1. トップ
  2. エピソード
  3. 「残りものだけど食べなよー」と妊婦の私に弁当を渡してきた義母→夫が怒ってくれた理由とは

「残りものだけど食べなよー」と妊婦の私に弁当を渡してきた義母→夫が怒ってくれた理由とは

  • 2026.6.24
「残りものだけど食べなよー」と妊婦の私に弁当を渡してきた義母→夫が怒ってくれた理由とは

棟上げの差し入れ

上の娘が三歳、二人目をお腹に抱えた頃、私たちはようやくマイホームを建てた。

棟上げの日には、十人ほどの大工さんに弁当やお茶を差し入れることになった。

少しいい弁当を選ぼうと考えていた私に、義母が声をかけてきた。

「お弁当、私が用意してあげるわよ。あなたたちの分もね」

妊娠中の身体を気遣ってくれたのだと思い、私はありがたく甘えることにした。

当日、義母が抱えてきた弁当を差し入れに持っていく。すると義母は、現場にいたハウスメーカーの担当者にも、にこやかに弁当を配り始めた。

「皆さんもどうぞ、たくさんありますからね」

気づけば、手元に残った弁当は明らかに足りない。大人四人と子ども二人に対して、たった三個だった。

私だけ抜きの取り分け

「私たちはその辺で買うから、気にしないで」

義母はそう言っていたが、お昼になると当然のように家までついてきた。

私が台所でお茶を出していると、義母が振り返る。

「取り皿、ちょうだい」

渡しながら見ると、義母は一つを夫と娘に、一つを義妹とその子に、最後の一つを義父と自分に取り分けていた。きれいに分けられていく弁当を、私はただ眺めるしかない。

そして義母は、空になった容器の隅に寄せた残り物を私に差し出した。崩れたご飯と、おかずの切れ端だけ。

「残りものだけど食べなよー」

一人前にも満たない量を食べろという。私は皿を持ったまま、声も出せずに立ち尽くした。

夫の一言

そのやり取りを、台所の入り口から夫が見ていた。皿を覗き込んだ夫の顔が、すっと険しくなる。

「母さん、これはないよ。妻にこんな扱いはないでしょ」

食卓の空気が、一瞬で止まった。

義母は笑いかけたまま固まり、「あら、だって残り物がもったいないから」と言いかけて、口をつぐむ。義父も箸を置き、気まずそうに目を伏せた。

「妊娠してるのは知ってるよね。差し入れは感謝してる。でも、身重の妻に残り物はおかしいよ」

夫は自分の弁当を私の前に置き直した。義妹も「お義姉さん、私のも食べてください」と弁当を寄せてくる。

義母は何か言おうとして、結局うつむいたまま黙り込んだ。あれだけ堂々と取り分けていた人が、今は誰とも目を合わせない。

「……ごめんなさいね。気が回らなくて」

絞り出すような小さな声だった。

私は皿を受け取り、静かに頷いた。

「いいえ。はっきりしてくれて、よかったです」

新しい家での最初の食事は、義母が私の前に座り直すところから始まった。あの日以来、義母は私に何かを渡すとき、必ず一番に手を伸ばすようになった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる