1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 副業で“月6万”稼ぐ30代男性→「年間72万の余裕ができる」喜んでいたが…翌年6月、給料明細を見て“絶句したワケ”【お金のプロは見た】

副業で“月6万”稼ぐ30代男性→「年間72万の余裕ができる」喜んでいたが…翌年6月、給料明細を見て“絶句したワケ”【お金のプロは見た】

  • 2026.7.3
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、家計・資産形成・相続など、お金に関するご相談をお受けしている、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

物価上昇や将来不安から、副業を始める会社員は増えています。月数万円の収入が増えれば、家計に余裕が出ると考えるのは自然です。

ただし、副業収入は、そのまま手取りになるわけではありません。税金、経費、申告手続きまで考えておかないと、「思ったほど残らない」ということがあります。

今回は、「月6万円増えるなら、年間72万円の余裕ができる」と考えていた30代会社員の事例をもとに、副業で見落としやすいお金の流れを確認していきましょう。

「月6万円増えた」はずなのに、なぜ家計が楽にならないのか

30代会社員のAさんは、妻と小学生の子ども1人の3人暮らし。賞与を含めた年収は約480万円、毎月の手取りは約28万円前後でした。住宅ローンは月9万円、教育費は月3万円。食費や光熱費、通信費などを払うと、毎月の貯蓄は2万〜3万円ほどでした。

赤字ではありませんが、余裕があるともいえません。子どもが高学年になれば塾代が増えるかもしれない。家電の買い替えや家族旅行にもお金を使いたい。Aさんは「今の収入だけでは、将来の教育費まで十分に準備できないのでは」と感じていたそうです。

そこで始めたのが、平日の夜と週末を使った副業です。資料作成や文章チェックの業務委託で、1件あたり5,000円〜1万5,000円の仕事を月6〜8件受け、平均で月6万円、年間72万円ほどの報酬が入るようになりました。

Aさんは「家族旅行に20万円、教育費の積立に30万円、残りは生活費に回せる」と考えていました。

ところが、実際には副業にも支出がありました。パソコン周辺機器に4万円、会計ソフトや作業ツールに年間3万円、書籍代や通信費などに年間5万円。合計で年間約12万円の経費がかかっていました。

さらに、夜に作業する日が増え、外食や惣菜も増えました。月5,000円ほどでも、年間では6万円です。

つまり、72万円の収入があっても、経費を引いた所得は約60万円。そこに税金や生活費の増加も重なります。

翌年、Aさんは確定申告をしました。所得税の精算を行い、副業分の所得は翌年度(6月)の住民税にも反映されます。給与からの天引き額が増えることもあれば、自分で納付する形になることもあります。Aさんは「副業で収入は増えたはずなのに、思ったほど手取りが残っていない」と感じました。

年72万円増えたと思っていたものの、経費と税金を考えると、手元に残る金額は年48万円前後。月に直すと約4万円ほどでした。

年48万円が残るなら十分な成果です。ただ、Aさんは「月6万円増えた」と考えて生活費を広げていたため、納税時期に資金繰りが苦しくなってしまったのです。

副業の落とし穴は「入金額」だけで考えること

副業で注意したいのは、「収入」と「所得」は違うという点です。収入は入ってきたお金の総額、所得はそこから必要経費を引いた後の金額です。

会社員の場合、副業などによる所得が一定額を超えると、所得税の確定申告が必要になることがあります。一般的に「20万円」という目安がありますが、これは売上ではなく、経費を引いた後の所得で判断します。

また、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。「20万円以下なら何もしなくてよい」と思い込まないことが大切です。

確認しておきたいポイントは次のとおりです。

  • 入金額ではなく、残る金額で考える
  • 経費を引いた後の所得を見る
  • 税金分を先に分けておく
  • 申告が必要か確認する
  • 会社の副業ルールを確認する
  • 本業に支障が出ない働き方にする

なお、業務委託の副業であれば、本業の社会保険料に直接影響しにくい一方、アルバイトなど雇用契約で働く場合は、条件によって社会保険の手続きが必要になることもあります。

副業は「増えた金額」より「残せる金額」で考える

副業は、家計を助ける有効な手段です。ですが、家計管理では「いくら稼いだか」よりも、「最終的にいくら残せるか」を見ることが大切です。

副業収入は最初から全額を生活費に入れないほうが安心です。たとえば月6万円の副業収入があるなら、家計に入れるのは月4万円程度に抑え、残りは税金や経費用に分けておく。これだけでも、翌年の納税時期に慌てにくくなります。

会社員は、給与については会社が税金や社会保険料を処理してくれるため、「入ってきたお金=使えるお金」と考えがちです。しかし副業では、自分で記録し、必要に応じて申告し、納税資金を残しておく必要があります。

月6万円の副業収入は魅力的ですが、家計に入れる前に「本当に使ってよい金額はいくらか」を確認することが、副業で家計を崩さないための第一歩になるでしょう。

の記事をもっとみる