1. トップ
  2. エンタメ
  3. 【60代映画】韓国で大ヒット!青春時代を経験した幅広い世代に刺さる恋愛映画『サヨナラの引力』

【60代映画】韓国で大ヒット!青春時代を経験した幅広い世代に刺さる恋愛映画『サヨナラの引力』

  • 2026.7.3

韓国で3週連続第1位を獲得し、『私の頭の中の消しゴム』を超えるヒットを記録した恋愛映画『サヨナラの引力』が7月3日(金)より全国公開です。 青春時代に忘れられない恋愛をした男女が、10年後偶然再会し、胸の奥にしまっていた「もしもあの時……」という問いを投げかけるラブストーリー。誰もが自分の中でいちばん情熱的だった恋を思い出して切なくなる、幅広い世代に刺さる物語。見どころを紹介しつつ、2人をつなぐ「食堂の味」にも注目したコラムです。

ストーリー

2024年夏、台風が接近中で大雨が降るベトナム・ホーチミン。ウノ(ク・ギョファン)は、ソウル行きの機内で、20代の頃深く愛し合っていたジョンウォン(ムン・ガヨン)と偶然再会する。 2人が出会ったのは2008年の夏、ソウル発の長距離バス。その日も大雨で、バスが立ち往生したことをきっかけに会話を交わし、同じ大学に通うことを知ったのだった。ウノはジョンウォンに一目惚れするが、その想いを胸に秘めて友情を育んでいく。食堂を営む父に育てられ、ゲーム・クリエイターを目指すウノと、養護施設育ちで建築家に憧れるジョンウォン。夢を語り合う2人はやがて情熱的に愛し合うが、いつしか生活がすれ違い、別々の道を歩むことになる。 あれから10年以上が経ち、再会した2人。青春時代の思い出をたどり、ウノは心の奥にしまい込んでいた問いを投げかける。「もしもあの時……」

【見どころ1】幅広い世代の心に響くリアルで切ないラブストーリー

友達から発展していく恋、1つのイヤホンで聴くラブソング、酔っぱらって叫ぶ将来の夢、狭いキッチンで一緒に料理をして共に暮らす毎日、コルクボードに増えていくプリクラや写真、そして仕事に追われすれ違う生活……。 リアルな描写や何気ない会話から胸の奥が刺激され、誰もが人生で最も情熱的だった青春時代の恋愛を思い出す。そんな切ないラブストーリーになっているのがいちばんの見どころ。大人になった2人の存在があるから、幅広い世代が没頭できます。 2018年にヒットした中国映画『私たちと彼ら』のリメイク作品として、舞台を北京からソウルに移して撮影された今作。2025年12月に韓国で公開されると口コミで評判が広まり、『私の頭の中の消しゴム』(2004)や『別れる決心』(2023)など、過去にヒットした恋愛映画を上回る、総計260万人以上の動員数を記録したのも、世代を問わず受け入れられた結果ではないでしょうか。

【見どころ2】20代~30代の変化を魅力的に演じるク・ギョファンとムン・ガヨン

主演の2人が、20代の初々しい学生時代と、大人になって再会した30代を巧みに演じ分けているところも見どころ。髪型やファッションの違いはもちろんありますが、表情や会話のテンポ、仕草や話し方など繊細な表現の変化に魅了されます。 ウノを演じたク・ギョファンは、キャリアの初期はインディペンデント映画を中⼼に活躍し、演技だけでなく脚本、演出、編集などにも携わりながらキャリアを積んできた実力派。『新感染半島 ファイナル・ステージ』(2020)では悪役となる⺠兵集団のリーダーを狂気的に演じ、ドラマシリーズ「D.P. −脱⾛兵追跡官−」(2021・2023)では主人公のバディ役として軽妙な掛け合いを繰り広げている彼ですが、本格的なラブストーリーは今作が初挑戦。この作品を機に、沼にハマる人が続出するのでは? ジョンウォンを演じたムン・ガヨンは、ドイツ育ちの帰国子女で子役からドラマで活躍。日本でも映画化されたWEBコミック原作のドラマ「⼥神降臨」(2020)でのヒロイン役が転機となり、シリアスからラブコメまで演じられる人気女優の地位を確立。今作の演技が高く評価され、韓国のゴールデングローブ賞と呼ばれる百想芸術大賞で映画部門・女性最優秀演技賞を受賞しました。ファッション・アイコンとしても人気で、Instagramのフォロワー数は1,352万人(2026年6月時点)を誇ります。

【見どころ3】映画の世界とリンクする挿入歌「愛は春の雨のように、別れは冬の雨のように」

映画の挿入歌「愛は春の雨のように、別れは冬の雨のように」は、韓国の女性シンガーソングライター、イム・ヒョンジョンが2003年にリリースした楽曲。歌詞と作品世界がぴったりリンクしていて、韓国では今作がきっかけでリバイバルヒットし「23年ぶりのチャート逆走」と話題になりました。

2人が出会ったバスの中でジョンウォンが聴いていたのがこの曲。その後親しくなってから、2人で一つのイヤホンを分け合って聴くシーンは胸キュン必至! タイトルや歌詞に雨が入っていますが、劇中でも印象的なシーンでは雨が降り、情緒を演出しています。

【ここにも注目!】2人をつなぐ「食堂の味」

ウノの父親は地方で食堂を営んでおり、2人で、時にはジョンウォンだけでも食堂を訪れるシーンがあります。出会ったばかりの時に食べる激辛ククス(麺料理)や、サンナッチ(タコの踊り食い)、お正月に食べるお雑煮、父親がタッパーに詰めて持たせてくれる手料理の数々。ウノにとっては当たり前の父の料理ですが、養護施設で育ったジョンウォンにとっては家庭の味として大切な思い出になったはず。仲間や家族とも食事やお酒を楽しんでいた2人がいつしか夢を忘れ、生活が荒れるにつれカップラーメンばかりの食生活になる様子が切ないです。 「もしあの時……」という問いかけは、過去を振り返る際に誰もが思い浮かべる、もう一つの未来。10年後再会した2人は、何色の世界を目にするのか?ぜひ劇場で見届けてください。

作品情報

『サヨナラの引力』
7⽉3⽇(⾦)よりTOHOシネマズ ⽇⽐⾕ほか全国公開

監督:キム・ドヨン
出演:ク・ギョファン、ムン・ガヨン
配給:⽇活/KDDI
© 2025 KC VENTURES CO., LTD AND K WAVE MEDIA LTD ALL RIGHTS RESERVED.

この記事を書いた人 富田夏子

雑誌ライター歴21年。得意分野はエンタメ、フード、ライフスタイル。映画ライター/映画ごはん研究家として、「映画とごはんをつなぐメディア」をSNSで展開し、映画と食に関連する情報や体験をシェアしている。日本映画ペンクラブ会員。 雑誌やWEBへの映画レビュー連載歴は14年で、俳優や映画監督のインタビューも手がける。料理取材の試食は残さず食べる食いしん坊。

元記事で読む
の記事をもっとみる