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“年収900万の夫”が病死→「遺族年金は手厚いはず」と思いきや…後日、年金事務所で告げられた事実に50代妻が“絶句したワケ”

  • 2026.7.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「夫は高収入で厚生年金もしっかり納めてきたし、子どももいたから遺族年金は手厚いはず」そう思っていたら、実際には想像と違っていた──そんな話を窓口でお聞きしました。今回は、遺族年金の仕組みに直面した50代女性Aさんのエピソードをご紹介します。

「夫の生命保険の内容を確認したくて来ました」

パートで働く52歳のAさん。会社員の夫(54歳・年収約900万円)を病気で亡くしました。子どもは25歳の社会人と21歳の大学生の2人です。

夫が銀行で加入していた生命保険の保障内容を確認するため窓口を訪れたAさんは、今後の生活が不安になり、ふと尋ねました。
「遺族年金もいくらか受け取れると思うのですが、夫は高収入で厚生年金もたくさん納めてきましたし、子どももいるので手厚いですよね?」

「遺族年金は年金事務所で確認を」

「ご主人が長く厚生年金に加入されていたなら遺族厚生年金を受け取れると思いますよ」と担当者。

「ただ遺族年金は種類があって、お子さんの年齢によって受け取れるものが変わってくるんです。正確な金額は年金事務所で確認されるのが一番確実ですよ」と案内しました。

「子どもの年齢が関わるんですか?」と意外そうなAさん。担当者にすすめられ、後日、年金事務所を訪れることにしました。

「遺族基礎年金がもらえないなんて、知らなかった」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

数週間後、再び来店したAさんは年金事務所での出来事を話してくれました。

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。このうち遺族基礎年金は、原則「18歳になった年度末までの子ども」がいる配偶者に支給されるもの。Aさんの子どもは25歳と21歳で成人しているため、この要件から外れ、遺族基礎年金は受け取れないと分かったのです。

「もし子どもが18歳以下なら、遺族基礎年金(年額約83万円+子どもの加算)も受け取れたそうなんです。子どもがいるから安心と思っていたのに、年齢でこんなに変わるなんて」と絶句したAさん。

ただし受け取れるものがないわけではありません。Aさんは夫の遺族厚生年金(亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3)を受け取れます。夫は高収入で長く加入していたため、年額でおおよそ100万円前後が目安とのこと。さらに40歳から65歳までで遺族基礎年金の対象となる子どもがいない妻には「中高齢寡婦加算」があり、2026年度は年額約63万5,000円が加算されます(成人した子どもがいる場合も対象)。

これらを合わせると、Aさんが受け取れる遺族年金は年額でおおよそ160万円前後、月約13万円程度が目安となりました(金額は概算で、実際は加入状況により異なります)。

「不安でしたが、中高齢寡婦加算のことも知れて少し安心しました。この加算の制度自体は今後段階的に廃止されるそうですが、私のようにすでに受け取る権利がある人は65歳まで減額されずにもらえると聞いてホッとしました。65歳でこの加算が終わった後は、私自身の『老齢基礎年金』の受給が始まるので、年金がガクッと減るわけではないと知り安心しましたが、将来に向けて今のうちからしっかり生活設計を考えたいと思います」とAさんは話してくれました。

遺族年金は「家族構成」で大きく変わることを知っておく

では、遺族年金について備えておきたい方は何を知っておけばよいのでしょうか。

  • 遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、受け取れる条件が異なります
  • 遺族基礎年金は原則「18歳になった年度末までの子ども」がいる配偶者に支給されるため、子どもが成人していると対象外になります
  • 遺族厚生年金は亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3が目安で、高収入・長期加入なら一定の金額が見込まれます
  • 40歳から65歳までで遺族基礎年金の対象となる子どもがいない妻には「中高齢寡婦加算」(2026年度は年額約63万5,000円)が上乗せされる(※65歳以降は妻自身の「老齢基礎年金」に切り替わるため、加算が終了しても年金総額が激減するわけではありません)
  • ただし、近年の年金制度改正にともない、中高齢寡婦加算の段階的廃止だけでなく、「子どもがいない配偶者の遺族厚生年金の有期化(5年限定支給)」など、遺族年金全体の見直しが進められています
  • なお、法改正前にすでに受給の権利が発生している人はこれらの見直しの対象外(激変緩和措置)となるため、Aさんのケースも含め過度な心配は不要ですが、これから万が一に備える人は常に最新情報を確認しておく必要があります
  • 遺族年金は家族構成や年齢で大きく変わるため、生命保険などでの備えも検討し、詳細は年金事務所や社会保険労務士に相談することをおすすめします

「子どもがいるから安心」ではなく、子どもの年齢や家族構成によって遺族年金の手厚さは大きく変わります。万が一への備えを考える際は、ぜひ早めに年金事務所や窓口へご相談ください。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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