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種族も性格も違う彼女に恋をした。でも今の関係を壊したくない…獣人女子の揺れ動く恋模様を描いた青春ラブコメディ!【書評】

  • 2026.6.15

【漫画】本編を読む

『キジとイナサ』(棚木防衛/KADOKAWA)は、「好きになること」のまっすぐさと、その裏にある不安やためらいを描いた青春ラブコメディだ。

本作の舞台は、肉食や草食、哺乳類や鳥類といったさまざまな種族の獣人たちが共存する世界。主人公はトラの女子高校生・キジ。気さくで面倒見のいい性格だが、その裏には常に「居場所をなくしてしまうかもしれない」という不安を持っている。それは体格的に相手を威圧しがちのため、場の空気を壊しやすいからだ。結果、頼まれごとを断れず、雑用を押し付けられてしまうことも多い。

そんなキジに手を差し伸べたのが、ネコの女子・イナサだ。小柄でクール、口数も多くない。一見すると近寄りがたい雰囲気なのに、キジの様子を見かねて近づいてきてくれたのだ。そのやり取りをきっかけに、ふたりは少しずつ距離を縮めていく。イナサと一緒に過ごす時間が増えるにつれ、キジは彼女の知らなかった一面を知り、友達以上の感情が芽生えていることにキジは気づいてしまう。

キジが抱える悩みは、「好き」という気持ちを伝えたいが、「この関係を壊したくない」という思いもあることだ。さらに、イナサが同性を恋愛対象としているかどうかもわからない。この状況が、キジの一歩をためらわせていた。しかし突然転機が訪れる。イナサが「彼氏がほしい」と口にしたことをきっかけに、キジの思いはあふれ出し勢いのまま告白してしまう。そしてイナサから返ってきた言葉は予想を裏切るもので、ふたりの関係はこれまでとは少し違う形へと動き出す。

誰かを好きになることの尊さと、ままならない感情が詰まっている本作。近づくたびに新しい戸惑いを連れてくる。ふたりの関係はこれからどうなっていくのか。見守らずにはいられない。

文=ゆくり

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