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「the TRUE DIARY show」第12回:構成作家・大井洋一

  • 2026.7.7

毎回異なる著名人を著者に迎え、実際の日付で日記を綴ってもらう連載。今回は『水曜日のダウンタウン』などの構成作家として活躍しながら、昨年、47歳で日本大学藝術学部に入学、学生生活を送る大井洋一さん。

illustration: Sakasano Kasa / text: Youichi Ooi

女子5人とBeREALを撮っているイラスト
BRUTUS

4月14日(火)

2限からスタート。昼からリモート会議が3つ。ラウンジは人が多いので、エレベーターホールの隅のゴミ箱の上にパソコンを置いてやる。1年かけて見つけた場所で、もはや誰も自分に気を留めなくなった。キャンパスのあちこちにいる1年生集団が初々しく眩(まぶ)しい。とはいえ、18歳も21歳もみんな一緒で、まとめて若い。学内で私に構ってくれるのはオカルト研究会の会長だけ。学内に巣食う48歳はもはやオカルトの類なのかもしれない。

4月15日(水)

1限から授業。文学の世界と文芸創作論。おじさんだから、おじさんの話がおもしろい。終わってリモート会議。移動してラジオ生放送と会議。残って明日締め切りの大学の課題をやる。2年生のゼミは選択だが、教授によっては課題が出される。人気があるゼミは倍率も高く、そうなると課題を見て選抜される。

私が希望するゼミは、とにかく小説を書かせることで有名で、「大井さん絶対、追いつけないと思います」と先輩たちから散々忠告されたが、そもそも書くために入ってきたので、書く機会をたくさんもらえるのなら、むしろありがたい。ただ、例年人気らしく、激戦とのこと。なんとか受かりたい。

課題は「A4、1枚の小説」と、「自分に合わなかった創作物がなぜ自分に合わなかったのかのレポート」。悩みつつバラエティ台本以上に気合いを入れて書き上げる。まとまりすぎか、と、提出しては取り消し、提出しては取り消し。何度も書き直すうちに、よく分からなくなってしまい、観念して提出。祈る。

4月16日(木)

木曜日は4コマも授業があるので朝から忙しい。エッセイ研究の先生は、授業で宮本浩次バージョンの「赤いスイートピー」とかTHE BACK HORNがカバーした「春よ、来い」とかを爆音でかけながら授業を進める。「最後はみんなで『翼をください』を歌いましょう!」と大合唱させて、無茶苦茶だ。

私も、吉本の学校で授業を受け持っているが、これぐらいおかしくならなきゃいけないのか、と反省した。18時から今年度最初の学園祭実行委員の集まり。夜の会議がなくなり、実行委員の2年生でご飯を食べにいくことになった。一人いた男子が来られず、女子5人と私。みんな食事中に、BeREALを撮っていたが、この状況を親御さんに見られたくない。ちなみに私、春休みの間に10キロほど痩せているが、当然そういった話にはならない。そもそも見えていないのかもしれない。

4月17日(金)

ゼミの合格者が発表された。希望したゼミは、定員割れしてて、全員合格。なんなんだよ。2限の英語。黒人の先生は、頑なに英語しか喋らない。圧と緊張感がすごい。英会話教室に通い出したばかりだが、これだったら行かなくてよかったな。

銀行口座の残高がマイナスになり、カードが止まった。請求書を出さないと死ぬ。夜、佐久間さんに良い寿司をご馳走になった。心と体の健康の話。

4月18日(土)

かつて若手芸人たちが利用していた、新宿歌舞伎町にあったホテル〈まつき〉に関するZINEを作りたく、当時を知る元芸人を取材。夜には、女性も取材。2000年代初頭の、芸人とその近くにいる女性たちの話は、今にはない熱量がある。会議。

4月19日(日)

昼〈まつき〉取材。ベテラン芸人を。夜は、ロックバンド〈自爆〉のライブにチャンス大城さんと下北沢。最高だった。帰り道、チャンスさんから、「好きな人から、“この前野糞しちゃった”と告げられたんですよ」という話を聞かされて、どうリアクションしていいか分からなかった。

4月20日(月)

学校のラウンジで仕事してると、近くの席にいた女子が、男子に「好きな人をどう誘っていいか分からない」と相談していて、男子があーだこーだとアドバイスしていた。いい。青春。

席を外して戻ってきたら、女子はいなくなっていて、男子から「大井さんですよね?」と話しかけられた。「さっき恋の話してたね」と言うと「でも、僕は彼女が好きなんですよ」と教えてくれた。好きな子の恋愛相談にアドバイスしているのが苦しくて辛いと言っていた。〈back number〉すぎる。

告白して、今の関係が崩れるのが怖いと言っていたので、「そういう時は、君のこと、好きでいていいか?と、聞きなさい」と、昔、島田紳助が言っていたことを伝えたのに「は?」と全く響いていなかった。

BRUTUS

profile

大井洋一(構成作家)

おおい・よういち/1977年東京都生まれ。構成作家として、TBS『水曜日のダウンタウン』などを担当。総合格闘技「THE OUTSIDER」にも挑戦し、55~60㎏第2代王者となった。2025年から日本大学藝術学部文芸学科に在学中。

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