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保護者「あなたの指導力不足では?」授業参観後に責められた若手担任→抱えていた“見えない苦悩”に涙

  • 2026.7.16
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。元小学校教員ライターの、みずいろ文具です。

7月になると、1学期最後の参観懇談が行われることがあります。

保護者が我が子の様子を緊張しながら見守る一方で、参観日は担任にとっても緊張する日です。

しかし、なぜかこういう日に限って、いつも以上に落ち着かない様子を見せる子もいます。

今回は、ある若手の先生が経験した、忘れられない参観日の出来事をお話しします。

落ち着かない児童への対応に悩んでいた

ある2年生の学級でのことです。

担任のC先生は、教員になって3年目の若手の先生でした。

明るく一生懸命な先生で、子どもたちにも丁寧に関わっていました。

けれど、その年の学級には、対応に苦慮している児童がいました。

Dくんです。

Dくんは、年度が始まって少ししてから、落ち着かない様子を見せるようになりました。

離席して周りの子にちょっかいをかけることが増えていきました。

もちろんC先生も、放っておいたわけではありません。

席の配置を工夫したり、個別に声をかけたり、活動の見通しを持てるようにしたりと、できることを一つひとつ試していました。

それでも、すぐに状況が落ち着くことはありませんでした。

Dくんの行動の背景に何があるのかを探りながら関わっていくには、時間が必要でした。

参観日でも変わらなかった姿

そんな中、7月の参観懇談の日を迎えました。

1学期最後の参観です。

保護者が見守る中、子どもたちは緊張しながらも授業に参加していました。

しかし、Dくんの様子は普段と大きくは変わりませんでした。

途中で席を立つ。
友達に話しかける。
授業とは違うことをしようとする。

C先生は、そのたびにさりげなく声をかけ、なんとか授業を進めようとしていました。

けれど、参観に来ていた保護者から見れば、落ち着かない様子はどうしても目に入ります。

「いつもこんな様子なんだろうか」
「このままで大丈夫なのか」

そう感じた保護者がいたとしても、不思議ではない状況でした。

懇談後に担任へ向けられた言葉

授業後の懇談会が終わったあと、一人の保護者がC先生に声をかけました。

「少し個別にお話しできますか」

内容は、Dくんのことでした。

その保護者は、かなり強い口調で話し始めました。

「他の子の迷惑になっていますよね」
「今年こうなったのは、担任である先生の指導力不足ではないですか」

C先生は、Dくんへのこれまでの対応や、学級全体への配慮について説明しようとしました。

しかし、なかなか受け止めてもらえませんでした。

自分の子どもが落ち着いた環境で学べているのか、心配になるのは親として当然です。

ただ、その言葉は、若手の担任にとってかなり重いものだったと思います。

「指導力不足」

この一言は、C先生の心に深く突き刺さってしまいました。

職員室に戻ったあと、静かに肩を落として涙するC先生の姿が今でも忘れられません。

私を含めた周りの教員も、C先生の負担を何とか減らしたいと動いていましたが、もっとできることはなかったものかと心を痛めていました。

担任も見えないところで悩んでいる

保護者の方が参観日に見ているのは、学校生活のほんの一瞬です。

その一場面から、違和感や不安を抱くこともあるかもしれません。

けれど、その裏側で担任がどれだけ試行錯誤しているかは、見えることはありません。

C先生は、どうすればDくんと周りの子どもたちが安心して過ごせるのか、毎日のように悩み、手立てを考えていました。

けれど、強い言葉を受け続ける中で、心の余裕は少しずつ削られていきました。

この一件だけが原因だったとは言い切れませんが、C先生は夏休み明けから心身の調子を崩し、しばらく学校を休むことになったのです。

責めるより、同じ方向を向くために

学級の様子が落ち着かないとき、保護者が心配になるのは当然です。

ただ、その伝え方が担任個人を責める形になってしまうと、問題解決から遠ざかってしまうことがあります。

大切なのは、誰か一人を悪者にすることではありません。

同じ「子どもたちのため」という方向を向いて話し合うことが必要なのだと思います。

参観日に見えた一場面の奥には、担任の見えない苦悩や努力があるかもしれません。

学校と家庭が互いを責め合うのではなく、子どもたちのために手を取り合える関係をつくること。

それが、学級の困りごとを乗り越えていくために、何より大切なのではないでしょうか。



ライター:みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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