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結婚も子育ても、まっさらな「レベル0」から始まる!初めての妊娠、出産、子育てのドタバタを描く、えむふじんによる人気シリーズ最新刊【書評】

  • 2026.6.20

【漫画】本編を読む

『夫婦レベル1、親レベル0』(えむふじん/KADOKAWA)は、「付き合って0日婚」をした夫婦が結婚直後に妊娠、出産、子育てという怒涛の日々に突入していく様子を描いた「えむふじん」シリーズの最新作だ。後に3児の親となる夫婦だが、本作ではまだ「夫婦初心者」。タイトルどおり、夫婦レベルは1で、親レベルはもちろん0。そんなふたりが少しずつ家族になっていく過程が描かれている。

結婚したからといって、突然「ちゃんとした」夫婦になれるわけではない。生活リズムの違いや価値観のズレ、家事分担の戸惑いなど、新婚生活では細かな摩擦がつきものだ。しかも、そこに妊娠と出産という大イベントが重なれば、混乱はさらに加速する。それでも本作は、そうした現実を絶妙なユーモアに変えて描き出している。

特に印象的なのは「親になる準備なんて、誰も完璧にはできない」という視点だ。赤ちゃんを授かった瞬間から、突然「親」としての日常が始まる。つわり、両家の親への報告、出産の準備。出産後は夜泣き、寝不足、慣れない育児。毎日手探りで、発見の連続だ。それでも、ふたりは少しずつ役割を見つけ、夫婦として、親として成長していく。その姿が愛おしく、そしておかしく、読んでいるこちらまで肩の力が抜けていく。

えむふじん氏の作品らしいテンポの良さも健在だ。会話は軽快で、「間」も絶妙。子育てエッセイでありながら、根底にはしっかりギャグ漫画の精神が流れている。「育児ってしんどそう」というイメージよりも、むしろ、てんやわんやだからこそ家族になっていくのだと感じさせてくれるだろう。

夫婦になるのも、親になるのも、最初から上手にできる人なんていない。着実に「レベル」を上げていけばよいということを、笑いと優しさとともに教えてくれる。子育て中の人はもちろん、これから結婚や出産を控え不安に思っている人も、「なんとかなるかもしれない」と思わせてくれる作品だ。

文=馬風亭ゑりん

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