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【ピカソとポール・スミスがコラボ】国立新美術館「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」開催中。見どころやおすすめ展覧会グッズをレポート!

  • 2026.6.27

東京・六本木の国立新美術館で開催中の「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」。本展は、パリ国立ピカソ美術館が所蔵するパブロ・ピカソ(1881〜1973)の作品からインスピレーションを得て、デザイナーのポール・スミスが会場のレイアウトを考案した展覧会。今回は、開幕に先駆けて開催された取材会および内覧会に参加。本展の見どころや企画の背景とともに、会場の様子を紹介する。


ポール・スミスが手がけた空間でたどるピカソの創作の軌跡

ポール・スミス氏。

2023年にピカソ没後50周年を記念してパリで開催された特別展「Picasso Celebration: The Collection in a New Light!」を基にした国際巡回展。パリ、上海を巡回し、日本では国立新美術館が唯一の開催会場となる。

世界有数のピカソ・コレクションが日本に集結するのは18年ぶり。絵画や彫刻、陶芸作品など、代表作を含む約80点が展示されている。本展の特徴は、ファッションデザイナーのポール・スミス氏が手がけた空間演出だ。

ポール氏は、ピカソから学ぶべき最大の点として「好奇心」を挙げる。古典的な素描からコラージュ、陶芸まで、常に新たな表現に挑戦し続けた姿勢に、自身のクリエイションとの共通点を感じたという。

今回のディレクションでは、自らの個性を前面に押し出すのではなく、「ピカソへの最大の敬意」を持って臨んだと語る。伝統的な美術館の展示手法とは異なる、さまざまな色彩やテクスチャー、素材を取り入れながら、作品に「新しい光を当てる」ことを目指した。

松岡茉優さん。

また、本展のアンバサダーを務め、音声ガイドのナビゲーターも担当した松岡茉優さんは、ピカソの人生における変化が作品に反映されていく様子を、ポール氏が部屋ごとに異なる演出で表現していることについて、「ピカソの人生をたどるうえでも素晴らしい展示になっていると思います」と語った。

なかでもお気に入りとして挙げたのが、吹き抜け越しに「セクション07:子供時代」の展示室が見える演出。また、日本会場ならではの見どころとして、ポール氏が会場内に描き加えた動物のイラストを紹介。「私ははじめ見逃してしまったのですが、他のイラストと比べると線が薄いのでわかると思います。ぜひ探してみてください」と呼びかけた。

ポール・スミス氏と松岡茉優さん。

ピカソの軌跡を16セクションで展開

国際巡回展「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」。

会場は16の展示室で構成され、ピカソの歩みに緩やかに沿って約80点の作品を紹介する。

「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」 国立新美術館 2026年 展示風景。

最初の展示室00「トロンプ・レスプリ(精神を欺くもの)」で来場者を迎えるのが、自転車のサドルとハンドルを組み合わせた《牡牛の頭部》だ。

ポール氏は「私たちが見ると、単なる自転車のパーツに見えますが、ピカソのように異なる視点や想像力を持つことで、アートへと変わります」と説明。作品を多角的な視点で楽しんでほしいと話した。

「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」 国立新美術館 2026年 展示風景。

続く01「『ヴォーグ(流行)』中の芸術家」の部屋では、1951年の雑誌『ヴォーグ・パリ』にピカソが線を描き加えた作品を紹介。ウェディングドレス姿の女性の写真に加えられた線は、ユーモラスでありながらどこかグロテスク。ピカソの遊び心が感じられる作品だ。

ピカソは幼い頃から雑誌や漫画を愛読しており、13歳のときには自ら雑誌を制作したという。さらに、書物のページに直接絵を描き込むこともあったという。

02「青の憂鬱」の部屋では、親友を失ったピカソの「青の時代」に焦点を当てる。当時のピカソはアトリエを共有していた親友を亡くし、深い悲しみと孤独の中にあったという。

ポール氏は、その心情を空間全体で表現するため、展示室の天井をあえて低く設計。さらに床には絨毯を敷き、来場者の足音が響かないよう工夫した。静寂に包まれた空間の中で作品と向き合うことで、当時のピカソが抱えていた閉塞感や憂いをより身近に感じることができる。

「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」 国立新美術館 2026年 展示風景。

その先に現れるのが、鮮やかなバラ色に彩られた03「バラ色の女性たち《アヴィニョンの娘たち》への前奏曲」だ。青を基調とした空間から一転、明るい色彩に包まれた展示室は、ピカソの心境の変化を感じさせる。

