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終業式の日、笑顔だった1年生が涙をこらえた理由…元教員が「忘れられない」と語る“最後のお別れ会”

  • 2026.7.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。元小学校教員ライターの、みずいろ文具です。

学校では、毎年たくさんの出会いと別れがあります。

特に1年生にとって、入学してからの数か月は大きな変化の連続です。

今回は、1年生を担任していたときに経験した、終業式の日の忘れられない出来事をお話しします。

1学期末で転校することに

クラスに、Kさんという女の子がいました。

明るく活発で、友達との関わりも上手な子でした。

自分の考えをしっかり伝えられる一方で、困っている友達に気づくやさしさもあり、自然と周りに人が集まるような存在でした。

そんな7月のある日、Kさんの保護者から連絡がありました。

「仕事の都合で、1学期いっぱいで転校することになりました」

まだ入学して4か月ほど。

ようやく学校生活にも慣れ、友達との関係も深まり始めた頃です。

担任としても、Kさんがこれからどんな成長を見せてくれるのか楽しみにしていただけに、とても残念でした。

子どもたちが考えたお別れ会

Kさんの転校をクラスの子どもたちに伝えると、教室は一気に寂しい空気に包まれました。

「え、もう会えないの?」
「お手紙書いてもいい?」

そこで、終業式の日にKさんのお別れ会を開くことにしました。

とはいえ、1年生です。

子どもたちだけで会を企画し、準備し、進行するのはまだ難しい部分もあります。

そのため、担任である私もかなり関わりながら、準備を進めていきました。

お別れ会で何をするか、思いをどうやって伝えるか。
子どもたちなりに一生懸命考えていました。

そして、みんなで手紙を書くことにしました。

一人ひとりがKさんへのメッセージを書き、それを一冊に綴じてプレゼントすることにしたのです。

1年生なので、文字を書くことにも時間がかかります。

「Kちゃん、だいすきだよ」
「いっしょにあそんでくれてありがとう」
「あたらしいがっこうでもがんばってね」

覚えたてのひらがなが並ぶ中に、それぞれの思いが込められていました。

終業式の日のお別れ会

そして迎えた終業式の日。

帰りの準備を済ませたあと、教室でささやかなお別れ会を開きました。

子どもたちは、一緒に歌を歌ったり、ゲームをしたりしました。

Kさんは、いつものように明るい表情で、会に参加していました。

「ありがとう」
「みんな、さみしいんでしょ~」

そう言ってにこにこと笑い、会は和やかに進んでいきました。

最後に、学級全員からの手紙を渡すときがやってきました。

代表の子が「今までありがとう。転校した先でもがんばってね」と言って、Kさんに渡しました。

Kさんは両手でそれを受け取ると、少し黙って、クラスみんなの写真が貼ってある色とりどりの表紙をじっと見つめていました。

すると、それまで笑顔だった表情が、少しずつ…

口元がへの字になり、目がうるんでいったのです。

でも、彼女は泣きたくなかったのでしょう。一生懸命涙をこらえているのが分かりました。

その表情を見た瞬間、私も胸が締めつけられるようでした。

たった4か月だったけど

入学してから、まだ4か月ほど。
大人から見ると、短い時間です。

けれど、1年生の子どもたちにとっては、とても濃い時間でした。

入学式、初めての給食、勉強、運動会。

一つひとつが、子どもたちの中に大切な記憶として積み重なっています。

Kさんにとっても、この教室で過ごした時間は、きっと大切なものだったのだと思います。

大人びているように見えても、やはりまだ小さな1年生です。

みんなからの手紙を受け取った瞬間、寂しい気持ちが一気にあふれそうになったのかもしれません。

お別れ会は、笑顔の中に少しだけ寂しさが混じった、忘れられない時間でした。

出会いと別れが子どもを育てる

学校では、こうした出会いと別れが繰り返されます。

Kさんを見送ったあの日、子どもたちは友達のために何ができるかを考え、思いを伝え、別れの寂しさを受け止めようとしていました。

その姿に、1年生なりの成長を感じました。

学校生活の中で起こる出来事は、大人から見れば小さなことに見えるかもしれません。

けれど、子どもたちにとっては、一つひとつが心に残る大切な経験です。

お別れ会で、Kさんが涙をこらえたあの表情を、私は今でもよく覚えています。

学校で繰り返される出会いと別れが、子どもたちの心に刻まれ、少しずつ成長へとつながっていくのだと思います。



ライター:みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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