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「寝かせておくのはもったいない」銀行員の勧めで“貯金1000万円”を投資へ→1年半後、30代女性が通帳を見て“青ざめたワケ”

  • 2026.7.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

これは、筆者が銀行員時代に実際に受けた相談です。

当時、仕事の関係でよく来店されていた30代の独身女性・A子さん(仮名)が、ある日珍しく私服で窓口を訪れ、私を見つけるなり声をかけてきました。

「今日は仕事が休みなんです。実は、周りの誰にも相談できなくて……」 私は外出の予定を控えていましたが、いつも明るいA子さんの今までにない沈んだ表情を見て、「ただ事ではない、今すぐ話を聞くべきだ」と直感し、急遽相談に乗ることにしたのです。

コツコツ貯めた1,000万円を人気の毎月分配型投資信託へ

A子さんはある日、給与振込や生活費決済で利用しているB銀行の窓口で声をかけられたそうです。

「A子さま。これだけ口座に残高があるのに寝かせておくのはもったいないと思います。資産運用にご興味はございませんか?」

A子さんは実家暮らしで倹約家ということもあり、コツコツと貯めてきた預金が一千数百万円あったそうです。

銀行員が勧めてきたのは、毎月分配型投資信託Cファンドでした。当時、Cファンドは「高い分配金が得られる」と大人気。1,000万円あたり毎月約3万円ほどの分配金を受け取れたほか、運用実績に応じて、多い時には数十万円のボーナス分配が行われていました。

A子さんは、高い分配金に魅力を感じただけでなく、銀行から勧められた安心感から、Cファンドを1,000万円購入しました。

当時A子さんは、「毎月の分配金は旅行やちょっとした贅沢に使おう。高額なボーナス分配は貯蓄に回して将来に備えよう」と考えていたそうです。

その後、A子さんは期待どおりに分配金を受け取り、「こんなに簡単にお金が増えるのか。なぜ、もっと早く投資しなかったのだろう」と考え、家族や知人に「こんな商品があるよ」と勧めたといいます。

投資した1,000万円がわずか400万円に!

ところが、A子さんがCファンドを購入して約1年半後、未曾有の金融危機が発生し、世界経済は大混乱に陥ります。いわゆるリーマン・ショックです。

リーマン・ショックでは世界の株式市場が大幅に下落し、多くの株式ファンドの基準価額も大きく値下がりしました。A子さんが保有するCファンドも基準価額がズルズルと値を下げ、60%を超える下落となりました。

つまり、時価評価額で見ると投資した1,000万円が400万円以下になってしまったのです。それまで景気よく出ていたボーナス分配もピタリと止まり、毎月の分配金も大幅に減額。A子さんの夢は一瞬で崩れ去りました。

A子さんからは、「TETSUさん、どうしたらよいのでしょうか?ここまで値下がりしてしまったので解約できません」「購入したB銀行に問い合わせても『基準価額の回復を待つしかない』の一点張りで…」と相談を受けました。

正直な話、私もどうするべきか明確な答えは出せませんでした。「どれくらいの期間で、どの程度回復するのか分からない」「もっと下落する可能性すらある」と考えたからです。

その後、私は転勤したため、A子さんとお会いする機会はなくなりましたが、たまに「A子さんはどうしたのだろうか?」と思い出すことがあります。

金融機関の「セールストーク」の裏側

今回の事例のように、毎月分配型投資信託では、市場環境や運用状況によって基準価額が大きく下落することがあります。また、分配金の一部が元本払戻金(特別分配)となる場合もあるため、分配金を受け取っていても資産全体では減少するケースがあります。

最後に、元銀行員としてお伝えしたいのは、金融機関では顧客のニーズに応じた提案が行われますが、取扱商品や手数料体系などを踏まえて提案される場合もあります。そのため、一つの提案だけで判断せず、複数の商品を比較検討することが大切です。

金融機関によっては、販売している商品のラインアップや販売方針などが提案内容に影響する場合があります。

もし資産運用を始めるのであれば、セールストークを鵜呑みにせず、以下のポイントを意識してください。

  • 複数の金融機関や商品を比較すること
  • 「分配金」がどこから支払われているのか仕組みを理解すること
  • 必要に応じて、金融商品を販売しない立場のFPなど第三者へ相談すること

大切な資産を守れるのは、自分自身の冷静な判断だけなのです。


※記事内のエピソードは個人の事例であり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。
※資産運用には元本割れのリスクがあります。実際の投資判断や契約に際しては、必ずご自身で最新の一次情報を確認し、必要に応じて専門家へご相談のうえ、自己の責任において行ってください。

執筆:TETSU
元銀行員、保険会社勤務後、専業Webライターとして活躍。

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