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「金は払う、今すぐ離婚をしてくれ」とお願いする不倫した夫。だが、意地でも私が別れなかったワケ

  • 2026.7.2

家を出た夜に告げた一言

夫の浮気には、ずっと前から気づいていた。スマートフォンに届くメッセージの通知、増えていく週末の出張、洗い立てのシャツから漂う別人のような香り。

それでも私は、何も言わずに泳がせていた。問い詰めれば、その場の言い訳でやり過ごされるだけだとわかっていたから。

証拠を一つずつ集めながら、ただ静かに、その時を待っていたのだ。

きっかけは、本当に些細な喧嘩だった。皿の片づけ方をめぐって言い合いになり、夫は鞄を掴んで玄関へ向かった。

こちらの非ばかりを並べ立てて、まるで自分こそ被害者だと言わんばかりの顔で。

「もう、お前とは無理だ。出ていく」

その背中に、私は静かに声をかけた。

探偵に頼んで相手の自宅も職場も突き止めてあること、何もかも把握していること。

深夜のリビングで、夫の顔色が変わっていくのがわかった。

「不倫のことは、全部知っているの」

急ぐ夫と、急がない私

夫は観念したように不倫を認めた。

けれど、その先に出てきた言葉に、私は思わず笑いそうになった。

「金は払う、今すぐ離婚をしてくれ」

謝罪も反省もない。ただ、自分が一番楽になる道だけを、当然のように要求してくる。

その身勝手さに、私は静かに決めた。あなたが急ぐなら、私はとことん急がないでいようと。

「お断り、まだ妻でいます」

夫はぽかんと口を開けた。そして声を荒らげ、それから言い淀み、最後はうつむいて黙り込んだ。

離婚届を出したくてたまらない人ほど、別れてもらえない時間が効くのだ。

私は別居中の生活費、婚姻費用を法に則って限界まで請求した。

婚姻関係が続いている限り、夫には私の生活を支える義務がある。

同時に、不倫相手には弁護士を立てて慰謝料を求めた。やましいことをした以上、相応の代償は払ってもらう。手続きはどれも、急ぐ必要などなかった。焦れば焦るほど、夫の財布は軽くなっていった。

1年かけて、立場が入れ替わった

慰謝料の支払いに追われた不倫相手は、築浅のきれいなアパートを引き払い、築50年のぼろアパートへと移っていったと聞いた。

私の知ったことではない。

気が済むまで、私はゆっくり時間をかけた。そして1年後、もう十分だと思えた頃に、ようやく離婚に応じた。

「これで、満足です」

その後、夫は不倫相手にも捨てられたらしい。行き場をなくして実家へ戻り、四十を前にして昔の子供部屋で暮らしていると、共通の知人が教えてくれた。

因果応報。私は誰も呪わなかった。ただ、急がなかっただけだ。今は新しい部屋で、好きな珈琲を淹れる朝が、何より心地いい。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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