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「お盆玉くれよ」とねだる遠縁の親戚。だが、私の皮肉で恥をかいた瞬間

  • 2026.6.24

名前も知らない遠縁の口癖

お盆の帰省は、毎年気が重いものでした。

広間に親族が集まると、決まって声をかけてくる男性がいるのです。

「お、元気にやってるのか?」

けれど私は、その人の名前すら知りません。

年に一度、この集まりでしか顔を合わせず、顔と名前も一致しないほど遠い関係でした。世間話の体裁すら数秒で崩れます。

「お盆玉くれよ」

毎年これでした。子どもにあげるお盆玉を、いい大人が当たり前のように要求してくるのです。私はそのたびに、愛想笑いでやり過ごしてきました。

「いやだ、もう。逆にこっちがもらいたいくらいですよ」

角が立たないように、冗談めかして流す。

それが私の精一杯でした。けれど相手は引くどころか、毎年同じ台詞を繰り返すのです。

愛想笑いをやめた夏

その年も、彼はビール片手に近づいてきました。

「今年もお盆玉くれよ。気が利くだろ、お前」

私はグラスを置いて、まっすぐ彼を見ました。もう、愛想笑いはしないと決めていたのです。

「いい大人がもらう側でしょ」

「むしろ、こちらがいただきたいくらいです」

場の空気が、一瞬止まりました。

彼は「いや、それは……」と言いかけて、続きを飲み込みます。グラスを持つ手が、所在なげに宙を彷徨いました。

「だって、お年玉もお盆玉も、子供にあげるものですよね。どちらが大人か、決めましょうか」

そう微笑むと、近くにいた叔母がぷっと吹き出しました。

「ほんとよ、毎年たかってるの、あなたじゃない」。

続けて従兄が「言われてるぞ」と笑い、広間に笑い声が広がっていきます。

彼の顔から、笑みが消えていきました。耳まで赤くして、「冗談だよ、冗談」と小さく繰り返し、そそくさと座を離れていったのです。

翌年からの静かな変化

翌年のお盆、彼は私と目が合うと、わずかに視線を逸らしました。もう「くれよ」とは言いません。

「……元気か」

ぼそりとそれだけ言って、足早に通り過ぎていく。あれほど図々しかった人が、私の前では妙にかしこまるようになったのです。

叔母が隣で囁きました。「あの一言、効いたわねえ」。私は小さく頷きました。

言うべきことを、笑顔の裏に隠さない。たったそれだけで、毎年のモヤモヤが嘘のように消えた夏でした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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