展示されているのは、《アヴィニョンの娘たち》(1907)の習作群など。1906年頃から女性像を中心に、形態や空間の単純化を追求していたピカソは、イベリア美術やアフリカ美術からも着想を得ながら、新たな表現を模索した。

ピカソが晩年まで憧れた「子どものような自由な心」

07「子ども時代」の部屋では、オルガ・コクローヴァとの間に生まれた息子パウロを描いた《アルルカンに扮したパウロ》や《トラックの玩具で遊ぶ子ども》などを展示。壁面には作品に登場する衣装の柄や背景が取り入れられ、絵画の世界が空間全体へと広がっている。

ピカソにとって子どもは重要なモチーフであり、自身も「子どものような自由な視点」に憧れ続けていたという。ポール氏はこうしたピカソの子どもへのまなざしを踏まえ、舞台やサーカス、遊びに夢中になった時代の喜びを空間全体で表現した。

「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」 国立新美術館 2026年 展示風景。

09「ストライプ」では、1930年代にピカソが実験的に用いたストライプ模様をモチーフにした作品を展示。柔らかな曲線とパステル調の色彩で描かれたマリー=テレーズ・ワルテルの肖像画などが並ぶ。

カラフルなストライプで彩られた空間は、ポール氏のデザインを象徴するモチーフのひとつ。ピカソの作品とポール氏の世界観が響き合う展示室となっている。

「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」 国立新美術館 2026年 展示風景。

11「一点もの」では、1940年代後半に南仏ヴァロリスへ移り住み、陶芸に没頭したピカソの作品を紹介。

展示室には真っ白なプレートが壁一面に並び、その中央にダイナミックな絵付けが施されたピカソの作品が展示されている。周囲とのコントラストによって作品の存在感が際立ち、思わず目を引く空間だ。

「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」 国立新美術館 2026年 展示風景。

締めくくりとなる15「展覧会のピカソ」では、1901年のパリでの初個展から1970年のアヴィニョンでの大規模個展まで、各地で開催された展覧会のポスターを壁一面に展示する。

ポール氏は、かつてのパリではカフェの窓にもアートのポスターが貼られ、芸術が人々の暮らしの身近にあったことに触れながら、この空間を当時の街並みを思わせる演出にしたと説明。ポスターの数々からは、ピカソが没後だけでなく、生前から広く愛された芸術家であったことがうかがえると語った。

展覧会の世界観をそのまま持ち帰ろう。ポール・スミスとのコラボグッズも要チェック!

写真上:「ペイントローラーショルダートートバッグ」9,900円、写真下:「ペイントローラーTシャツ」8,800円。

なかでも注目は、ポール・スミスとのコラボレーションアイテム。展覧会の世界観を凝縮した「ペイントローラーショルダートートバッグ」や「ペイントローラーTシャツ」は、ペンキで描いたようなかすれたストライプが印象的だ。

写真中央:「ウォールペーパーニットバッグ」15,400円。
「アンブレラチャーム」550円。

また、《アルルカンに扮したパウロ》に登場する衣装をモチーフにした「ウォールペーパーニットバッグ」のほか、犬や猫などをデザインした「アンブレラチャーム」、缶入りチョコレートなどもそろう。

チョコレート缶 各1,188円。

今回の展覧会は、会場を進むにつれ、ピカソの感情の移ろいを体感できる構成となっている。

「特に好きな空間はありますか」と問われたポール氏は、「全部が好きなので、お気に入りはありません。それぞれの部屋に異なる背景があります」とコメント。ピカソへの敬意と遊び心が詰まった空間を、ぜひ会場で体感してみて。

ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ

会期 ~2026年9月21日
休館日 火曜日 ※ただし8月11日(火・祝)は開館、8月12日(水)は休館
会場 国立新美術館 企画展示室2E
住所 東京都港区六本木7-22-2
開館時間 10:00~18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
料金 一般 2,400円 / 大学生 1,400円 / 高校生1,000円 / 中学生以下は入場無料
主催 国立新美術館、パリ国立ピカソ美術館、日本経済新聞社、TBS、TBSグロウディア、テレビ東京
協賛 アビームコンサルティング、DNP大日本印刷
後援 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ、J-WAVE(81.3FM)、TBSラジオ
問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)

文=河西みのり
撮影=深野未季

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