。

「今月は付き合いが多くてさ。来月こそちゃんと返すから」

「なんで俺のことを信じてくれないんだ」

そうして気づけば、結婚から10年目。

夫は何ひとつ変わりませんでした。ただ、私のほうが変わったのです。言葉の裏を読み、通帳の数字を一円まで把握し、静かに準備を整えていきました。

ある夜、私は一枚の紙を食卓に置きました。署名を済ませた離婚届です。

夫は最初、鼻で笑って取り合いませんでした。

「冗談だろ。悪かったって、な?」

けれど私が通帳と返済明細を黙って並べると、その顔から血の気が引いていきました。慌てた夫は自分の母親に電話をかけ、仲裁を頼もうとします。ところが駆けつけた義母は、事情を聞くなりため息をつきました。

「十年も嘘をついたのなら、私は庇えないわ」

味方だと思っていた母にそう言われ、夫は口を開いたまま固まりました。私はもう、声を荒らげませんでした。

「これからは、あなたのお金と私のお金を、きちんと分けます」

差し出した一枚を、夫は震える手で受け取りました。かつて私を安心させてくれた頼もしい人が、今は背中を丸め、私の顔をまともに見られずにいます。玄関で靴を履く私に、義母が黙って深く頭を下げました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