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全長24m超え、史上最大級の「メガロドン化石」を再発見

  • 2026.6.30
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

かつて海の王者として君臨した巨大ザメ「メガロドン」。

その大きさは、しばしば映画や小説で誇張されてきましたが、実際の化石から見ても、現代のサメとは比べ物にならないほど、巨大だったことは間違いありません。

そして今回、長らく失われていたデンマーク産のメガロドンの椎骨化石が再発見され、その化石分析から、全長24.3mという史上最大級の推定を支える重要な証拠であることが確認されました。

研究の詳細は、米デポール大学(DePaul University)らにより、2026年6月の学術誌『Palaeontologia Electronica』に掲載されています。

目次

  • 倉庫で眠っていた「失われた巨大椎骨」
  • 直径23cmの椎骨が示した「全長24.3m」のメガロドン

倉庫で眠っていた「失われた巨大椎骨」

メガロドン(Otodus megalodon)は、約2300万年前から約360万年前まで生息していた絶滅ザメです。

歯の大きさから「とんでもなく巨大だった」ことは以前から知られていましたが、その正確な体長を調べるのは簡単ではありません。

というのも、軟骨魚類であるサメの骨格は、硬い骨ではなく軟骨でできているため、化石として残りにくいからです。

そのため、メガロドンの化石として見つかるのは、ほとんどが歯です。

一方で、まれに石灰化した椎骨が残ることがあり、これは体の大きさを推定するうえで非常に貴重な手がかりになります。

問題の化石は、1978年にデンマークのグラム粘土採掘場で発見されました。

そこには、1頭のメガロドンに由来するとみられる約20個の椎骨が含まれており、その中には直径23cmに達する巨大な椎骨があったと報告されていました。

しかし、この標本は1989年に保管場所を移される際に大きく破損し、その後、所在が分からなくなってしまったのです。

科学文献には写真だけが残され、「本当に23cmだったのか」を実物で確かめることはできなくなっていました。

ところが2017年、デンマーク自然史博物館の収蔵品の中から、謎の化石片が入った箱が見つかります。

【再発見されたメガロドン化石の画像がこちら

それを調べたところ、失われたと思われていたメガロドンの椎骨標本の一部だと判明したのです。

現在この標本はNHMD 157890として登録され、研究チームによって改めて分析されました。

残されていたのは完全な椎骨ではなく、2つの部分的な椎体と少なくとも185個の小さな破片でした。

しかし、その断片の中には、巨大メガロドンのサイズを再検証するのに十分な情報が残されていました。

直径23cmの椎骨が示した「全長24.3m」のメガロドン

チームが特に注目したのは、比較的よく保存されていた「椎骨I」です。

この椎骨には中心部と外周部の一部が残っており、そこから半径115mmを測定できました。

椎骨がほぼ円形だったと仮定すると、直径は230mm、つまり23cmになります。

これは、1980年代に報告されていた数値と一致するものでした。

つまり、これまで写真だけに頼っていた「巨大椎骨」の記録が、実物標本によって改めて確認されたのです。

この23cmという椎骨径は、既知のメガロドン椎骨として最大級であり、チームは、この個体が現時点で科学的に推定できるメガロドン最大級の個体だった可能性を示しています。

その推定体長は24.3mです。(※ 現生するホオジロザメでも、最大個体は全長6mほど)

これは、標準的な市内バスを2台並べたほどの長さに相当します。

ただし、ここで注意すべきなのは、メガロドンの完全骨格が見つかったわけではないという点です。

24.3mという数字は、椎骨径と他のメガロドン標本との比較から導かれた推定値です。

論文では、成長帯の解析から理論上は28m近くまで成長し得た可能性も示されていますが、この成長モデルには多くの仮定が含まれるため、著者らも「かなり暫定的」としています。

そのため、現時点で最も慎重かつ妥当な表現は「この標本は全長24.3m級のメガロドンを示す、史上最大級の候補である」というものです。

Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

さらに今回の標本は、メガロドンの食生活についても興味深い手がかりを残していました。

椎骨の周囲の岩石や堆積物から、ウバザメ類の小さな鱗が多数見つかったのです。

チームは、椎骨そのものは大きさや形、石灰化の状態からウバザメではなくメガロドンのものだと判断しています。

そのうえで、近くに集中していたウバザメ類の残骸は、メガロドンの胃内容物だった可能性があると考えました。

もしそうなら、この巨大個体は死の直前に、別の大型サメを食べていたことになります。

これは、メガロドンが大型の獲物を狙うだけでなく、かなり幅広い食性を持っていた可能性を示す手がかりです。

もちろん、胃内容物だったという解釈も確定ではありません。

しかし、巨大な椎骨とともに別のサメの微小な残骸が見つかったことは、メガロドンの生態を考えるうえで非常に珍しい発見です。

参考文献

Megalodon’s Terrifying True Size Confirmed By Rediscovered Fossil
https://www.sciencealert.com/megalodon-fossil-lost-for-decades-confirms-the-monsters-terrifying-size

Lost megalodon vertebrae resurface, confirming 80-foot size estimate
https://phys.org/news/2026-06-lost-megalodon-vertebrae-resurface-foot.html

元論文

Otodus megalodon vertebrae from Denmark
https://doi.org/10.26879/1674

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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