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ほのぼの童話が一転ホラーに!?最後のひと言で見えていた景色が変わる、アリとキリギリスのその後【作者に聞く】

  • 2026.6.24
食べ物を乞うキリギリスにアリがスープを振る舞う…心温まるはずの場面なのだが…。 画像提供:伊東(@ito_44_3)
食べ物を乞うキリギリスにアリがスープを振る舞う…心温まるはずの場面なのだが…。 画像提供:伊東(@ito_44_3)

ラストを知った瞬間、それまで見ていた世界が少しだけ違って見える。そんな“考えるほど怖い”5コマ漫画を発表している伊東(@ito_44_3)さん。今回は、童話「アリとキリギリス」を題材にした作品「ウミガメのスープ」を紹介する。

誰もが知る童話を不穏にアレンジ

ウミガメのスープ01 画像提供:伊東(@ito_44_3)
ウミガメのスープ01 画像提供:伊東(@ito_44_3)
ウミガメのスープ02 画像提供:伊東(@ito_44_3)
ウミガメのスープ02 画像提供:伊東(@ito_44_3)
ウミガメのスープ03 画像提供:伊東(@ito_44_3)
ウミガメのスープ03 画像提供:伊東(@ito_44_3)

今回の作品は、水平思考クイズとして知られる「ウミガメのスープ」の小話が元ネタになっているという。ウミガメのスープとは、参加者が質問を重ねながら真相へたどり着く推理ゲームのこと。本作では、その不穏な空気感を「アリとキリギリス」に落とし込んでいる。

夏の間、アリは冬に備えてせっせと食料を運ぶ。一方のキリギリスは「まだ夏は始まったばかり」と気楽に過ごし、歌や演奏を楽しんでいた。誰もが知るおなじみの導入だ。

優しさだと思っていたのに…

やがて冬が訪れ、食べ物に困ったキリギリスはアリのもとを訪れる。「アリさん、僕が悪かったよ。食べ物を分けてくれ」と頭を下げると、アリは快く迎え入れてくれた。

さらに、「さっき僕らの仲間も食べ物をもらいに来たと思うけど」と尋ねるキリギリスに対し、アリは「彼らも巣に招いてあげたよ」と答える。そして温かいスープを振る舞うのだった。「アリさんは優しいな。こんなおいしいスープを飲んだことない」

空腹を満たしたキリギリスは満足そうにつぶやく。しかし、その直後にふと気づく。「先に招かれたという仲間は今どこに?」と。

答えがわかった瞬間ホラーに変わる

作品には「皆にも振る舞ったさ」「やっぱりアリさんはお仕事熱心なんだねぇ」など、結末を察した読者からのコメントが寄せられた。

伊東さんは普段から「アリとキリギリス」のほか、「桃太郎」や「鶴の恩返し」など昔話をモチーフにした作品を数多く描いているという。最近では「舌切り雀」を題材にした漫画が大きな反響を集めた。多くの人が内容を知っている物語だからこそ、少し設定をずらしただけで強い違和感が生まれるのだろう。

かわいい絵柄との落差もすごい

本作のおもしろさは、恐怖を前面に押し出していないところにある。柔らかな絵柄と穏やかな会話が続くため、読者は自然とアリの優しさを信じてしまう。しかし最後のひと言で、それまでの出来事がまるで別の意味を持ち始める。

何も描かれていないはずなのに、頭の中だけで勝手に怖くなっていく。そのシュールさと不気味さこそが、本作の魅力と言えそうだ。

■取材協力:伊東(@ito_44_3)

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