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夫「俺がわざわざ買ってきたのに」放置された妻の大好物→出社した夜に判明した妻の本音

  • 2026.6.17

喜ぶ顔が見たくて

大学で出会った妻と結婚して、もう9年になる。その日は珍しく仕事が早く片づいた。

帰り道、妻が大好きなハンバーガーショップが目に入った。袋を提げて電車を待つ時間ももどかしくて、タクシーまで奮発して家に飛んで帰った。

「ただいま。ほら、好きだろ、これ」

得意げに袋を差し出した。ところが妻は、テーブルにそれを置いただけだった。

「……ありがとう」

声に張りがない。包みに手も伸ばさない。喜ぶ顔を思い描いてタクシーまで飛ばした俺は、肩透かしを食らった気分だった。

翌朝、テーブルを見て言葉を失った。昨日のハンバーガーが、包みのまま放置されていたのだ。

(せっかく買ってきてやったのに、なんだその態度は)

こみ上げる苛立ちのまま、いつも持っていく弁当をわざと食卓に残し、何も言わずに家を出た。地味な、当てつけのつもりだった。

夜に向き合った本音

その夜、帰宅すると妻が険しい顔で待っていた。

「お弁当、置いていったでしょう。あれ、わざとよね」

図星だった。つい、押し殺していた不満が口をついて出る。

「俺がわざわざ買ってきたのに、食えよな」

怒る妻を見て、正直、少しだけ溜飲が下がった。が、続いた言葉で固まった。

「昨日ね、私ずっと体調が悪かったの。食欲なんて全然なくて」

「……なんで言わないんだよ」

「あなた、あんなに張り切って帰ってきたから。言い出せなかったの」

言葉が出なかった。そして妻は、まっすぐ俺を見て続けた。

「それにあれ、本当は自分が食べたかったんでしょう」

胸の奥を見抜かれた気がした。確かに、あの店の前を通ったとき、まず自分の食欲が動いたのだ。

「……バレてたか」

「お互いさまね。私も黙ってて、あなたも不機嫌で返した」

そのとき、子ども部屋から娘がひょっこり顔を出した。

「パパもママも、なんで怒ってるのに何も言わないの?」

夫婦そろって、間抜けに黙り込んでしまった。

ひとこと言える夫婦

その晩、俺たちは一つだけ約束を決めた。不機嫌を態度でぶつける代わりに、まずひとこと言葉にする。それだけのことだった。

後日、また早く仕事が終わった。例の店の前で、俺はスマホを取り出した。

「今日、あのハンバーガー食べられそう?」

少し間があって、返事が来た。

「うん、食べたい。嬉しい」

家に着くと、妻が玄関まで出てきた。袋を受け取って、初めて満面の笑みを見せてくれた。

「ありがとう。聞いてくれたの、すごく嬉しい」

あの日タクシーで運んだ袋より、ずっと軽いはずなのに、ずっしりと手応えがあった。黙って差し出すより、ひとこと尋ねるほうが、よほど妻に届くらしい。

「次は俺の分も買ってきていいか?」

「ふふ、正直でよろしい」

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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