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手術で“1週間”入院した60代男性→「高額療養費があるから後で戻る」51万を病院で支払うが…男性が見落としていた“とある制度”

  • 2026.7.9
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、入院・手術を受けた60代のAさんの体験談です。

「高額療養費があるから後で戻る」と考えていたものの、事前の手続きをしていなかったために、退院時に窓口でおよそ51万円を一度に立て替え、払い戻しまで約3ヶ月かかった経緯をご紹介します。

「高額療養費があるから、後で戻る」と思っていた

Aさんは60代男性の会社員。年収はおよそ500万円で、持病の手術のため1週間ほど入院することになりました。

医療費は高額になりそうでしたが、「高額療養費制度があるから、あとで戻ってくる」と考え、あまり心配していませんでした。

高額療養費とは、1ヶ月の医療費の自己負担が一定の上限を超えたとき、超えた分があとから戻る公的な仕組みです。上限額は年収に応じて決まり、会社員でも自営業でも、公的な医療保険に入っていれば利用できます。

退院時に約51万円の支払い

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ところが退院の日、窓口で請求されたのは約51万円。医療費の総額はおよそ170万円で、その3割にあたる金額を、いったん全額支払うことになったのです。あとから戻るとはいえ、まとまった現金をすぐに用意する必要がありました。

Aさんの自己負担の上限は、約9万4千円(年収に応じた一般的な区分の場合)でした。超えた分のおよそ42万円は戻ってきますが、実際に振り込まれたのは約3ヶ月後です。健康保険の側で医療機関からの明細を確認してから支給するため、どうしても時間がかかるのです。

なお、高額療養費制度の自己負担限度額は、2026年8月に見直される予定です。Aさんと同じ年収約370万~770万円の区分では、現行の「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」から、「85,800円+(総医療費-286,000円)×1%」へ引き上げられることになっています。

「戻るお金とはいえ、一度に51万円を用意するのは大変でした」

Aさんは、一時的とはいえ、まとまった医療費を準備する大変さを実感したといいます。

事前の手続きで、立て替えは防げた

実は、入院の前に、限度額適用認定証を用意するか、マイナ保険証を使って手続きをしておけば、窓口での支払いは最初から上限額(約9万4千円)までで済みました。数十万円を立て替える必要も、3ヶ月待つ必要もなかったのです。

認定証は、加入している健康保険に申請すれば、1週間ほどで受け取れます。

Aさんは、病院で限度額適用認定証やマイナ保険証の利用について案内を受けたものの、詳しい仕組みまでは理解しておらず、そのまま従来の健康保険証で手続きを進め、高額な医療費を立て替えることになりました。

Aさんのように、手続きをせず、立て替えてしまった場合でも、あとから高額療養費として申請すれば、超えた分は戻ってきます。ただし、この申請には原則2年という期限があります。心当たりがあれば、早めに手続きをしておきましょう。

入院が決まったら、先に手続きを

まとまった医療費がかかりそうなときは、入院や手術の前に、加入している健康保険の窓口で限度額の手続きを確認しておきましょう。申請先は、保険証に書かれている協会けんぽや健康保険組合などです。マイナ保険証があれば、その場で上限額までの支払いに抑えられる場合もあります。

Aさんの場合も、事前に手続きをしていれば、窓口での支払いは約9万4千円で済み、約42万円を立て替える必要はありませんでした。

高額療養費は、自動で窓口負担が下がるわけではありません。後で還付される制度でも、事前のひと手間をかけておけば、大きな立て替えそのものを避けられます。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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