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彼女への返信をAIに任せていた僕。喜ぶ顔が見たくて、向き合うことから逃げていたと気づいた話

  • 2026.6.14
ハウコレ

スマホの画面に、彼女へ送る返事の候補がいくつも表示されていました。タップひとつで、気の利いた優しい言葉がそのまま送れてしまう。口下手な僕にとって、それは魔法のような機能でした。便利さに甘えていることに、そのときの僕はまだ気づいていなかったのです。

言葉にするのが苦手だった僕

僕は昔から、自分の気持ちを言葉にするのが苦手でした。彼女からのメッセージに返したい気持ちはあるのに、どう書けばいいかわからず、結局「了解」「うん」だけ送ってしまう。素っ気ない返事だと、自分でもわかっていました。彼女がときどきさみしそうにしているのにも、本当は気づいていたのです。

それでも、どう変えればいいのかわからないまま、同じやりとりを続けていました。

AIに任せた返事

そんなとき、メッセージアプリの新しい返信機能を知りました。AIが文面を考えてくれるというものです。試しに送ってみた返事は、「今日もお疲れさま。あなたが頑張ってるの、ちゃんと見てるよ」というものでした。

彼女からは、これまで見たことのないほど嬉しそうな返信が届きました。喜んでくれるのが嬉しくて、僕は毎日その機能に頼るようになりました。楽だったのも本音です。ただ、自分の言葉ではないという後ろめたさは、日に日に大きくなっていきました。

「私、AIと付き合ってたの?」

久しぶりに会ったとき、彼女に切り出されました。

「最近、なんか返事の感じ変わったよね」

ごまかすこともできた気がします。でも、これ以上隠したくありませんでした。

「実は、メッセージアプリの返信機能、使ってたんだ」

正直に打ち明けると、彼女は僕を見つめ、ふいにこう言いました。

「私、AIと付き合ってたの?」

その一言で、自分が何をしていたのかを思い知りました。「ごめん。ちゃんと返したい気持ちはあったんだ。でも、うまく言葉にできなくて」それが、僕に言える精一杯でした。

そして...

彼女が求めていたのは、気の利いた完璧な言葉ではなかったのだと思います。たとえ不器用でも、僕自身が考えて打った返事。それを、僕はずっと避けていました。優しい言葉を送ることと、ちゃんと向き合うことは、まるで違うものだったのです。

次に彼女へメッセージを送るときは、時間がかかってもいい。短くても、自分の言葉で返そう。そう決めて、僕はAIの機能をそっとオフにしました。

(20代男性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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