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モネの発見や歩みを学ぶ、『クロード・モネ−風景への問いかけ』展特別鑑賞イベントをレポート!

  • 2026.4.18

2025年3月から1年間、創刊35周年を迎えたフィガロジャポンでは、「アールドゥヴィーヴルへの招待」をテーマに読者の皆様にさまざまな体験の場を提供していました。

2月27日(金)には、アーティゾン美術館で開催中の、モネ没後100年『クロード・モネ−風景への問いかけ』展の特別トークイベントへ40名の読者を招待。没後100年となるモネや印象派にフォーカスしたこの展覧会について同美術館の賀川恭子学芸員がレクチャーし、その後参加者は展覧会を堪能した。イベントの様子をリポートする。

連日大盛況の『クロード・モネ−風景への問いかけ』展。展覧会はアーティゾン美術館で5月24日(日)まで開催中。

展覧会が始まって20日ほど経ったこの日、アーティゾン美術館は多くの観覧者で賑わいを見せていた。トークイベントの会場となった明治屋ホールでは、40名のフィガロ読者を前に賀川さんがスライドとともに解説を始めた。

本展覧会を担当したアーティゾン美術館学芸員の賀川恭子さん。

「モネ没後100年を記念したこの展覧会はパリのオルセー美術館の所蔵作品76点をメインにオランジュリー美術館、アーティゾン美術館、その他国内の美術館からモネの作品58点と同時代の作家による絵画や写真、現代作家による映像作品を展示しています。オルセーのモネ作品は寄贈作品が82%を占めており、質の良い作品が揃っています。モネと同時代のパトロンによる寄贈作品など、現在では入手困難なものが多いのです」

モネ没後100年 「クロード・モネー風景への問いかけ」展会場風景©Yuya Furukawa

今回は15点の初公開作品が展示されるとあって、ファンにとっても見逃せない内容となっている。「たとえば『ディエップの断崖』は2023年にオルセーに所蔵されたもので、1910年にモネが発表して以来、公開される機会がなかった作品です」会場では年代順に絵画や写真が展示され、モネの時代に没入することができる。「モネは86歳まで生きましたが、今回はごく初期の作品から晩年の作品までをご覧いただけます。総目録1番目となる『ルエルの眺め』は非常にオーソドックスな風景画ですが、晩年の『しだれ柳』は抽象画のようで、一人の画家の作風の変化を目の当たりにできるでしょう」

展示作品をピックアップしながら、展覧会の見どころを解説する賀川さん。

1840年にパリで生まれ、幼少期をノルマンディ地方で過ごしたモネは1859年にパリに出て絵画の勉強を始め、印象派と呼ばれる画家たちと活動を共にした。「印象派の中でもとくに風景画を得意としたのがシスレー、ピサロ、モネの3人です。本展では3人の作品が一つに額装されたものを展示していますが、よく見ると水平線が揃っています。これは銀行家で蒐集家であったエルネスト・メイが注文して描かせたのではないかと推測されます」

クロード・モネ《サン=ラザール駅》 1877年、油彩・カンヴァス 、オルセー美術館蔵photography: © GrandPalaisRmn (musée d'Orsay) / Benoît Touchard / distributed by AMF

最新のチューブ入り絵の具を鞄に入れ、開通したばかりの鉄道に乗って、戸外で絵を描き始めた印象派の画家たちはやがて光を発見していく。「彼らは自然を観察するうちに、光は時間や天気、季節によってどんどん移り変わることに気づきます。黒や茶色で描くのが決まりだった影の中にも色があることを発見するのです。影が青く描かれているのは印象派絵画の特徴のひとつです」

クロード・モネ《かささぎ》1868-69年、油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵photography: © GrandPalaisRmn (musée d'Orsay) / Adrien Didierjean / distributed by AMF

印象派の画家たちにとって雪景色は色を試す格好の機会だった。「白い雪景色の中にもさまざまな色が使われています。雪景色を描いたモネの作品で最も有名な『かささぎ』は、オルセーで修復を終えたばかりです。油絵の具を保護していたニスが黄変したため、除去して塗り直されました。今回はモネが描いた当時の色彩をご覧いただけると思います」

クロード・モネ《トルーヴィル、ロシュ・ノワールのホテル》1870年、油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵photography: © GrandPalaisRmn (musée d'Orsay) / Gabriel de Carvalho / distributed by AMF

クロード・モネ《ジヴェルニーのモネの庭》1900年、油彩・カンヴァス 、オルセー美術館蔵photography: © GrandPalaisRmn (musée d'Orsay) / Adrien Didierjean / distributed by AMF

ほかにもパリ郊外の人気観光地、トルーヴィルやアルジャントゥイユでの風景画や、ルーアン大聖堂の連作、終のすみかとなったジヴェルニーの庭まで、モネが生きた時代にタイムスリップしたかのような体験ができる構成となっている。

イベント終盤で賀川さんへの質問タイムも実施。モネに関する熱心な質問も寄せられた。

賀川さんのレクチャーを聴きながらメモを取る参加者の姿も。

会場では熱心にメモを取る参加者の姿が見られ、質疑応答ではたくさんの質問があがった。鑑賞を終えた参加者からは「レクチャーの後では普段と違う目線で作品を味わうことができました」「モネの絵画は幾度となく見ていますが、お話を聞いてさらに作品の解像度と奥行きが増したように思います」などの感想が聞かれた。

レクチャー終了後、参加者はアーティゾン美術館へ移動して実際に作品を鑑賞。モネの発見した風景を追体験しながら作品とじっくり対話することで、普段の生活が少しだけ彩りを増していく......そんなアールドゥヴィーヴルな一日となった。

モネ没後100年 「クロード・モネー風景への問いかけ」展会場風景©Yuya Furukawa

モネ没後100年『クロード・モネ―風景への問いかけ』会期:〜2026年5月24日アーティゾン美術館東京都中央区京橋1-7-2050-5541-8600(ハローダイヤル)営)10:00〜17:30最終入場※金曜日、5/2 、9 、16 、23は19:30最終入場休)4/13、5/11料)日時指定予約制一般¥2,100(ウェブ予約)¥2,500(窓口販売)https://www.artizon.museum/exhibition_sp/monet2026/※ウェブ予約チケット完売時は、窓口販売はございません。

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