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環境にもお財布にも優しい服の買い方。着用一回あたりの価格に注目してみると…

  • 2026.7.3

ここ2〜30年で、服の価格は大幅に下がりました。

日本にH&Mが入ってきたのが2008年のこと。当時は、「最先端のデザインがこんなに安く買えるなんて!」「安すぎてびっくり」という声も聞かれましたが、令和の今、ファストファッションは当たり前のものとして受け入れられています。SHEINなどの格安ファッションサイトでは、数百円で服が売られていることも珍しくありません。

世界的に見ても服の大量生産・大量消費の流れは加速しており、服の生産量はこの30年で2倍、平均単価は2分の1まで下がっていると言われています。

同時に問題になっているのが、ファッションのサステナビリティです。服を作るには、大量の水や資源が必要であり、自然破壊の原因にもなっています。また、低価格の服を作る人々の環境の劣悪さも問題になっています。また、児童労働が放置されたり、劣悪な環境で労働を強いられた結果、大規模な事故により1000人以上の労働者が亡くなった事件が発生したりと、問題は山積みです。

さらには、消費者も価格が安いがゆえに特に欲しくもない服を買ってしまって自己嫌悪に陥ったり、質が悪いために短期間で着られなくなってしまったりと、「愛着のある質の高い服を長い間大切に着る」文化から遠ざかってしまう傾向もあります。

生産者、消費者、地球環境、すべての面において、現状のファッション業界は理想的な状況だとは言えず、このままのスピードで大量生産・大量消費が行われれば、どこかで破綻してしまうことは目に見えているのです。

では、消費者はどのような消費行動を取れば、ファッション業界のサステナビリティに貢献し、満足のいく買い物ができるのでしょうか?

今回は、『わたしの服はどこからきてどこにいくの? 服と人のサステナブルな関係を考える』(晶文社 鎌田亜里沙 マルティメンド有加)を参考に、環境にもお財布にも優しい服の買い方のヒントをご紹介します。

環境にもお財布にも優しい服の買い方1:Cost Per Wear

最初にご紹介したいのが、購入時に「Cost Per Wear」を考える、というものです。

「Cost Per Wear」とは、着用一回あたりの価格を指します。

例えば、ファストファッションで3000円のワンピースを購入するのと、別のブランドで30000円のワンピースを購入するの、どちらがいいか迷った時、「3000円の方が安い」と考えるのではなく、「一回あたりの価格はいくらになるだろう?」と考えてみるのです。

もしかして、3000円のワンピースは、1回着ただけで満足して、もう次のシーズンには着ないかもしれません。そう考えると、一回着用あたりの価格は、3000円です。一方、30000円の方は、飽きが来ないデザインで何年も着用でき、結果的に100回着用するとします。そうなると、一回着用あたりの価格は、300円になります。

そう考えてみると、安いワンピースを一回3000円で着るか、質のいいワンピースを100回300円で着るか、という比較になります。一回あたりの価格が低いのは30000円のワンピースなので、こちらの方が「安い価格で長く楽しめる買い物」になります。

この考え方で服を購入すると、結果的に長く着られるものを選ぶようになるので、すぐに廃棄する必要がなくなり、環境にも優しい選択になるのです。

環境にもお財布にも優しい服の買い方2:エシカルなブランドを選ぶ

購入するブランドを厳選することも大切です。

本書で紹介されているサイト「Shift C」では、ブランド名で検索すると、そのブランドのエシカル度を5点満点中何点か、を知ることができます。

こちらのサイトは、プロのリサーチャーが企業の開示情報をもとに、1000近い項目に基づいて精査したものです。地球・人・環境にどのくらい配慮したブランドなのかを簡単に知ることができるので、ぜひ一度チェックしてみてください。

https://shiftc.jp

調べた結果、自分のお気に入りのブランドが、エシカル度が低くてガッカリすることもあるかもしれません。その場合は、ブランド側にもう少し環境に配慮したものづくりをしてほしい、と要望を伝えることを検討してみてもいいでしょう。

エシカルでサステナブルであることを望む消費者が多いことが企業に伝われば、企業は自社の体制を見直すかもしれません。

環境にもお財布にも優しい服の買い方3:譲りやすい・リサイクルしやすいものを選ぶ

他の人に譲りやすかったり、リサイクルしやすかったりするものを選ぶのも一案です。

質がいいもの、子どもに引き継がせることができるブランドものなどを購入するのもいいでしょう。

また、複数の素材が使われている服はリサイクルが難しいため、コットン100%など、単一素材のものを選ぶことを意識するのも一案です。

自分は着る機会がなくなったけれど、まだまだ十分着られるという場合は、フリマアプリに出品するのもいいでしょう。あまり利益が出なくても、ゴミ箱に捨てることに比べると、環境に負荷がかかりにくい、というメリットがあります。

一番いいのは買わないこと。次にいいのは長く使えるものを選ぶこと

環境のことを考えるなら、これ以上服を増やさないことが重要です。

ただし、流行は移り変わりますし、世の中には素敵な服がたくさんありますから、全く買わないで過ごすのは難しいでしょう。

であれば、現状できる最善策は、「質が良く、長く着られる、自分が本当に好きな服を吟味して購入する」以外なさそうです。

しっかりと自分の声に耳を澄ませるためにも、安い価格や、セール表示などに惑わされないよう、注意しましょう。ちなみに、「定価でもほしいと思うものだけ買う!」と決めておくと、セール品に惑わされにくくなります。

原宿なつき

関西出身の文化系ライター。harajyukunatuki@gmail.com

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