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「お母さんは褒めないの?」共働きなのに父しか褒めない親戚。大人になった私が伝えた事実とは

  • 2026.7.13

父だけを褒め続けた正月の親戚

正月に親戚の家へ呼ばれるのは、子どもの頃からの習わしだった。

お年玉をもらえるのは嬉しかったけれど、毎年ひとつだけ、どうしても心に引っかかることがあった。

父の姉にあたるおばは、うちの両親が共働きだと知ると、決まって父ばかりを持ち上げるのだ。

男の人なのに家事を手伝ってえらいと。母のことは、まるで見えていないみたいだった。

幼い私は、一度だけ無邪気に聞いたことがある。

「お母さんは褒めないの?」

「お母さんは女なんだから、家のことをして当たり前でしょう」

おばは、なんの迷いもなくそう言った。

子どもの私は、父が褒められるのを素直に喜んでいた。

けれど大人になり、自分も働きながら家を回すようになって、ようやく気づいた。父が家でしていた家事は、洗濯だけ。それも週に何度か、洗濯機を回して干すだけだった。

料理も、掃除も、買い出しも、子どもの世話も、家計のやりくりも。

残りのすべてを、母がひとりで背負っていた。フルタイムで働きながら、だ。

それなのに、おばが褒めるのはいつも父だけ。母の激務には、二十年、ひとことも触れないままだった。

「洗濯だけですよ」で止まった小言

三十を過ぎたその年の正月も、おばは満面の笑みで父を持ち上げた。

「お父さん、洗濯までして偉いね」

おせちの並ぶ食卓で、私はもう黙って笑ってはいられなかった。静かに、はっきりと口を開いた。

「洗濯だけですよ」

おばが、きょとんとした顔をする。

「父がやってるのは、洗濯だけなんです。料理も掃除も、家のことは全部、母がひとりでやってます。母だって、父と同じだけ働いてるのに」

おばの笑顔が、すっと引いた。何か言おうと口を開きかけて、言葉が続かない。

「……そう、だったの。てっきり、お父さんが色々してるものだと思って」

「洗濯物を干すお父さんは褒めるのに、毎日ごはんを作る母は褒めないんですか?」

おばは、今度こそ完全に黙り込んだ。

毎年くり返してきた台詞を、その日を境に、二度と口にしなくなった。

隣で聞いていた母が、そっと目もとをゆるめた。

「ふふ。ずっと、そう言ってほしかったのかもね」

台所へ立とうとした母を、私は座らせた。

「今日は座ってて。お茶くらい、私が淹れるから」

年に一度きり、母の代わりに私が台所へ立ったその正月。

おばの前でいちばんいい顔で笑っていたのは、間違いなく母だった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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