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【家のビフォーアフター】壁を取り払いワンフロアへ。都内中古マンションで叶う住み心地の工夫とは?

  • 2026.6.22

住み慣れた家のリフォームや、中古マンションを購入してリノベーションを考えていたら、まずどこから始めるべきか予備知識を入れて、実例を基に計画をスタート。日本とフランス、小さな空間を自分たち好みに仕上げた4つのお宅のビフォーアフターを拝見!


改築・改修ビフォーアフター case 2JAPAN ー TOKYO

Rika Morikawa
インテリアスタイリスト、ライフスタイルインフルエンサー、広告代理店勤務

すべての壁を取り払ってひとつの大きな空間に。

光が入り込む開放的なワンルームに。壁で仕切られていない分、インテリアの配置も自由。中央のベッドを取り囲むように好きなイスやテーブルが配されている。

仕事や恋愛に悩んでいた30歳の時、住まいという大きな買い物に次の人生を託したいと思い、理想の間取りを求めて数多くのマンションを内見。ただ、心から惹かれる部屋に出合えなかったというRika。

「nLDKという個室を区切る考え方があまり好きではなくて。アメリカのアパートメントのようなワンルームにずっと憧れていました」

しかし、予算内で購入できる築古マンションの多くは細かく仕切られた間取りばかり。買取再販業者によってリフォームされ、表面上はきれいでも、どこか均質で感情が入り込む余地のない部屋に見えたという。「それなら自分で作ってしまおう」そう決めて、最初からリノベーションを目的にした物件探しへと舵を切った。知り合いの不動産屋さんを通じて、系列の工務店に施工を依頼、内見の段階から立ち会ってもらい見つけたのが築53年のマンションだ。都心に近いが、旧耐震基準という理由で価格は手頃だった。

リノベーションは、自ら描いたスケッチを手に壁の撤去や配管移動の可否などを確かめていった。

Before

水回りを除き、可能な限り壁を取り払った状態。梁や筋交いなどの構造上、天井高を上げるのは難しかった。

空間全体を使って、立体的にデコレーション。

インテリアのルールはスチール以外単色であること。ダクトレールで好きな場所に照明を設置。植物は精巧に作られたフェイクにこだわる。

リビングと水回りを程よく繋ぐガラスの仕切り。

右手のリビング空間と、左手のキッチン、浴室、洗面室とを分ける壁は、腰壁上部をガラスに変更して明るく広々とした印象に仕上げた。

辿り着いたのは、水回りの位置はそのままに、壁をすべて取り払うこと。スケルトンの状態にして、大きくひとつの生活空間を作る選択だった。キッチンや洗面室・浴室との仕切りは腰壁から上をガラスにすることで、開放感を出した。南面の窓から差し込む光が白い壁と天井に反射し、ホワイトキューブのような部屋全体を優しく浮かび上がらせる。

その余白の中に、Rika自身の感性を自由に置いていった。フェイクグリーンとヘアドライヤーのコードが天井から無造作に垂れ下がり、部屋の中央にはベッド。常識にとらわれず、感覚を優先した配置が空間に独特のリズムを生んでいる。

「インテリアは基本的に白か黒の単色。目指したのは、全方位がフォーカルポイントになる部屋です」

洗面所は、クリーンでシンプルな印象に。

Before

浴室、脱衣所、キッチンの水回り部分は排水管を動かせないため、元の場所のままとした。

After

洗面所もリビングと同様シンプルな白壁にし、ガラスで仕切ることで広さと採光を兼ねている。洗面台、ミラー、ウォールシェルフは配色とバランスにこだわり、オンラインにて購入。

扉のないクローゼットで空間を広く見せる。

キッチン脇の壁にクローゼットを造作。衣類のほか家電などもまとめて収納できる。半透明のアコーディオンカーテンが空間のテイストにマッチ。

限られた予算の中で、洗面台や水栓、フロアマットなど、個人でも購入できるものは施主支給にし、コストを抑えた。一方で、天井高が210〜230センチと場所によって差が生じたことや、管理規約都合の排水管変更工事など、着工してから明らかになる問題も少なくなかった。それでも天井を剥いで現れた筋交いを、植物を掛ける場所にするなど、制約を個性へと転換していった。

約4カ月の工事を経て完成した住まいで、暮らし始めて1年。自宅作りの経験をもとに、建築やインテリアの知識を増やしているRIKAは、早くも次の物件を見据えているという。

「ヴィンテージマンションの文化的な価値を大切にするような改築案を、考えてみたいですね」

自宅リノベーションの確かな手ごたえが、次の一歩を後押ししている。

*「フィガロジャポン」2026年3月号より抜粋

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