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「税金はかからない」孫に“500万”を手渡しした60代祖母→1年後、銀行窓口で告げられた事実に「もう少し早く確認しておけば…」

  • 2026.7.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

悪いことが起きても、ずっと続くわけではないから大丈夫。では、良いことの場合は?長く続いてほしいことも終わってしまうことがあります。メリットが大きい税金の制度も同じです。

65歳・女性Wさん(仮名)も制度の終わりを知らなかったことで、「もう少し早く確認しておけば…」と後悔の言葉を口にしていました。

油断が招いた後悔

Wさんは、娘夫婦が脱サラをして飲食店をはじめたばかりだったため、お金のことは大丈夫だろうかと気にかけていました。

そこで、来年小学校に入学する孫の教育資金を援助することに決めたそうです。

友人が「孫の教育資金なら1,500万円までは税金はかからないよ」と教えてくれました。この言葉に安心して、よく調べなかったことが制度の落とし穴にはまる原因となるのです。

2025年の春、Wさんは、タンス預金していた500万円を現金で孫に渡しました。教育資金口座の開設などの手続きは「あとでやればいい」と考えていました。

2026年4月、孫の入学を機に、教育資金の非課税特例について改めて手続きをしようと銀行へ向かったWさんでしたが…。

「あの…すでに渡された500万円については、この特例の対象にならない可能性があります」

「え?」

「詳しい税務上の扱いは、税理士に確認された方がよいかと思います」

銀行の担当者にすすめられ、Wさんは税理士へ相談することにしました。

「あとで手続き」が招いた落とし穴

「正式な手続きをせず一括で500万円を贈与した場合、この特例は使えません。しかも、2025年春に渡されたのであれば、贈与税の申告期限(2026年3月15日)をすでに過ぎています。通常の贈与として税金がかかるだけでなく、今すぐ期限後申告の手続きをしないとペナルティが発生する可能性があります」

「1,500万円までは大丈夫だと思ってたのに、税金やペナルティまでかかるなんて……」

祖父母などから教育資金を一括で贈与した場合に1,500万円の非課税の特例を受けるためには次の手順が必要です。

  1. 金融機関で教育資金管理契約を締結し、専用口座などを開設
  2. 金融機関を通じて「教育資金非課税申告書」を提出
  3. 教育資金を支払った際は、領収書などを金融機関に提出

特例を利用するためには、手順を守ることが大切なのです。もちろん、制度を利用できる要件を満たしていることが前提となります。

教育資金の贈与の特例はもう使えない?

「そうしたら今から手続きすれば税金はかからないのですよね?」

『教育資金の一括贈与に掛かる非課税特例』は、2026年3月31日に新規適用が終了しています。今から手続きをして新たに適用を受けることもできなくなりました。

落胆するWさんですが、ここで元国税調査官としてアドバイスを付け加えました。

「いいえ、がっかりすることはありません。実はこの特例を使わなくても、入学金や授業料などが必要になったタイミングで、Wさんが『必要な都度、直接学校などに支払う』のであれば、贈与税は元々かからないと決まっています」

それを聞いたWさんはパッと表情を明るくされました。

「なるほど!一括で渡すからダメだったのですね。これからの学資は都度私が直接払うようにします。今回遅れてしまった分の税金は勉強代としてすぐに納めます!」

過去の失敗への対処法とこれからの対策が分かり、Wさんはスッキリした顔で帰って行かれました。

税金の特例は「期限」と「手続き」に注意

税制上の特例は「制度を知っていること」だけでは不十分です。

適用要件や手続き、利用期限まで見落としがないようにすることで、「本当は使えたはずなのに」という後悔を回避することができます。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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