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「不満なら仕事やめろ!」キレる夫、家を出た私。救ってくれたのは『名も知らぬおじいさん』だった

  • 2026.6.26

育児と仕事の両立でひどく追い詰められていたA子さんは、子供と一緒に毎朝すれ違うおじいさんのたった一言に、こらえていた涙が思わず溢れでて──。

画像: ftnews.jp
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名前も知らない、おじいさん

少し前、育児と仕事の両立に、ひどく消耗していた時期がありました。

そんな頃、毎朝子供を保育園へ連れて行く際に、決まってすれ違うおじいさんがいたのです。

雨の日も晴れの日も、決まって「おはようさん、いってらっしゃい」と笑顔で声をかけてくれる、名前も知らないおじいさん。

感じの良い方だなとは思いながら、「知らない人だし……」と、きちんと挨拶を返すでもなく、なんとなく会釈だけで済ませていました。

夫と大喧嘩

ある朝、夫と大喧嘩した私。
きっかけは些細なことだったのですが、日頃から抱いていた、家事や育児の分担に関しての不満が爆発してしまいました。

とはいえ、忙しい朝の時間帯。
子供を保育園に送らなくてはならず、長々と言い合ってはいられません。

「そんなに大変なら、仕事なんてやめればいいだろ!」
という夫の言葉を背に家を出ましたが、腹が立つやら悲しいやらで、とても冷静ではいられませんでした。

「お母さん、いつも頑張ってるね」

感情の整理ができぬまま、子どもの手を引いて歩いていると、例のおじいさんが通りかかり、声をかけてくれました。

「今日もいいお天気やね、お母さん、いつも頑張ってるね」

「あ……」

なぜだか、その瞬間──こらえていた涙がこぼれました。

事情を知るはずのないおじいさんの、いつもと変わらない挨拶が、この日はやけに温かく感じたのです。

「頑張ってるね」なんて言ってもらえないのに、頑張らなくてはならない毎日。
そんな日々に疲れていた私の心を、おじいさんの優しい一言が、癒してくれたように思いました。

親愛なる「おはようさん」

それから私は、おじいさんを見かけると、自分から声をかけるようになりました。
そのうち、立ち話をするようになり、彼がこの近所に長く住んでいる方なのだと知りました。
お名前も教えてもらったのですが、私はこのおじいさんのことを、心の中で「おはようさん」と呼ぶことにしました。

おはようさんとの会話は、いつも短いものでしたが、その数分が、忙しない朝の中で、ほっと息をつける時間になっていました。

しばらくして、私たち家族は引っ越すことに。

そのことを話すと、おはようさんはにっこりと笑ってこう言いました。
「元気でね、あんたはええお母さんだから、どこに行っても大丈夫だよ」

新しい環境への不安はありましたが、おはようさんの言葉がとても嬉しく、「頑張ろう」と思えたのでした。

見知らぬ人のさりげない優しさが、誰かの傷ついた心を癒すこともあります。
私も、あのおじいさんのように、誰かの「おはようさん」になれたらいいな、なんて思うのでした。

【体験者:30代女性・兼業主婦、回答時期:2026年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。

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