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“退職金2,100万円”を受け取った60代男性→「夢をかなえられる」小さなカフェを開業するが…税理士から告げられた“思わぬ事実”

  • 2026.7.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

「第二の人生では好きなことをやる」そんな夢を持って頑張ってる方は多いのではないでしょうか。60歳で定年を迎えた男性Mさん(仮名)の夢は、「退職したら夫婦で小さなカフェを開く」こと。そんな夢を胸に、長い会社員生活を続けてきました。

さらに、知人から「赤字でも節税になるよ」と聞いていたことも、Mさんの背中を押しました。しかし、「赤字なら節税になる」という話には、大きな勘違いが隠されていたのです。

挑戦の先の盲点

定年まで勤め上げたMさんがもらった退職金は2,100万円でした。「これでようやく夢をかなえられる」そう思うと、自然と胸が高鳴ったそうです。

そして、退職金を元手に念願のカフェをオープンしました。ところが、開店当初から思うようにお客さんが集まらず、半年間赤字が続きました。

「カフェ経営は失敗だったかも」弱気になっていたMさんが思い出したのは赤字でも節税になるという言葉でした。

しかし、すがる思いで訪れた税理士事務所で言われた一言で思い違いをしていたことを知り、愕然としました。

「赤字なら節税になるというわけではありません」

「会社員のように給与所得がある人なら、事業の赤字を給与所得と差し引いて税金が安くなる場合があります」と税理士からの説明を受けました。退職後にカフェだけを経営しているMさんには、そのメリットはほとんどありません。

「赤字なら自動的に節税になるわけではないのですね」赤字でも申告すれば、税金が戻ってくるものだと思っていたMさんは思わず言葉を失いました。

しかし、横で話を聞いていた妻から「赤字とか節税とか忘れて、楽しんでやればいいじゃない」と言われハッとしたといいます。

それからMさん夫婦は、「自分たちもお客さんも楽しめるカフェ」をコンセプトにしたカフェづくりをはじめました。趣味のアンティークスピーカーを置き、お客さんの好きな音楽を流すサービスが評判となり、SNSでも拡散され、経営は少しずつ軌道に乗り始めました。

節税より大切なこと

「節税のことより、どうしたら自分たちもお客さんも楽しめるか考える方が自分には向いていたみたいです」

そう語ったMさんは夫婦で今日も楽しく働いているそうです。

節税はもちろん大切ですが、それ以上にどうすれば楽しくできるかに意識が変わったことが、お店を軌道に乗せることにつながったのかもしれません。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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