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『(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO―新説/真説 コシノヒロコ―』が東京都現代美術館で開催中

  • 2026.6.27

「今推しの展覧会」

フリーキュレーターのSEIJIです!

最近は、美術館の展示に様々な工夫やサプライズを感じます。そんな美術館の現在をコラムにしてお届けする「今推しの展覧会」。今回、私をググッと惹き付けたのは世界的に著名なファッションデザイナーであるコシノヒロコの展覧会でした。

世界的なファッションデザイナーのコシノヒロコを紹介した注目の展覧会『(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO―新説/真説 コシノヒロコ―』が東京都現代美術館で開催中!

Photo by Tanguy Beurdeley

『(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO―新説/真説 コシノヒロコ―』は、日本のファッションと表現文化を牽引してきたコシノヒロコの創作を新たな視点からとらえた見ごたえ満点のすごい展覧会。

コシノヒロコの活動から浮かび上がるのは、既存のイメージに回収されがちな人物像、ブランド像を超え、実験性と批評性を内包しつつ、絶えず自己更新を続けてきたひとりの表現者としてのコシノヒロコの姿でした。

鑑賞者の五感に新鮮に響くように深く配慮された展覧会では、コシノヒロコのコレクション作品約200点と絵画作品約130点の作品を紹介。現代の感覚や価値観と強く共振する表現が厳選されています。

さらに、コシノヒロコが活動してきた移り変わる時代の社会状況や文化的文脈、同時代の芸術表現との関係性を重ね合わせながら、「なぜその表現が立ち現れたのか」「いまどのような意味を獲得しうるのか」を問い直しているのです。

《1983SS WOMEN’S READY-TO-WEAR HIROKO Mysterious》
Photo Direction 植原亮輔・渡邉良重・サリーン チェン Photographer 岡本充男 Hair&Make up Artist 石川ひろ子
《WORK#1989 「紀文大盡」舞台幕(長唄杵勝会全国大会歌舞伎座公演にて使用)》2019年

魅惑的な展覧会のみどころ

圧巻のコシノヒロコ・ワールド

半世紀を超えるキャリアのなかで生み出されてきた膨大なコレクションに加え、墨絵、水彩・油彩によるペインティング、タペストリー、歌舞伎座公演での歌舞伎の舞台幕、長唄の映像と、コシノヒロコが現在に至るまでに展開してきた多彩な表現が一堂に会しています!

世代を超えたコラボレーション

フランス・パリを拠点に活動する現代アーティスト、マティルド・ドゥニーズとのコラボレーション。コシノヒロコの過去のコレクションで用いられたアイテムやテキスタイルを取り入れた立体作品を制作し、時間と文化を横断する新たな対話を生み出しています!

原体験と未来への恩返し

自身の美学を育んでくれた祖父と母、そして未来への恩返しとして、2024年より始動した「ネクスト・クリエイション・プログラム こどもファッションプロジェクト」を監修。プロジェクトで制作した作品展示を通して、子どもたち一人一人の感性や才能とコシノヒロコの出会いを取り上げています!

マティルド・ドゥニーズ Photo by Claire Dorn

「ネクスト・クリエイション・プログラム こどもファッションプロジェクト」

「ネクスト・クリエイション・プログラム こどもファッションプロジェクト」とは、東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団が実施する子供向け芸術文化体験プログラムのこと。

ファッション分野では、コシノヒロコ監修、各分野の第一線で活躍するプロの指導のもとで、「こどもファッションプロジェクト」が実施。ファッションショーやファッションアカデミーなどを通じて、子供たちが楽しみながらファッションの世界を体験する機会を提供。

コシノヒロコの活動領域の広さとみなぎるパワーを感じますね。

提供:東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)

コシノヒロコ(HIROKO KOSHINO / ファッションデザイナー)とは

コシノヒロコは1937年に大阪の岸和田で生まれました。文化服装学院在学中に日本デザイナー協会デザインコンクールで1位を受賞。1964年には大阪の心斎橋にオートクチュール・アトリエを開設しました。

1977年以降、年2回東京コレクションに継続して参加。1978年には日本人として初めてローマのアルタ・モーダに参加し、その後パリ、上海など世界各地でコレクションを発表。

1995年に米国ワシントンD.C.で開催された国際アパレル連盟総会で、アジア代表デザイナーとして講演。また、異分野のアーティストとのコラボレーションを通じ、ファッションの領域を越えたイベントや表現活動を国内外で展開しています。

『HIROKO KOSHINO』をはじめとする複数のブランドのデザインを手がけるほか、近年はアーティストとしての活動にも注力し、国内外での個展を多数開催。

また、幼少期から親しむ三味線や邦楽の演奏をはじめ、絵画、墨絵、陶芸など多様な表現活動を継続しています。こうしたコシノヒロコの活動の全てに日本の美意識や伝統文化への深い関心と敬意が通底しているのです。

2013年には作品発表の拠点としてKHギャラリー芦屋を開設。さらに2017年にはデザイナー60周年記念書籍『HIROKO KOSHINO|it is as it is あるがまま なすがまま』を刊行。2021年に兵庫県立美術館にて「コシノヒロコ展」開催。受賞歴に、第15回毎日ファッション大賞(1997年)、大阪芸術賞(2001年)などがあります。

圧巻のキャリアとほとばしる活動のエネルギーを体感できるコシノヒロコの展覧会は見逃せません!

Photo by ZIGEN

「いいアートとの出会いは、きっとあなたの心を豊かにしてくれるでしょう」by SEIJI。

展覧会の期間は2026年7月26日(日)まで。展覧会の詳細は下記のURLからご覧ください。

https://hirokokoshino.com/unknown

プロフィール/SEIJI(小太刀正史)

フリーキュレーター。MeDEL個人事務所主催。学芸員の目線から美術館の情報を発信する活動を始める。自身もオブジェ作家として活動歴あり。

OBJECT東京展入選 From A The art日本オブジェ部門佳作 日本文化デザイン会議

ETDA展参加など。

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