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「サウナに入るとよく眠れる」はホント? サウナと睡眠の心地よい関係

  • 2026.7.8

「サウナのあとはよく眠れる」と聞くことがある。普段、なかなか寝付けない人やぐっすり眠れた実感のない人からすると、サウナに入ったぐらいでよく眠れるなんて…と思うかもしれないが、実はまんざら嘘でもないらしい。ということで、ご自身も毎日のようにサウナに入っているというイシハラクリニック(東京都)副院長の内科医・石原新菜先生に話を聞いた。

サウナのあとはよく眠れると言われるのには理由があった
サウナのあとはよく眠れると言われるのには理由があった

サウナのあとによく眠れる理由とは?

■1.体を温めることで深部体温が上がる

サウナに入ることで深部体温が上がる
サウナに入ることで深部体温が上がる

【石原新菜先生】気持ちよく睡眠に入るためには、入浴がいいと言われているのを聞いたことがあると思います。入浴によって一時的に深部体温を上昇させるわけですが、体温が下がるときに体が眠りにいざなわれます。サウナでも同じで、サウナに入ることで深部体温が上昇します。大切なのは上がった体温が下がる工程で、下がり始めるときに眠気を感じ、自然に入眠へとつながります。

上がった深部体温が下がるのには2時間程度かかるため、睡眠のことを考えると就寝の2時間前にはサウナから出るようにしましょう。脳もリラックスした状態なので、「さあ、寝よう」、「もう寝なくちゃ」と思って横になるのではなく、自然と眠気を感じて気持ちよく眠りに入ることができます。

■2.自律神経を整える

サウナに入ることで自律神経を整えると言われている
サウナに入ることで自律神経を整えると言われている

【石原新菜先生】サウナを利用する人のほとんどがサウナ後に水風呂に入ると思います。この、熱いと冷たいを交互に体感する“温冷交代浴”も睡眠につながっています。サウナに入ることで交感神経が刺激されたあと、水風呂や外気浴によって副交感神経が優位になり、リラックスした状態になります。

つまり、サウナを利用することで、いわゆる「ON」の状態を「OFF」にすることができるわけです。これにより、リラックスした状態になるので、自然と眠気を感じるようになり、寝つきがよくなったり、ぐっすり眠れたりします。

ちなみに、温冷交代浴は入浴でも可能で、熱めのお湯と水風呂(水シャワー)を繰り返すことでもできます。大切なのは温+冷を1セットで終わらせるのではなく、数回繰り返すこと。数回繰り返すことで、血管の拡張・収縮も繰り返され、血行がよくなって疲労回復にもつながるためです。

また、サウナや入浴で温まったあとの水風呂ですが、いきなり冷たい水に入る(浴びる)のではなく、心臓から遠い足元から少しずつ水をかけ、慣らしながらゆっくり入る(浴びる)ようにしましょう。水の温度も、いきなり冷たい水に入るのではなく、無理なく自分に合った温度から始めてください。水風呂は温度調整ができないので、入れないときにはシャワーを活用しましょう。

■3.セロトニンを分泌する

サウナに入ることでセロトニンというホルモンを分泌すると言われている
サウナに入ることでセロトニンというホルモンを分泌すると言われている

【石原新菜先生】サウナ→水風呂→外気浴をすることで期待できるのが、「セロトニン」というホルモンの分泌です。セロトニンは“幸せホルモン”とも呼ばれ、脳内の神経伝達物質のひとつで、感情をコントロールしてイライラや不安などを抑制し、精神を安定させる作用を持つといわれています。また、睡眠にも欠かせないホルモン「メラトニン」の原料でもあります。

つまり、サウナに入ることは精神の安定につながり、ひいては睡眠リズムも整えてくれるというわけです。日常的に緊張状態が続いたり、気持ちを張ったまま過ごすことが多い今の時代、パソコンやスマートフォンなどの刺激もあって、なかなかすべてを忘れる時間が取れないのが現状です。サウナ室はデジタルデトックスの場でもあり、何もせず過ごせる数少ない場所でもあります。

今は、サウナ室内で黙浴を推奨している施設もあります。瞑想とまではいかなくても、ただ、何となくボーッと過ごすのも貴重な時間です。サウナ室にいるのはほんの数分ですが、いろいろな情報を遮断した状態で、何もせず、何も考えずに過ごすことでリラックスした状態を作れます。テレビのある施設でも、何も考えずにテレビを見ているというのも、ある意味リラックスしている状態と言えるかもしれませんね。

