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おしゃれパリジェンヌのクオリティ・オブ・ライフ vol.54

  • 2026.7.6
Chloé Bruhat

人と比べるのではなく、自分の尺度で幸福を定義し、自分らしい生き方を優先するクオリティ・オブ・ライフという考え方が浸透してきている。今よりもずっと以前から、この考え方を体現してきたのがパリジェンヌだ。個性を大切にし、好奇心旺盛に毎日を自分らしく生きる――そんなエル的ライフスタイルを実践するおしゃれなパリジェンヌにフォーカスする連載。vol.54は「ターン(TURN)」共同創設者兼デザイナーのクララ・ホーファー=メール。

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クララ・ホーファー=メール

「ターン(TURN)」共同創設者兼デザイナー

ハンガリー・ブダペスト生まれ。4歳でパリへ移住し、ハンガリー人の母とフランス人の父のもと、幼少期より異なる文化や感性が交差する環境の中で育つ。ロンドンのキングス・カレッジで政治経済学を学び、在学中に親友とともにファッションブランド「ターン(TURN)」を設立。感覚的なリサーチと独自の美意識を軸に、ファッション、オブジェ、カルチャーを横断する世界観を築いている。

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Q. 最も幸せを感じる瞬間はいつ?

「時間の感覚を完全に忘れている瞬間かもしれない。ビジュアルを組み立てたり、オブジェを探したり、シルエットを考えている時。あるいは旅先や、刺激的な会話の最中にも幸せを感じるわ。何かが始まりそう! という予感が漂う瞬間が好きなの。素晴らしい友情や美しいプロジェクト、そしてその両方が生まれる、言葉で表現しがたい瞬間」

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Q. 人生で最も大切にしていることは?

「好奇心と即答できるわ。だって好奇心が人生を動かし続けてくれていると思うから。美しい経験やアイデアは、たいてい小さな違和感や発見を見逃さず、それを追いかけることから始まる。私はいつも、自分が“美しい”と感じるものや“当然”だと思う感覚を疑うようにしているの。例えば『ターン』のネオンコレクションも、私が慣れ親しんできたニュートラルやアースカラーの美しさと、どこか毒々しく不穏にも感じるネオンカラー、その緊張感の間から生まれたものだったわ」

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Q. 毎日を充実させるために実践していることは?

「たくさん歩くこと。その途中で色や質感を観察し、ディテールの写真を撮ること。ドキュメンタリーやポッドキャスト、リサーチを通して学び続けることも欠かせないわ。例えば、最近はリュクサンブール公園でマリー・ド・メディシスの彫像を見かけたことをきっかけに、彼女の人生に夢中になっていたの。

それから私は、定期的に一人の時間を必要とするタイプ。良い意味での孤独の中にいる時、世界に対してより注意深くなれて、自分自身が満たされていると感じるの。たくさんの情報に触れた後は、一人になって静かに整理したくなる。昨年末に引っ越してきたエリアは偶然友人に会うことも少なくて、それが心地いいの。頭の中を静かに整えるために、夕食後に45分ほど近所を歩くことを習慣にしているわ」

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Q. あなたにとって“仕事”とは?

「仕事とは、何かを前進させるためのエネルギーだと思う。『ターン』は最初からビジネスとして始まったわけではなくて、直感や友情、執着のような感情から自然に生まれたものだった。だから私は、仕事とプライベートを切り離して考えたことがあまりないの。私にとって仕事とは、自分自身の世界を創り、それに誰かを引き込んでいく行為。人生そのものが仕事であり、それを情熱だと言えることは、とても幸運なことだと思っているわ」

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Q. あなたにとって“友人”とは?

「“気づくこと”から始まる関係だと思う。その人がどんな風に世界を見て、何に惹かれ、何に傷つくのかを本当に見つめること。友情は人生の中でも、とても創造的な関係性のひとつだと思うわ。他人の感覚やスタイル、思考の中に自分自身が巻き込まれていく感覚が好きなの」

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Q. ファッションに対するこだわりは?

