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虹の橋を渡ったハムスターが振り返る大好きだった飼い主との思い出。互いを思い続ける絆に涙する、優しくて温かな物語【書評】

  • 2026.6.20

【漫画】本編を読む

『ひまちゃんと天国の面接』(しらほし卯乃/KADOKAWA)は、天寿を全うしたハムスター・ひまちゃんが、飼い主との思い出を振り返っていくコミックエッセイ。ペットとの別れという、大きな悲しみを伴うテーマを扱いながら、本作に流れているのは悲しみだけではなく、むしろ「大好きだった時間は、ちゃんと続いている」という温かみだ。

寿命を迎えたひまちゃんが「虹の橋」にたどり着くところから物語が始まる。そこは亡くなった動物たちが大切な人を待ちながら暮らす場所だ。そして天国へ行く前には「天国面接」が行われる。問われるのは、自分の名前や飼い主との思い出。ひまちゃんは面接を通して、飼い主と過ごした日々を少しずつ思い出していく。

胸を打つのは、「死」を終わりとして描いていないところだ。ひまちゃんは虹の橋で新しい友達を作り、おやつを食べ、遊びながら過ごしている。しかし同時に、地上にいる飼い主のことをずっと見守っているのだ。会えなくなってもつながりは消えない。その描写がとにかく優しくて温かい。

2巻ではさらに世界が広がっていく。うさぎのキャロ、サモエドの吹雪、黒猫のクロネなど、新たな仲間たちも登場し、それぞれが飼い主との記憶を抱えながら虹の橋で新しい時間を過ごしている。そんな動物たちの個性も愛らしく、ただ泣かせるだけではなく、読んでいて自然と頬が緩む場面も多い。

「もっと一緒にいてあげればよかった」「あの時こうしていれば」と、ペットとの別れにはどうしてもそんな思いがつきまとうだろう。しかし本作の動物たちは飼い主のことを決して責めることなく、ただ「大好きだったよ」とまっすぐに思い続けている。ペットを亡くした経験のある人ほど「うちの子もこんなふうに待っていてくれるのかもしれない」と救われることだろう。

本作は、亡くなったペットと一緒にいた記憶がこれからも生きる支えになることを教えてくれる、癒やしと再生の物語である。

文=Y・イノウエ

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