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『時をかける少女』公開20周年! 細田守×染谷将太が語る、「作らずにはいられなかった」創作活動の原点

  • 2026.6.24

2026年6月20日 (土)~8月31日(月)、東京・京橋のCREATIVE MUSEUM TOKYOにて映画監督・細田守の映像世界を体感する展覧会「細田守の原点/展」が開催されています。

開幕前日となる6月19日には、細田守監督と細田作品に4度の出演経験を持つ俳優・染谷将太さんが登壇し、作品に込められた想いや展示会の魅力、それぞれの「原点」について語るオープニングイベントが開催されました。

▼「細田守の原点/展」会場レポートはこちら https://woman.mynavi.jp/article/260624-3_12300425-3/

■細田守監督×染谷将太が語る作品の魅力とは? 知られざる撮影の裏側も

細田監督と染谷さんはシックなスーツに身を包んで登場し、イベントは和やかな雰囲気で始まりました。お二人の初対面は、映画『おおかみこどもの雨と雪』のオーディションだったのだとか。細田監督は「あの日は午後から(『おおかみこどもの雨と雪』の)制作発表があって、終わってその足で四谷のスタジオに行って。染谷君が“四谷のスタジオまで1人で歩いてきた”という話を聞いて、すごい出来る人なんじゃないかなと(笑)。それがすごく印象的でした」と当時の思い出を語ります。

当時19歳だった染谷さんには、オーディションでは「おおかみおとこ」と「雨」の二役を演じてもらったそう。「ちょうど年齢の合う役が物語になくて。でも、オーディションが終わったあとに出ていただきたいなと思って、小学校の先生の役をお願いしました」と意外な起用理由も明かされました。

染谷さんは、『おおかみこどもの雨と雪』について「参加できてうれしかったですし、撮っていく最中の積み上げ方というか、その場を包み込むように一人一人役者さんに対して向き合う姿勢がすてきで、自分もそうやって演出してもらえた時間が幸せでした」と振り返ります。

その後、直接オファーを受けたという『バケモノの子』主人公・九太役については「驚きました。主人公として成長していく様を演じられるというのと、現場で監督と素敵な役者さん達が九太を見守っている、という作品のような景色がスタジオにも広がっていて。みんなで作り上げる感じがして、めちゃくちゃ楽しかった」と語ります。

続いて細田作品の魅力についても聞かれると、「エンターテイメントとして楽しめることは大前提に、人々の変化と時代の変化っていうのが伴って表現されているところが自分の胸に響くんですよね。

『おおかみこどもの雨と雪』の時は子どもがいなかったけど、家族を持って見返すと、全く違う感覚で見れて。世代を超えていろいろな方が見て、いろいろな捉え方ができるけど、ぶれない信念があるっていうのがすごく胸に響きます。毎回はっとさせられると言いますか、新たな感動を得ていく感覚をもらえている」と熱弁しました。

「人々の変化や時代の変化」について、細田監督は「いつも作品を作っていて思うんですが、時代とともに変わっていくものは確実にあって。でもそれと同時に、時代を経ても変わらないものもある」と話します。

「特に『時をかける少女』は昔からある物語で、たくさん映画化された経緯があって。その中で、時代ごとに変化するものと原作から変わらないものがある。それはなんだろうってことを『時をかける少女』を制作する際に考えていました。

サマーウォーズ以降も、変わっていくことと変わらないことを意識して映画を作るようになっています。サマーウォーズも15,6年前の話なんですけど、“AIと僕らの関係性”みたいなことは今まさに僕らが直面していることだったりするじゃないですか。作られた時代を感じるのは当然として、それ以上に時間が経ってもまた何か、ちょうど時代が巡ってきて同じようなことを映画から発見することがあるっていうのは映画の面白さじゃないかな」と映画作りへの考え方を明かしました。

