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国宝級の「完璧な顔」を持つトップアイドル。殺し屋から二重人格、危険な若者…「外見」を手放した新境地

  • 2026.7.17
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

山田涼介はHey! Say! JUMPの一員として2007年にメジャーデビューして以来、ステージの上で爽やかさと華やかさをまとってきた。グループのステージで見せる歌とダンス、屈託のない笑顔は、多くの人が思い浮かべる山田涼介像だろう。ところが俳優としての出演作を並べてみると、そこに現れるのは殺し屋や二重人格、危険な若者など陰のある役が見えてくる。結果として並んだ役柄の振幅が、アイドルの光を基準点にしたとき驚くほど大きい。その落差こそが、俳優・山田涼介を読み解く鍵になる。

光から最も遠い殺し屋 『グラスホッパー』

2015年は俳優・山田涼介にとって転機の年だった。デビューから8年、アイドルとしてのイメージが固まりつつあった時期である。3月公開の『暗殺教室』で映画初主演を果たした。そして同年11月、伊坂幸太郎原作、生田斗真主演の映画『グラスホッパー』で、ナイフ使いの若き殺し屋「蝉」を演じる

ステージ上の爽やかさから最も遠い場所にある役柄であり、アイドル像との最初の大きな落差だった。人を傷つける側の人間を、爽やかさの象徴のような存在が演じる。その緊張感自体が、この作品の見どころのひとつになった。本人もこの役について、キラキラしているだけではない部分を出せたと語っている。

評価も両側から届いた。『暗殺教室』で第39回日本アカデミー賞新人俳優賞を、『グラスホッパー』で第25回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。光の側の少年と影の側の殺し屋、その両方で新人賞を手にしたことになる。

一作の中で反転する 『親愛なる僕へ殺意をこめて』

2022年、フジテレビ系の連続ドラマ『親愛なる僕へ殺意をこめて』では、その落差が一作の中に凝縮された。山田が演じたのは、心優しい青年・浦島エイジと、彼の中に潜むダークで恐ろしいもうひとりの人格「B一」。二重人格という設定のもと、一人二役で爽やかさと恐ろしさを反転させ続ける役どころだ。

同じ顔立ちのまま、声の温度、視線の据え方、間の取り方だけで別人に見せなければならない。連続ドラマという形式の中で、その切り替えは毎話繰り返される。アイドルの顔を知る視聴者ほど、B一の恐ろしさは強く刺さる。基準点となる光が明るいほど、影は濃く映るからだ。爽やかな顔と底知れない顔が同じ肉体の上で入れ替わるこの作品は、山田涼介という俳優のテーマを最も端的に見せた一本と言っていい。

危うさと哀しさ 『BAD LANDS バッド・ランズ』

映画『BAD LANDS バッド・ランズ』で演じたのは、安藤サクラが演じるネリの弟・矢代穣、通称ジョー。特殊詐欺を生業とする姉弟という役どころだ。監督の原田眞人はこの人物を「切なく危険な若者」と評した。殺し屋のような明快な悪でも、別人格のような装置的な影でもない。日常と地続きの場所にいる、危うい若者である。

単純な悪役ではない。危うさの奥に哀しさが透けて見える人物であり、それまでの殺し屋や別人格といった輪郭のはっきりした「影」から、善悪で割り切れない領域へと表現が広がった一作だった。姉であるネリとの関係の中で見える幼さや寄る辺なさが、危険さと同居する。監督の言う「切なく」の部分が、この役の核だと言っていい。爽やかさの対極というより、その手前で揺れる人間の不安定さを引き受けた役と言える。

暴力から沈黙へ 『サイレントラブ』

2024年公開の『サイレントラブ』では、影の質そのものが変わる。演じたのは、過去をきっかけに声を発するのをやめた青年・沢田蒼。殺し屋の刃や別人格の狂気のような外へ向かう闇ではなく、言葉を失った人間の痛みと閉塞という、内へ沈み込む影だ。ただ黙っている人間の内側を、表情と身体だけで観客に手渡す仕事だ。

台詞に頼れない分、視線と沈黙で感情を運ぶ必要があり、振幅は「激しさ」の方向だけでなく「静けさ」の方向へも伸びたことになる。外へ噴き出す闇から、内に降り積もる影へ。役柄の系譜をたどると、表現の重心が静かに移っていることがわかる。これが俳優・山田涼介の現在地だ。

光があるから、影は深く見える

こうした役づくりのひとつとして、山田は外見から手をつける方法をとることがある。役に応じてひげをたくわえ、暗い色のファンデーションを使い、目元を隠す。アイドルとして身についた「かっこつけたい」という気持ちを、演技の上では手放すのだという。外見を変えることは、内面へ入るための入口でもあるのだろう。

真逆の役を選び続けた、と言い切ることはできない。それでも出演作を時系列に並べたとき、殺し屋から二重人格、危険な若者、声を捨てた青年へと連なる線は、光と影のあいだを往復する大きな振幅として立ち上がり、その振幅こそが俳優・山田涼介の輪郭を形づくっている。

ステージの上の爽やかさと華やかさ、その光が基準点として強く輝いているからこそ、スクリーンやドラマの中の影は一層深く見える。二面性という言葉で光と影を切り分けるより、その両方を同じひとりの表現の幅として抱えていること。それが、アイドルであり俳優である山田涼介のいちばんの見どころだろう。ステージと画面のあいだで積み重ねられてきた振幅は、これからも更新されていくはずだ。


※記事は執筆時点の情報です

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