サウナのあとは、程よい疲労感やリフレッシュによる爽快感もあり、気持ちもゆったりとして眠るのには適した状態。睡眠のためにはサウナ後の食事は軽めにするのがおすすめです。水分補給はサウナの前や最中も含め、しっかり摂ることが大切です。サウナ後もカフェインを多く含む飲み物は避け、アルコールもほどほどに。

睡眠につなげるサウナで注意すべきこと

■1.とにかく無理をしない

サウナでは我慢せず、無理せずが基本
サウナでは我慢せず、無理せずが基本

【石原新菜先生】昔のサウナのイメージには“我慢”の二文字がよぎりましたが、今はとにかく無理は禁物というのが当たり前。無理してサウナや水風呂に入ることは、体に負担をかけたり、ストレスになったりして、リラックスできません。

とは言え、サウナは熱いものですし、水風呂は冷たいものです。少しずつ慣らしながら入るようにしましょう。また、サウナ→水風呂→外気浴(休憩)を1セットとし、3セット程度繰り返しましょう。血行もよくなって体が温まります。

■2.飲食のタイミングを意識する

サウナ前後の飲食のタイミングも意識しよう
サウナ前後の飲食のタイミングも意識しよう

【石原新菜先生】空腹や満腹の状態でサウナに入るのはNG。サウナ中に気分が悪くなるためです。また、サウナ後におなかいっぱい食べると消化に時間がかかり、眠りの妨げにもなります。サウナには食後1~2時間程度経ってから入るようにし、サウナ後に食べるときは軽食にとどめましょう。

水分補給は大切ですが、サウナ後にアルコールやカフェインを含んだドリンクの摂りすぎも睡眠には悪影響を与えます。より睡眠を意識するのであれば、ハーブティーやミルクなどを選ぶのもいいでしょう。また、最近は睡眠の質向上のためのドリンクも販売されているので、そうしたものを取り入れるのもいいかもしれません。

■3.パソコンやスマートフォンには触れない

寝る前のパソコンやスマートフォンは控えよう
寝る前のパソコンやスマートフォンは控えよう

【石原新菜先生】パソコンやスマートフォン、タブレットなど画面の光が刺激を与えることで、脳が覚醒すると言われています。また、見る内容も影響します。たとえば、仕事に関係すること、ホラーやサスペンスなど刺激を与えるような内容のものなど。

サウナ後のリラックスした時間はゆっくりした気持ちで過ごすのがおすすめ。仕事はしない(仕事の区切りをつけてからサウナに入る)、スマートフォンは見ないのがベストですが、どうしてもというときには、光量を落とす、ブルーライトをカットするメガネなどを活用する、ほっこりするような、癒やされるような内容のコンテンツを見るなど、工夫するといいでしょう。

■4.ゆったりした気持ちで入る

サウナはリラックスする場でもあるので、ゆっくりした気持ちで過ごそう
サウナはリラックスする場でもあるので、ゆっくりした気持ちで過ごそう

【石原新菜先生】夜にサウナに入るとしたら、基本的には1日の終わり、サウナ後に何かしなければならないという状況下ではないと思います。しかし、たとえば、何時までに帰らなければならないので慌ただしくなる、サウナに入る時間が遅くなって睡眠時間が少なくなるなど、リラックスとは逆の要素が加わってしまうケースも。

時間に余裕がないときなどに無理してサウナに行っても、時間を気にしてせわしなく過ごすことになってしまうので、ある程度余裕をもって時間を確保できるときのほうがおすすめです。

石原先生の話から、サウナ好きの人たちが「サウナに入るとよく眠れる」と感じるのには、理由があることがわかった。もちろん、サウナがすべてではないが、少なからず睡眠にもいい影響がありそうだ。忙しい日々を過ごしている人こそ、睡眠を意識してサウナを楽しんでみよう。

石原新菜先生プロフィール

医師・イシハラクリニック副院長

ヒポクラティック・サナトリウム副施設長

健康ソムリエ理事

ロングライフラボ理事

フェムテック・ジャパン理事

秋田栄養短期大学特任教授

日本内科学会会員

日本東洋医学会会員

日本温泉気候物理医学会会員

クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書は 13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない 蒸し生姜健康法』をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』、『研修医ニーナの731日』等70冊を数える。監修した書籍を含めると100冊を超え、韓国、香港、台湾、ベトナムでも翻訳され出版されている。サウナが好きで毎日のようにサウナに足を運んでいる。二児の母。

取材・文=岡部礼子

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