「私にとってファッションで最も大切なのは、感情と緊張感。どこか未完成な空気をまとった服に惹かれるの。繊細さと違和感、遊び心が同居しているようなものに」

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Q. 定番スタイルについて教えて!

「スタイルはよく変わるけれど、結局いつも戻ってくるのは、強いショルダーラインのあるジャケットや構築的なアウター、細身のボトムス。それに少し過剰なくらい存在感のあるアクセサリー。でも突然、驚くほどシンプルな服だけを何日も着続けることもある。その振れ幅が好きなの」

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Q. パリでの理想の休日の過ごし方は?

「本当の意味で完全なオフの日はあまりないのだけれど、理想の一日は、リサーチから始まる。オブジェを探したり、気になる名前について調べたり、時にはコーヒーすら飲まず、空腹のまま没頭してしまうこともあるの。衝動的に調べ始めると、そのまま服を着替えることさえ忘れてしまうくらい。

しばらくして時間に気づき、慌てて支度をするのだけれど、新しい発見に満たされていて、とても幸福な高揚感があるわ。その後は、すぐ近くにある『Sipp』でコーヒーを買って、そのままランチへ向かうのが定番。最近は『L’Épi d’Or』がお気に入りだけれど、できるだけ家族とも会うようにしている。家族と過ごす時間ほど、心に安らぎを与えててくれるものはないから。そして最後は、本を読んだり、映画館へ行ったり。そんな時間が、私にとって何より好きな過ごし方ね」

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Q. クオリティ・オブ・ライフを向上させるために、必要なモノ・コトを5つ教えて。

情熱=仕事 仕事を、ただの労働ではなく情熱として捉えられること。人生を豊かにしてくれる大切な軸。

自然環境 公園で自然に触れる時間が、感覚や思考を整えてくれる。

自分と向き合う時間 情報や人から少し距離を置く孤独の中でこそ、感性は研ぎ澄まされる。

会話 刺激的な会話や、感性を共有できる友人との交流は、人生を動かすアイデアが生まれる種でもある。

日常から離れ、新しい景色や文化に触れる旅は、常に新しい視点を与えてくれる。

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Q. 1日のタイムスケジュールは?

8:00 起床。ベッドの中でそのままメールやリサーチを確認し始めることも多い。気になるオブジェやヴィンテージ、イメージを見つけると、そのまま夢中になってしまうことも。

10:00 ゆっくり支度をして外へ。『ターン』のパートナーであり親友のアリックスとイドリスとメッセージを重ねながら、アイデアを整理する。何時間も話し合っているうちに、午前中は勢いよく過ぎていくわ。

13:00 ランチタイム。お気に入りのレストランへ行くこともあれば、移動しながら軽く済ませる日も。

14:00 午後はミーティングや撮影、スタイリングとストーリーテリングに関するクリエイティブワークが中心。資料を集めたり、ビジュアルを並べたりしながら、ブランドの世界観を少しずつ形にしていく。

21:00 自宅でも外食でも、ディナーは遅め。夜こそ一番頭がさえる時間だから、本を読んだり、映画を観たり、家の中で再び仕事に戻ることも。公園を散歩しながらアイデアを書きとめたり、ベッドの上でリサーチを続けたりしながら、ゆっくり一日を終える。

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Q. 50代はどんな生き方をしていたい?

「今よりずっとスローペースで、余裕のある人生を送っていたい。でも、好奇心だけは失わずにいたいわ。『ターン』を通して、都市を行き来しながら場所や体験をつくり続けたい。今より自由で、今ほど急がなくてもいい生き方。1年のうち、2〜3都市を行き来しながら暮らせたら理想ね」

photo: Chloé Bruhat illustration: Helena Roux-Dessarps realization: Elie Inoue

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