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「どこに出しても恥ずかしくない子なの!」と成績自慢するママ友。だが、当の息子の一言で真っ赤に固まった

  • 2026.6.18

待合室の主

子どもの習い事の送り迎えで、毎回顔を合わせるママ友がいた。待ち時間に交わすのは、いつも決まって彼女の自慢話だ。

その日も、レッスンが始まると同時に切り出してきた。

「うちの子また満点なの、お宅は?」

「うちは、まあぼちぼちで」

「ぼちぼちかあ。うちは塾なしでもできるから、ほんと助かっちゃって」

聞いてもいないのに、テストの点も、先生の褒め言葉も、次々と並べてくる。挙げ句、よその子を引き合いに出して下げるのが、彼女の話の締めくくりだった。

「あの子はまだ九九で苦戦してるみたいだけどね」

周りのママたちは、聞こえないふりをして苦笑いを浮かべるしかなかった。

止まらない比べ合い

その日に限ったことではない。彼女の自慢は、毎回少しずつ形を変えて繰り返された。

「運動も得意でね、先生が一番だって」

「すごいですね」

「ほんと、どこに出しても恥ずかしくない子なの!」

誰かが相槌を打てば打つほど、彼女の声は大きくなっていく。私は曖昧にうなずきながら、早くレッスンが終わってほしいと時計ばかり見ていた。

「お宅のお子さんは、何か習い事させてるの?」

「うちは、本人がやりたいって言ったものだけで」

「そう。うちは選ばせる前に、こっちが見極めてあげないとね」

そう言って、彼女は満足そうに笑った。隣に座っていたママが、こっそり耳打ちしてくる。

「毎回これだもんね」

「ね」

誰も口には出さないけれど、待合室の空気は彼女の独壇場にうんざりしていた。それでも誰一人、面と向かって止めることはできなかった。

いちばんの一言

その日も成績自慢が始まった、まさにその瞬間だった。待合室の扉から、当の息子さんがひょいと顔を出した。

「ママ、ぼくの点数の話、もうやめてって言ったじゃん。はずかしいから」

静まり返った待合室に、子どもの澄んだ声だけが響いた。彼女の顔が、ゆっくりと固まっていく。

「あら、だって……」

言いかけて、言葉が続かない。みるみる頬が赤く染まり、やがて何も言えずに黙り込んでしまった。聞いていたママたちが、思わず目を見合わせる。

誰かが、こらえきれずに小さく微笑んだ。

息子さんはそれだけ言うと、また奥のレッスン室へ戻っていった。残されたのは、真っ赤になってうつむく彼女の姿だけだった。

「……レッスン、もうすぐ終わるね」

誰かがそう話を変えて、強張っていた空気がふっとほどけた。その日を境に、待合室から比べ合う声は消えた。

子どもたちの音読が壁の向こうから聞こえてくる、ただそれだけの穏やかな時間が戻ってきたのだ。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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