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「建物公開2026 アニマルズ in 朝香宮邸」が東京都庭園美術館で開催中

  • 2026.5.30

「今推しの展覧会」

フリーキュレーターのSEIJIです!

最近は、美術館の展示に様々な工夫やサプライズを感じます。そんな美術館の現在をコラムにしてお届けする「今推しの展覧会」。今回、私をググッと惹き付けたのは美術館それ自体が貴重な芸術作品といえる東京都庭園美術館の展覧会です。

エドゥアール・ベネディクトゥス《ルレ 15枚の図版による42の装飾モティーフ》1930年 東京都庭園美術館蔵

みやびやかな空間で寛ぎの時間を堪能できる「建物公開2026 アニマルズ in 朝香宮邸」が東京都庭園美術館で開催中!

優れた英知がつくりあげたアール・デコの美しい館

フランスのパリで1920年代に全盛期を迎えていたのが、直線をつかった幾何学的で機能的なデザインが特徴のアール・デコの装飾様式。

当時のパリで開催されていたアール・デコ博覧会に触れた朝香宮鳩彦王・允子妃は、帰国後にアール・デコスタイルを取り入れた邸宅を建設したのです。

東京都庭園美術館 本館 正面外観

そして、この邸宅こそが現在の東京都庭園美術館の本館である旧朝香宮邸。この邸宅の主な部屋の装飾をてがけたのは、装飾デザインで著名なアンリ・ラパンやジュエリーデザインやガラス工芸で著名なルネ・ラリックなどの芸術家たち。全体の設計は宮内省内匠寮の技師が担い1933年に竣工しました。

東京都庭園美術館は、1983年に美術館として開館。以降、旧朝香宮邸の建物に注目した展覧会を開催しており、2026年は「アニマルズ」をテーマとして当館の建物の魅力を探っています。

実際に暮らしていたアニマルズが大集合

朝香宮邸の内装にはたびたび動物が登場しますが、実は、朝香宮邸に暮らしていたのは、朝香宮家だけではないのです。

なんと、白孔雀や鶴、犬、鶏、ウサギなど様々な動物たちが飼育されていました。当時の様子を記録した貴重な資料には、庭園を闊歩する白孔雀の姿も収められています。また、鹿や魚など動物たちがモチーフとして用いられた建物の室内装飾にも注目です。

さらに、新館では20世紀の西洋美術における多様な動物モチーフの作品をご紹介。可愛い動物、勇ましい動物、大きい動物、小さい動物など様々な動物たちが集合しました。

東京都庭園美術館 新館 カフェテラス席
フランソワ・ポンポン《シロクマ》1921-1924年 群馬県立館林美術館蔵
テオドール・マドセン(デザイン) ロイヤル・コペンハーゲン(製造)《ペンギン》 1902年頃 東京都庭園美術館蔵
レイモン・シャルメゾン《アーケード》『美しい庭園』 1919年 東京都庭園美術館蔵

ウインターガーデンの特別公開

旧朝香宮邸の最上階である3階に位置するのがウインターガーデン。白と黒の市松模様の床が印象的な本部屋は、2003年の修復後に一般初公開されて以降、展覧会によって限定公開される特別な空間なんです。

今回の展覧会でもウインターガーデンを公開。実際に入ることができるので、部屋の細部をじっくり鑑賞することができます!

東京都庭園美術館 本館 ウインターガーデン

国の重要文化財として稀有な芸術的価値をもつ「旧朝香宮邸」

庭園の新緑が美しい時期に開催されている同展では、普段は紫外線による劣化など展示されている作品保護のために閉められていることの多いカーテンを可能な限り解放。

旧朝香宮邸から庭園の美しい緑を堪能しながら、フランスのアール・デコのデザインと日本の意匠が融合した同館の美しさを五感で楽しむことができます。

東京都庭園美術館 本館 南面外観
東京都庭園美術館 芝庭

1933(昭和8)年に皇族朝香宮家の自邸として建てられた現在の東京都庭園美術館は、当時、世界的に流行したアール・デコの精華を積極的に取り入れた建物であり、全体の基本設計を担当した宮内省内匠寮の技師、権藤要吉も西洋の近代建築を精力的に研究し、その設計に取り組んだのだとか。

さらに実際の建築にあたっては、日本古来の高度な職人技が随所に発揮されており、朝香宮邸は、朝香宮夫妻の熱意と、日仏のデザイナー、技師、職人が総力を挙げて作り上げた芸術作品と言っても過言ではない建築物となっています。

2015年には旧朝香宮邸は意匠的に優れており、宮内省内匠寮による邸宅建築の頂点のひとつとして価値が高いことから、国の重要文化財に指定されました。まさに建物自体が日本を代表する貴重な文化財なんですね!これはすごい。

さらに、2021年4月には、「東京都庭園美術館条例」が施行され、都立文化施設として新たなスタートを切りました。

都心の中に悠然と広がる庭園は宮邸時代の面影を残しており、芝生で覆われた開放感のある芝庭と、ベンチが配された寛ぎの空間で春には桜が楽しめる「西洋庭園」、築山と池を備え起伏に富んだ日本庭園は、紅葉など四季折々の変化を楽しめます。

東京都庭園美術館 茶室外観 撮影:大倉英揮(黒目写真館)

唯一無二と呼べる高貴な建築空間と都会にある豊かな自然という、東京都庭園美術館ならではの特徴を存分に堪能できる、またとない機会をお見逃しなく。

「いいアートとの出会いは、きっとあなたの心を豊かにしてくれるでしょう」by SEIJI。

展覧会の期間は6月14日(日)まで。展覧会の詳細は下記のURLからご覧ください。

https://www.teien-art-museum.ne.jp/

プロフィール/SEIJI(小太刀正史)

フリーキュレーター。MeDEL個人事務所主催。学芸員の目線から美術館の情報を発信する活動を始める。自身もオブジェ作家として活動歴あり。

OBJECT東京展入選 From A The art日本オブジェ部門佳作 日本文化デザイン会議

ETDA展参加など。

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