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「毎日同じ服、風呂にも入れない」学校で浮いていた少女の真実。迷惑者扱いされる“放置子”側の視点から描いた理由【作者に聞く】

  • 2026.6.21

ネグレクトや家庭内不和といったデリケートな問題を抱え、地域や学校で孤立してしまう子どもたち。近年、SNSやメディアで「放置子」という言葉を頻繁に目にするようになった。しかし、その多くは「近所のトラブルメーカー」として迷惑をかけられた側の視点で語られがちだ。2026年6月現在、放置子として育った当事者の内面と、あまりに理不尽な家庭環境をリアルに描き出して大反響を呼んでいるのが、山野しらす(@shirasu00mori)さんの実録漫画『私が放置子だった頃の話』だ。

本作は、母親が不倫やパチンコ通いに明け暮れるなか、一人娘の「しおり」が放置子として過ごした幼少期を描いている。今回は、当事者側のストーリーを描いた背景や作中の母親の破綻した態度について、作者の山野しらすさんへのインタビューを交えて紹介する。

※本作にはセンシティブな表現があります。閲覧には十分ご注意ください。

毎日同じ服装で学校で浮く日々。18歳未満入店禁止で始まった、パチンコ店の駐車場での監禁

画像提供:山野しらすさん
画像提供:山野しらすさん
画像提供:山野しらすさん
画像提供:山野しらすさん
画像提供:山野しらすさん
画像提供:山野しらすさん

本作を執筆したきっかけについて、山野しらすさんは「SNSやメディアで『放置子』という単語をよく目にするのですが、放置子に迷惑をかけられた側の視点の作品が多いなと感じていました。私の知人が幼少期に放置子だった経験を聞いたことがあったので、その子の視点を通して『放置子』側のストーリーもみなさんに見ていただきたいと思ったことが、この作品を描き始めたきっかけです」と語る。身バレ防止のフェイクは交えつつも、基本的なエピソードはすべて実話だ。

作中では、夏休みにしおりを友だちの家へ無理やり預ける母親の姿が描かれる。幸いにも友だち関係に悪影響はなかったというが、「服装が毎日同じだったりお風呂にあまり入っていなかったりと、一時期学校では少し浮いていたようです」と、育児放棄の爪痕は深刻だった。

さらに衝撃的なのは、母親が不倫相手とパチンコデートを楽しむ間、5歳のしおりを車内に放置していたエピソードだ。「今だったらあり得ないですよね。何か事件や事故にまきこまれていたらと思うとゾッとします」と山野しらすさんは憤る。当時はパチンコ店への18歳未満の入店が禁止された時期であり、母親は「じゃあ車で待っていろ」と、幼い娘を猛暑や危険の伴う駐車場に置き去りにした。山野しらすさんは「令和の世の中は『パチンコ屋に限らず、駐車場で子どもを待たせてはいけない』ことが常識となっていて、心からうれしく思います」と、時代の変化に安堵している。

不倫に明け暮れて子どもをないがしろにする親。「最低限の責任は果たしてほしい」という願い

どれほど仕事や夫婦関係にストレスがあっても、家事や育児を全うしている親はたくさんいる。本作に登場する無責任な親たちの姿勢について、山野しらすさんは複雑な胸中を明かしてくれた。

「フルタイムで仕事をしていて、夫は非協力的。とてもストレスフルな環境だったことは想像できるし気の毒だなと思うのですが、かといって不倫に明け暮れて幼い子どもをないがしろにすることは絶対に許されないと感じます。母親が趣味を持ったり恋愛すること(独身の場合)が悪だとは思わないし、親になっても自分の人生を楽しく過ごすことはよいことだと思います。ただ、子どもに対して最低限の責任は果たしてほしいですね。これは母親だけでなく、本作の父親に関しても言えることですが……」

親としての義務を放棄されたしおりだが、現在はインスタグラムやブログで「毒親のもとを離れたあとの生活」が連載されている。山野しらすさんは「最終的にしおりは家庭を持ち幸せに暮らすのですが、それまでもいろいろとあるので応援していただけたらうれしいです。その後は汚部屋で育てられた子の話を描く予定で、これも実話です!」と、今後の展望を語ってくれた。過酷な環境を生き抜いたしおりの軌跡は、同じように苦しむ人々の心を救う道標となるはずだ。

取材協力:山野しらす(@shirasu00mori)

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