■「作らずにはいられなかった」創作活動の原点

今回の展示会では、細田監督が中学時代に8ミリフィルムで自主製作した映画も放映されています。

展示について、細田監督は「むちゃくちゃ恥ずかしい」と一言。「中学生の時に書いた文章を人に読ませられますか?」と照れ笑いしながら、「恥ずかしいけれど、恥ずかしさも含めて“原点”という展覧会なので。このタイトルじゃなきゃ絶対出していないような、出さざるを得なくなった作品」と語りました。

既に作品を観たという染谷さんは「すごかったです。見させていただいたんですけど、中3で作れるのもそうですし、本当に映画になってたから……。しかも出てくるモチーフが今の監督の作品にもつながっていたりして、鳥肌が立ちました」と絶賛。

細田監督も染谷さんの感想を聞いて、「作品を作るごとに前の作品を忘れて新しい作品に取り組むという姿勢でやってきたのですが、振り返るとやっぱり龍のモチーフが出てきていたり、三つ子の魂百までじゃないですけどそういうものがあるかもしれないですよね」とうなずいていました。

また、当時作品をどんな思いで制作したかについては「アニメを自分でも作ってみたかった。当時、44年前ですけど、NHKの番組で自主製作を行う高校生・大学生を特集する映像を見て、羨ましくて作らずにはいられなかった」と創作活動の原点を振り返りました。

近年、自身でも映画を撮影されている染谷さん。“撮る側”としては「自分はそんなに大それたことをいえる人間ではない」と謙遜しながら、「自分も学生の時に同級生と自主映画を撮ったりしていたので、何かを作ってみたい、産み出してみたいという欲求が強い学生時代を送っていた。そこから職業として今も役者を続けているのが、自分の原点も(監督同様に)映画が好きだった少年時代から変わっていないという部分が共感できてうれしかった」と自身の原点についてコメント。

細田監督も「作りたいっていう衝動って抑えきれない。誰に頼まれる、褒められるとかじゃないけど、作らずにはいられないという気持ちが今まで続いている。若い人がこれを見て自分でもやりたい、やっていいんだ、やもっとうまくやるぞ! と刺激になればいいな」と想いを込めました。

トークセッションの最後は、お2人から展覧会についてメッセージ。染谷さんは、「子どもから大人まで楽しめる展示でした。監督の本当の原点から見れる機会はなかなかないと思うので、ぜひこの展示に足を運んでいただけたら嬉しいなと思います」

細田監督は「こういう機会をつくっていただいて、振り返ると時をかける少女を作っていたときの気持ちをありありと思い出して。その先どうなるかわからないまま、いいものにしたいと作っていたときの気持ちを改めて思い出しました。そういった意味でも時をかける少女はひとつの原点だったし、学生時代から子どもの頃も含めてずっと自分の中で一貫しているものがあるんじゃないかなと振り返って思いました。

やっぱりそういう『時かけ』の真琴っていう主人公のバイタリティ、みずみずしさ、若々しさや『サマーウォーズ」『おおかみこども』の家族や親せきのわいわいした感じとか、そういうものを含めてずっと描きたいと思ってやってきた。ご家族連れでいらしてもちょうどいい展覧会かもしれないし、ご自身の若い頃を思い出しながら見ていただくといいかなとも思うし、色んな楽しみ方をしてもらえたら」とメッセージを送りました。

「細田守の原点/展」は『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』を中心に、絵コンテ、レイアウト、原画、背景美術などの300点以上が制作資料を過去最大規模で展示され、映画のシーンを思い出すような臨場感あふれる体験を楽しむことができます。作品の裏側もたっぷり展示されているので、ぜひ足を運んでみてくださいね。

■開催概要

東京会場 期間:2026年6月20日 (土)~8月31日(月) 場所:CREATIVE MUSEUM TOKYO[東京・京橋](東京都中央区京橋1丁目7番1号 TODA BUILDING 6階) 時間:10:00~18:00(最終入館 17:30まで)※ただし、毎週金・土曜日および祝前日、8/11(火)~8/14(金)は20:00閉館(最終入館19:30) 公式サイト:https://hosodagenten.exhibit.jp

©細田守の原点/展

(取材・文:五十嵐紫月/マイナビウーマン編集部)

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