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“毎月10万円”をNISAで積み立て→「投資=金融商品」と思い込んでいたが…30代男性が見落としていた“意外な落とし穴”

  • 2026.7.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPとして家計相談やお金に関する情報発信を行っている柴田です。

「投資はちゃんとやっているはずなのに、なんだか置いていかれている気がするんです」そう打ち明けてくれたのは、男性会社員のAさん(35歳・男性)。

NISAで毎月10万円をコツコツ積み立て、家計簿アプリで支出も管理する、いわゆる「お金の優等生」です。それなのに、最近どうにも気持ちが晴れない。理由は、すぐ隣の席にありました。

「投資はしている」のに、なぜか差がつく

同期入社のBさんが、この数年で年収を100万円近く上げたのです。

Bさんがしていたのは、株式投資ではありませんでした。働きながら専門資格を取り、新しいスキルを身につけ、社外の勉強会で人脈を広げる「自己投資」。つまり、自分自身に投資していたのです。

実はAさん、NISAには毎月10万円を回す一方で、自分自身には1円も使っていませんでした。書籍も講座も、健康のための支出も後回し。お金を増やすことには熱心でも、稼ぐ力を増やすという発想が、すっぽり抜け落ちていたのです。

「投資=金融商品」という思い込み

投資と聞くと、株や投資信託といった金融商品を思い浮かべる人がほとんどです。しかし、投資には大きく分けてもう一つの種類があります。それが、スキル・資格・健康・人脈といった「自分への投資(自己投資)」です。

そして見落とされがちなのですが、特に若い世代にとっては、自己投資のリターンが金融投資のそれを上回ることが少なくありません。年5~6%で運用できれば優秀とされる金融投資に対して、場合によっては年利換算で10%以上のリターンをもたらす自己投資はザラにあります。

たとえば、資格取得で年収が50万円上がれば、その効果は何十年も続いていきます。一度身についたスキルや知識は値下がりすることがなく、しかも複利のように次の機会を呼び込んでくれます。Bさんが手にしたのは、まさにこの「自分という資産の利回り」だったのです。

若いほど、自己投資の効果は大きい

なぜ「若い世代ほど」なのでしょうか。それは、若さそのものが最大の資産だからです。

20代・30代には、その後に働く時間が何十年も残されています。今ここで身につけた力は、その長い年月をかけてリターンを生み続けます。逆にいえば、自己投資を先延ばしにするほど、その「回収期間」はどんどん短くなっていきます。時間という資産を最も豊かに持っている時期に動かないのは、とてももったいないことなのです。

もちろん、これは「金融投資をやめて自己投資にすべて回そう」という話ではありません。大切なのは、どちらか一方ではなく、両輪で進めることです。金融投資が将来のお金を育てる一方、自己投資は「お金を稼ぐ力」そのものを育てます。役割が違うので、本来は競合しません。

「自分には1円も使わない」を見直す

Aさんに、筆者は「積立額を少し見直して、その分を学びに回してみませんか」と提案しました。たとえば毎月10万円の積立を8万円に減らし、浮いた2万円を資格講座や書籍、運動習慣に充てる。たったそれだけでも、数年後の景色は変わってくるかもしれません。

なぜ、そこまで「稼ぐ力」を重視するのか。理由は大きく三つあります。

  • 経済的な自由への到達を早めてくれるから:収入そのものが増えれば、毎年の貯蓄や運用に回せる金額が大きくなり、資産が育つスピードは一気に加速していきます。
  • 稼ぐ力が私たちの持つ最大の資産だから:仮に毎年300〜400万円を稼ぎ続けられる力は、見方を変えれば1億円規模の財産を持っているのと同じほどの価値があります。これは「人的資本」と呼ばれ、目標を達成したあとも、ゆとりある暮らしを支え続けてくれる土台になります。
  • 働いて稼げば自己肯定感が上がるから:誰かの役に立ち、その対価を得られる実感は人生の充実につながります。さらにそこから新たなお金が生まれ、人とのつながりも広がっていく好循環が生まれます。

ただし、注意してほしいことがあります。それは、自己投資なら何でも青天井にお金をかけてよい、というわけではありません。金融投資に「上がる商品も下がる商品もある」のと同じで、自己投資にも、成果に結びつくものとそうでないものがあります。

流行りの講座に次々と申し込んだり、使う当てのない資格を集めたりしても、収入や生活が変わらなければ、それはただの出費になってしまいます。大切なのは、自分の仕事や将来にとって本当に必要な自己投資は何かを見極め、そこに絞って使うことです。

まとめ

金融商品の利回りに一喜一憂する前に、一度立ち止まって考えてみてください。あなたが持っている最大の資産は、口座の残高ではなく、これから何十年も働き、学び、成長していける「あなた自身」かもしれません。

コツコツ積み立てるその真面目さは、間違いなく強みです。だからこそ、その真面目さを、ぜひ自分自身にも向けてあげましょう。稼ぐ力を伸ばせば、より効率よく資産形成を進められますよ。


出典:日本証券業協会「私にも投資って、必要?」

出典:グロービス経営大学院「自己投資がうまくいかない理由とおすすめの解決策」

執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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