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「すみません、すぐに着替えます」海辺の駅で夏に急増する乗客に、現役駅員がヒヤヒヤしたワケ

  • 2026.7.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージ)

皆さま、こんにちは。現役鉄道会社社員の福本明文です。

間もなく夏本番を迎え、これから海や山へ出かける計画を立てている方も多いのではないでしょうか。そんな夏の足音が聞こえてくる時期になると思い出すのが、筆者がかつて海辺の駅へ応援勤務に行った際の混雑ぶりと少し困ったお客様たちの姿です。

今回は、筆者の実体験をもとに、海の駅ならではの夏の混乱模様をご紹介します。

海水浴客で賑わう駅でのトラブル…

筆者が応援勤務で訪れたのは、目の前に人気スポットの海水浴場が広がる海辺の駅でした。

夏休みシーズンに突入すると、駅は朝から晩まで大変な数の海水浴客でごった返します。電車に乗って海へ遊びに来る層は、学生などの若いグループが多い印象でしたが、荷物を持った家族連れの姿も目立ちました。また、近年は外国人観光客の方々が海水浴に訪れるケースも非常に多く、駅構内にはさまざまな言語が飛び交っていたのが印象に残っています。

そんな熱気あふれる駅で、駅員としてまず対応に難儀したのが酔客の方々です。

「せっかく電車で海に来たのだから、ビーチでお酒を思い切り楽しもう!」という気持ちはわからなくもありません。しかし、まだ外が明るい夕方の段階で、足元もおぼつかないほど泥酔し、友人たちに両脇を抱えられながらなんとか電車に乗り込もうとする姿は、対応する側としては本当にヒヤヒヤしたものです。

水着で乗ろうとするお客様

そして、海辺の駅ならではの最も困ったトラブルが、水着のまま電車に乗ろうとするお客様の存在です。

鉄道会社の旅客営業規則などの規定の中に、こういう服装で乗車してはいけないという明確なドレスコードが明記されているわけではありません。しかし、濡れた水着のまま電車に乗り込むと、車内の床が水浸しになり、他のお客様が座る座席のシートまで濡らしてしまいます。

これは「車内を汚損する」「他のお客様にご迷惑をおかけする」という点で規定違反となる場合があるため、発見した際はお声がけをし、必ず服に着替えてからご乗車いただくようお願いしていました。

JR東日本の旅客営業規則をはじめ、筆者の勤務先を含め各社おおむね同様の規定が設けられています。

濡れた座席はどうなるのか

実際に、乗務員から濡れた水着で座られてしまった座席のその後の対応について聞いたことがあります。

通勤電車などの座席は布製のモケットシートであるため、濡れた水着で座ると水分をたっぷりと吸収してしまいます。後から乗ってきたお客様がそれに気づかずに座って服が濡れたというトラブルになるケースがありました。

運行中にシートが濡れていることが判明した場合、乗務員はこれ以上被害が広がらないよう、その座席の上に専用の防水シートを被せ、応急的に使えるようにする対応に追われます。

さらに、濡れてしまった座席はそのままにしておくわけにはいきません。列車が車庫に入った後、整備担当者が濡れた座席のクッション部分を座面ごと取り外し、洗浄・乾燥させるか、予備のシートと交換するという清掃作業が発生するのです。

楽しいときこそ冷静に

海水浴という非日常の空間でテンションが上がり、さらにお酒も入ったりすると、つい周りが見えなくなってしまうことがあるのかもしれません。

筆者が実際にお声がけをして対応した水着姿の人たちも、直接お話ししてみれば素直に「すみません、すぐに着替えます」とすんなり理解してくれる方が多く、決して悪気はなく、その場のノリと解放感でやってしまったのだろうと想像できました。

楽しい夏のレジャーだからこそ、どうか少しだけ冷静になり、ご自身の振る舞いが周囲に迷惑をかけていないか振り返ってみてください。

参考:旅客営業規則(JR東日本)


ライター:福本明文
大学卒業後、鉄道会社に総合職として入社し、同業界に15年以上従事。鉄道部門だけでなく、タクシーやバス、小売りといった関連事業にも幅広く携わる。現在はWebライターとしても、広報を担当した経験を活かし、コラム記事の執筆からSNSへのコンテンツ提供まで多岐にわたって活動中。


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